江戸時代に夢を馳せた
 

 産業革命が軌道に乗ったころ、イギリスをはじめとする各国は経済成長を享受しはじめる。当時の日本は江戸時代であり、鎖国していた。産業革命とはおよそ縁がない、対極のような体制下にあったが、当時の日本は、イギリスに次ぐ高い経済成長率を誇っていた。3位はオランダ。

 その秘訣は、工業化に基づく恩恵ではなく、ウイリアム・モリスが標榜した職人技の謳歌だった。ウイリアム・モリスは工業化を嘆き、その行末を「古代の奴隷や中世の農奴よりも惨めな賃金労働者を生み出しかねない」と見ていた。江戸時代の日本の庶民はあらかた生業で活きていた。当初は、賃金労働者のごとき武家の需要に添うようにして生きていたが、やがては自分たちの生活を主軸にして、つまり庶民の間での経済活動を主にして栄えるようになっている。

 アイトワでは、江戸時代の文化(古人の知恵)を尊重し、それに近代科学の成果物を掛け合わせることによって、未来世代との公平を計りうる生き方を模索している。このココロを、即座に吸収してくださる人とまた今月は次々と巡り合えた。