ある思い入れ  

 イギリスでは小さくて酸味があるコックスというリンゴが主流で、「ズーッと昔から変わらぬリンゴ」だと夫からおよそ40年前に聞きました。イギリスの農業は「遅れているなあ」と思いました。品種改良が進んでいないと視たからです。
 ところが、夫が先輩から聴いて帰った事情を知り、ハッとさせられました。まずこのリンゴは、生食だけでなく、ジュースにしてもパイなどに用いても美味しい品種だそうです。さらに次の話でとどめを刺されました。もちろん 夫が大げさにいったのでしょうが、
 「ハムレットがリンゴを食って『うまいなあ』と語っておれば、今もその同じうまさを体験できるんだよ」「アイデンティティを大切にしているんだ」その後、娘連れのご夫人が来店されました。その人が「あなたがお腹にいたときに、このケーキを父さんと一緒にいただいたの」と話しておられる声を耳にしたことがあります。
 アイトワの5人の仲間は、1種しかないアイトワのケーキをいつでも同じように焼くことができます。