テラスの工夫



このテラスは人形工房の屋根に当たります。

井戸が、夏は涼しく冬は暖かいのをヒントに、人形工房や喫茶店を地階にしました。その地階の閉塞感をなくすためにサンクンガーデン(沈んだ庭)を設け、地階が一階の様に感じられるようにし、サンクンガーデンをオープンカフェにています。

人形工房や喫茶店がサンクンガーデンに面する部分は円弧になっていますが、それは同じ室内の広さを確保しながら外気に触れる表面積を減らすためです。

こうした、地下や円弧の工夫をして冷暖房効果を高めましたが、天井が弱点でした。

夏はコンクリートが焼けて表面温度が58°Cまで上がることがあり、冬は凍てて零下6°Cに下がったことがあるからです。そこで、このテラスに、厚さ15センチメートルの軽量土壌を敷き、芝を植えました。タカサゴユリは風が種を飛んで自生したものです。

結果、土と植物によって、夏は28°C止まり、冬は8°Cで収めることができています。草屋根は、顧問であった関係で、大阪に本社がある東邦レオの施工です。草屋根の省エネルギー効果は優れています。


たい肥



生ゴミを処理する小山。トウモロコシやサツマイモなどのシーズンが終わると下草と一緒に井桁に積み上げ、その中央に台所から出る生ゴミを放り込み、たい肥にして自然に還します。

エネルギー



関西で一番早く設置されたソーラーシステムです。太陽光で作ったクリーンな電気を気兼ねなく使えることは大変心地良いことです。

枯木・倒木・剪定した枝などをマキとして貯蔵しています。

マキストーブで暖房し煙突の熱で2階の書斎も暖めます。

わき水



この貯水槽には底が無い

山裾の土地は湿気るが水の循環を大切にしたい。サンクンガーデン以外は、舗装せず雨水を地下に浸透させている。居宅のある高台は湿気が多いので暗渠(あんきょ)を埋め込み地下水を抜いて家屋を守っている。水は水槽に貯め常に2トンもの水をたたえている。他に水鉢から井戸まで含めて水を蓄えるところが15ヶ所ある。11ヶ所動植物が生息し、5ヶ所は野生動物の水飲み場。

屎尿



屎尿タンク

家庭用屎尿タンクは、5トンの屎尿を貯めることが出来る

天窓(トップライト)





ギャラリーと居宅の天窓

天窓は、温室のように熱の取り入れも狙えます(右側の居宅の広縁)が、多くの場合は小さな面積のわりに大量の光を得られる点を生かしています。

この広縁は、冬は(天窓を覆っているスモモが落葉して太陽の光を通し)温室のようになり、夏はスモモの葉が茂って木陰をつくるので涼しい。

地階(人形工房)と一階(人形展示室)をつなぐ階段に設けている天窓の一種。採光を求めただでなく、閉塞感もなくしました。

他に、書斎、座敷の脇部屋、台所、洗濯場、茶の間などにも設けています。