さまざまな夢 05/02/13

 日曜日も留守番でしたが、よい家庭づくりを夢見ているカップルと庭仕事に精を出しました。二人には落ち葉が今も残っている部分に手をつけてもらい、私は背丈9mもあるカリンの剪定に挑戦しました。長いハシゴを登るときに足元を固めてもらったおかげで、無事に3mも縮めることができました。夕刻、妻は元気な声で帰ってきました。新聞やテレビに教室展を取り上げてもらい、大勢の人に詰め掛けてもらえたうえに、最終日は文部科学省の初等教育の機関紙に載るインタビューを受けたり、印象深い義援金の引き渡し方ができたりしたからです。

 スリランカの知人が運良く来日しましたので、会場に駆けつけてもらって現地の報告をしてもらえたのです。津波で親や兄弟を失った子どもたちにとって、皆と一緒に勉強している時が、寂しさや悲しさを忘れて一番心が癒される時間になるそうです。妻は人形創りの仲間と心を一つに出来たときが一番嬉しいようですが、その仲間と集めた義援金が小中学校の再建に役立っている情景を夢見ることができたようで、二重の喜びを感じたのでしょう。

 月曜日は外出し、名古屋でロータリアンを対象に「人と地球に優しい企業とは」という演題で講演をしました。人と地球に優しくなることは自分たちには厳しくなるわけですから、その厳しさが従業員の誇りに、経営者の自信に、そして社会にとっては存在意義になるようにしなければいけない、と訴えました。その後、この呼びかけに賛同してもらった経営者の一人に会社の見学に誘われたり、このスピーチの仲介をした友と一献傾けたりして深夜に帰宅しました。

 火曜日は、講義を引き受けた学校に提出する健康診断書作りのために医院を訪ねました。レントゲン室で、技師が私の前の老婦人に「中に入ってもらおかな」と声をかけていましたから、私も同様の呼びかけられ方をしたら「入らせてもらおかな」と応えようと心構えたのです。ところが、「どうぞ」と呼びかけられたので、「よろしくお願いします」と応じました。世の中には相手によって上手に言葉を使い分けられる人もいますし、それができない人もいます。私は上手く使い分けにくい方ですから、上手な人が相手のときは少し緊張します。

 看護婦さんに、これから学校ですかと問いかけられ、おもわず「ハイ」と答えました。そして実際に聴講する身になっている自分を夢見ました。私は短大に勤めていた時に、学校を社会に解放することを考えましたが、その時に国公立大学は無料で国民や市民に聴講を許すべきだと考えています。そんな夢を駆け巡らせているときに、看護婦さんに夢をつぶされました。なんと身長が往年から3cmも縮んでおり、視力も3年ほど前の1.2から0.6と0.7に落ちていたのです。

 水曜日と木曜日は、ともに午前中は室内で原稿つくりや読書で、夜は年賀状の整理で過しています。午後はカリンの剪定クズを薪にする部分と灰にする部分を分けたり市の審議会に割いたりしています。金曜日はよく体を動かしました。午前中は妻と納屋の掃除や旧玄関前の庭掃除についやし、午後は剪定作業で大量にたまっていた太い幹や枝を薪にしています。

 近頃はまたイノシシが大暴れしているようです。犬の散歩をしている妻によれば、公園などは土がいたるところで掘り返されているようです。ミミズや自然薯などを狙ってのことでしょう。庭に進入されないように、また脅しを仕掛ける必要がありそうです。問題は、庭巡りをする人が順路を外れて脇道に迷い込んだときの心配です。イノシシは文字が読めないわけだから、「危険」と書いた立て札でも立てようか、と相談しているところです。

 週末は思わぬ来客で明け、循環型社会を夢見させてくれる来客で暮れました。その間に、私は温室で鉢植え植物の草抜きをし、妻は5月の個展に向けて人形造りに精を出しています。

 

落ち葉掃除をする恋人同士です。新緑や紅葉(右)の季節に前の公道を通る人たちを楽しませた片並木の落ち葉を、垣根の脇に掃き溜めてあったのですが、それをかきとって柑橘類の根元まで運んでもらって撒いてもらっています。この二人は、あと半日もあればこの仕事を仕上げることでしょう。

カリンの剪定前(右)と後の写真です。一番危険だったのは、横に伸びた枝から天に向かって徒長していた枝を切り落とす作業でした。横に長く伸びた枝に、長いハシゴをかける場合は、ほぼ垂直に立てないと、体重がかかって枝をたわませたり枝を折ったりしてハシゴが外れかねません。かといって垂直に近づけるほど後ろ向きにハシゴごと倒れる危険性が生じます。だから、ハシゴの足元を固めてもらったわけです。

義援金の引き渡し式です。宮城県桶谷(わくや)町の古代獅子舞保存会などから頂いたご祝儀や、人形仲間がお金でもらったお祝いも義援金に回したようです。そのおかげもあったようで、スリランカでは「家が一軒建つほどの値打ちがあります」と喜んでもらえたとか。京都文化博物館の副館長さんからスリランカで学校の再建に手をつけた人に手渡してもらいました。
妻が作りかけている人形の衣裳(左)です。若いカップルが敷いた石畳(右)と一脈通じるところがあり、工場から生み出される製品や工業文明に慣らされた職人の製品との間には大きな違いがあります。この違いを重視する文部科学省の人から初等教育のためのインタビューを受けたようですから、妻はとても嬉しそうでした。


今年の年賀状ベスト7を選びました。目は、手作りで「酉年」を印象付ける図柄にひきつけられました。いずれもがそれぞれオリジナルワンであったということも意味しています。残念ながら、この7枚はいずれもお年玉(切手シート)があたった20枚余の中に入ってはいません。

若菜という会社を見学しました。『安全とおいしさの追求』という本で紹介されただけに、すばらしい漬物屋さんでした。清潔や丁寧であるとか素材や漬け方などが優れているだけでなく、チームワークが素晴らしいのです。季節の素材にあわせた多様な製品を、こまめに手際よく手作りしていました。写真をクリックしていただくと、この会社の社長さんにも聞いていただいた当日のスピーチの要旨が出ます。

金曜日の午後をついやした成果です。モミジ、カリン、紅梅、柏、椿、杉などの剪定ででた幹や枝で作った薪です。これで一人用の風呂なら一冬は沸かせそうです。今、一昨年のスモモの剪定で出た枝で風呂を沸かしていますが、一人用なら一ヶ月ほど沸かせそうです。