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ヘソと古の記事 05/10/03
先週は5日にわたって道具学会に関わりました。播州丹波予備調査は千年家と呼ばれる日本最古の民家に立ち寄ったのちに、三木市のドリルメーカーを訪ねることから始めました。そこで三木市が日本のヘソだと教えられたのです。小野市に移動し大手鋸(のこぎり)メーカーだけでなく、鎌やソロバン作りの名人も訪ねています。夜は、学会員のお宅に招かれ、農具の大量生産が生じさせた弊害や藤原定家の縁に話が及び、興味を惹かれています。大手農具メーカーの元幹部役員でした。最終日は半紙の発祥で知られる杉原紙研究所を訪れ、帰途「日本のへそ公園」だけでなく、そのヘソにも立ち寄っています。そして、命名について考えんでいます。
土曜日のフォーラムは、極限の道具学と冠した映画『水筒と飯盒』から始まりました。今は高齢となったビルマ戦線をさまよった5人の歩兵が、1時間40分にわたって戦場の記憶をたどりました。見終わったときは咳払いもなく沈黙がしばし続いていました。学会員が創った作品ですし、本人が映し出したのに、拍手さえ忘れていたのです。20日分の米と貧相な武器を与え、捕虜になることを戒めて戦場に放り込んだ兵士は、飢餓や病気との闘い、つまり指導層の無知や貧相な想像力と戦っていました。だが、そうとは誰も指摘せず、生きながらハイやアリにたかられて死んだ戦友に思いを馳せていました。5人の兵が手放さずに持ち帰った道具が水筒と飯盒です。
日曜日から、鬱憤を晴らすかのごとく庭と机に立ち向かっています。雨不足で土はカラカラでしたが、まずゴーヤの棚を解体し、腐葉土や灰を入れて畝にたて直し、水菜の苗を植えました。ゴーヤの棚の解体に3時間余も要し、組み立ての時間も加えると1日仕事だと気付き、来年は異なる方法を考えよう、と思いました。2畝あった京唐菜の一方の畝を立て直し、カキチシャの苗も植えました。サクラソウとハナタバコの自然生えの苗を鉢植えにもしました。秋の行楽シーズンに備えて巡回路の気になる草も抜きました。その合間に机に向かい、1万字ほどの原稿を書き上げています。夕刻は枯れ枝を拾い集め、夜は風呂焚きです。太陽光の天水だけではぬるかったのです。
7月に大勢の学生を対象にスピーチの機会を与えられましたが、その内容を収録するから原稿を送るように依頼されました。パワーポイントの資料を頼りに作文です。一人でも多くの若者に、未来の方から微笑みかけてくるような人生を選んでもらいたい、と私は強く思っています。そう願って呼びかけた内容を、庭で思い出しては机に向かい、文章にまとめたのです。
火曜日に、わが歳を思い知らされる来客がありました。私は会えなかったのですが、30年ほど前に初めて全国紙に載せてもらった記事を持参した男性です。当時、「こんな人がいるんだ」と思いながら読み、その春に社会人となり、今は早期退職した、と話しておられたようです。拙著を買い求めて下さったそうですから、次回の読後感や質問をしていただく来訪が楽しみです。その夜から翌日にかけて雨がちの天候となりましたから水曜日は終日屋内で過しています。デスクワークも溜まっていましたし、スポットライトを取り付ける大工仕事もしています。
木曜の朝から金曜の夕刻までは気ままに過しました。金曜の夜から月曜の朝にかけて秋田に出かけ、日曜はスピーチです。その準備で机に向かったかと思うと庭に出て、点在する水槽の金魚やメダカに餌をやったり、野草や木の枝が伸びたところに目が行くと道具を持ち出して手を入れたり、日照りが気になると温室にいって水の切れた鉢に水をやったりしたわけです。その間に、スピーチの練習をしたわけです。計画的に動いた時間といえば、妻に頼まれて残っていた京唐菜の芽を摘んだことと、人形創りに興がのった妻のために風呂焚きを担当し続けたことぐらいです。月曜の夜から行水をやめています。これから、久しぶりで寝台列車に乗ります。
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極楽山浄土寺です。ドリルメーカーの社長から「へそ」の話を聞いた後で立ち寄りました。快慶作全長7M超の仏像もさることながら、西日を受けると極楽のようになる建物の構造に興味を覚えました。「南無阿弥陀仏」と唱えるだけで極楽に行けると教え、一部エリートの宗教であった仏教を大衆に浸透させた浄土思想に思いをめぐらせたのです。「死んだ仏に罪はない」との一種の贖罪思想はここから生まれたのでしょう。
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映画『水筒と飯盒』のチラシです。大東亜共栄圏を謳った聖戦で、捕虜になることを戒められた兵士は、戦い続けるために、食べ物は現地民を襲って調達していたようです。胃腸の弱い私ですが、少し自信を得ました。兵の一人は、生水は飲まず、湯を沸かせないときは水筒に正露丸を数粒入れて溶かし、飲んでいました。でも、水だけでは生きられません。写真をクリックすると裏面の内容が読めます。
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愛用の備中鍬です。使うと先が磨り減ります(中央)。左右の長さまで継ぎ足してもらっていた地元の鍛冶屋が廃業し、知人を頼って関東の鍛冶屋に依頼したことがあります。使ってみて「アレッ?」と思いました。角度が幾分かきつくなっており、土にうまく突き刺さらななかったのです。それは関東の軟らかい土に合わせたのでしょう。土質に合わない農具は農民を疲れさせ、それを無視する(発動機にたよる)農耕機械は自然を痛めがちです。
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近頃、よくスピーチで用いる資料の一例です。会場で映し出す画面を、コマ順に印刷したものです。いわば紙芝居のようなもので、レジメとこれを取り出せば、話した内容を思い出せます。このときに内容は、短大のライフスタイル論では15回の講義を通して訴えたエッセンスを、映像を駆使して90分に縮め、数百人の若者に語りかけました。収録された後で、アイトワのホームページにも載せさせてもらう予定です。
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菜園の大根がここまで育ちました。間引くと、細い大根が入っています。浅漬けにすれば、コリコリと音がして美味しい。葉と根をお揚げと一緒に炊いても美味しい。私は、この貝割れと大根の中間の間引き菜と、最後の花芽が好物です。
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鉢植えにしたサクラソウ(右)とハナタバコ(左)です。毎年、自然に落ちた種から発芽した苗を掻き集めて植え替えています。ハナタバコは砂利敷きのパーキングのでよく発芽します。サクラソウは鉢植え植物の土に混じった種が、温室でよく発芽します。
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庭に点在する水槽の一つです。鉢を半分土に埋め込み、鉢の中に別の背が高くて小さな鉢に植えたスイレンを入れてあります。3種の水草を浮かせ、小型のタニシと、一匹29円の金魚三匹と、温室の水槽で増えた幾匹かのメダカを入れました。これで水が濁るようでしたら、その様子を見て水草を増やしたり、川エビを入れたりしてみます。
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