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クウシンサイも生かせた 05/10/31

 嬉しいことが重なった一週間でした。金沢の講演から帰ってみると、もらい物だといって大阪の友から3種の酒が、秋田の知人から山内のコイモが、そして過日訪ねていただいたご夫妻から川越の金時イモが届いていたり、妻の甥が丹波の紫頭巾を持参してくれたり、楽しい知らせや電話があったりしたことを知ることから始まりました。週末にはそれらを生かし、妻を介して知り合った人たちを中心に、森の囲炉裏場で久しぶりのパーティーを開いています。

 この間に、予期せぬ来訪者や嬉しい便りなどの他に安堵の来訪者にまで恵まれています。わが家の庭で絵を描いた美学生が記念の絵を届けてくれたり、松江でお世話になった母娘に待望の本を持参していただいたり、秋田でのシンポジュームでお世話になった人から反省会での声として拙著を電話でまとめて注文してもらったり、庭で撮影したというアサギマダラの写真や、立派な北海道の生鮭が届けられたりしたのです。また、ある試作品の験し使いもしています。

 安堵の来訪者は月曜の午前にありました。「これから訪ねて」いいものだろうか、と東京の友の一人から電話があったのです。声が近いと思ったら近くの駅からでした。実はこの友とは10日ほど前に新聞紙上で会い、行間からにじみ出るものを感じていただけに喜びはひときわでした。側近として仕えた高度成長時代が生んだ傑物を偲ぶ内容でしたが、ポスト消費社会でも悠々としてもらいたく願って神経だけでなく体まですり減らす日々が続いたに違いありません。所要で京都に駆けつけたとのことでしたが、しばし小鳥のさえずりと新鮮な空気で心身を休めてもらいました。見送りながら、私はもう一人の過去の傑物麦の家を思い出しています。

 この一週間は庭で過す時間がとても長い週でした。畑仕事は先週仕立てた畝に水菜の苗を植えた程度ですが、掃除と地固めとか試作品の験し使いなどに時間を要したのです。掃除には、ホウセンカや朝顔などの種を採って残滓を堆肥の山に積む、ゼラニウムやツボサンゴなど刺し芽で育てるものは鉢の土を替えて刺し芽をし直すなど、夏を飾った植物の整理も含まれています。問題は、使い古した鉢の土を3種に篩い分ける作業です。細かい土と粗い土、そして排水性を高めるために加えたものを分け、再使用できるようにする作業です。仕事場も冬仕立てに模様替えしています。風呂の焚口に火持ちがする太い薪を積みあげたり、地下足袋と長靴を入れ替えたり、網など春まで使わないものを仕舞ったりする作業ですが、いずれも毎年繰り返すことです。

 試作品の験し使いとは、森の囲炉裏場を覆う天幕張りでした。野外パーティーではいつも天候に悩まされます。屋内と屋外でメニューや酒の準備が異なるせいもあります。今回も当日の午前中は雨の予報でしたから、3日前から天幕を張って備えたのです。それでもぬかるんだ部分は、古新聞を分厚く幾度も敷き直して水分を吸い取らせ、最後は乾いた砂をまいて仕上げました。竹酒の準備は、前日の間に倒しておいたこの春の太い竹を、天幕の下で雨を避けて猪口や徳利に切り出しています。今回は般若湯まで控える高僧も迎えており、メニューを少し工夫しました。

 実はこの間に久しぶりで風邪を引いています。月曜の夜は早めにやすんだのですが、悪寒を感じました。火曜日の午後は38度5分まで上り、大事をとって寝込み、木曜日の夕刻まで風呂を控えています。なんとか金曜の朝から平熱でした。天幕のおかげと、さまざまな頂き物や大垣の友に見繕ってもらった肉、義妹のつくったトウガンなどをはじめ、庭の山栗、クコの実、ヤブツルアズキ、マクワクワ、クウシンサイ、ヤーコンなどが色を添えてくれたおかげ、無事に、楽しく終えられました。翌朝は快晴。東京から駆けつけてもらったご夫婦には泊まっていただき、陽光の下で紅葉の気配が始まったばかりの山を眺めながら楽しい朝食をご一緒しました。

同時に届いた横手市山内のコイモと川越の金時イモです。サツマイモは焼き芋に、コイモは豚汁に生かすことができるのでは、と思っています。

美学生が届けてくれた作品です。わが家の温室を被写体にして、構成に工夫の跡を感じた作品です。パッケージも手作りでした。

北海道の友から大きな生シャケが届きました。シャケは幾種かあるようですが、友はこのシャケが最高だといって毎年送ってくれます。柿の葉寿司やホイル焼きにすると美味しそうです。腹に大きなイクラが入っていましたから、醤油漬けにしてイクラ丼を楽しみます。
待ちわびていた書籍です。臨場感を取り戻しながら、古(いにしえ)の島根県や出雲の古代文化に触れ直したく思っています。
義妹の育てたトウガン、妻が育てたマクワクワとクウシンサイ、そして自然生えの壬生菜です。トウガンはトウガン汁に、クウシンサイとマクワクワはエリンギを添えて炒め物に、壬生菜はコカブと一緒にサラダに生かされていました。

別注の試作テントをかけた野外パーティー会場です。幅7m縦5.25mの四角いテント生地を、2箇所切り取ってTシャツのような形にしています。この変形テントを張る作業と、たたんで収納する作業に、二人掛かりで1日仕事になりそうですが、これから随分助かりそうです。

薪風呂を焚く座です。29日の夜からおろしました。小型の座布団と台座をマジックテープでくっつけて用います。京都で知り合い、今は東京に転居した夫妻も迎えましたが、泊まっていただき、ご主人に風呂焚きを担当してもらいました。