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アイトワ循環図

平成の大馬鹿者 06/04/09

 花盛りとなった庭での庭仕事が大いにはかどったのですが、それは日曜日に、ある大学の動きを知ったおかげかもしれません。クヌギなどの剪定とその枝さばき、モミジの枝の切り落とし、堆肥の山の移動とアスバラガスの畝の手入れ、そして夏野菜の第一次種まきをしたのですが、京都の名門2私大が小学校を開校し、小学生の給食を一流ホテルに用意させ、それを売り物にしたと知った上で行っています。アイトワ(愛とは?)について考えこまされました。

 月曜日の朝一番に、妻に手伝ってもらってスライド式3段アルミ梯子をクヌギ林に運びました。その後、堆肥の山の整理から手を付け、ズッキーニなどの種まきを終えました。その時に急に風が強くなりましたから、好機到来とみてアルミ梯子を6mほどに延ばし、妻の手助けを待たずに登ってクヌギや樫の剪定をしました。その頃、人形教室に入っていた妻は、私が先に危ないことを始めるのではないかと心配していたとかで、昼食時にブツブツと文句を言われました。

 妻は、梯子から私が転落しても救急車さえ呼べなかった、と文句をいうのです。私にすれば、突風という好機を逸したくなかったのです。高所恐怖症の妻が一緒だったら、きっと梯子に登らせなかったと思います。風向きがしばしば変わり危険でしたが、巧みに風を活かしたおかげで難なく太い枝を落とせたのです。「もしも」と妻がしつこく迫りますから、「だから月曜日に回した」と応えました。土日は保育園での祝辞や麦の家を訪ねる約束がありましたから、万一怪我をして約束を果たせなくなるといけないと思い、月曜日に回したのです。

 もちろん妻の言い分は理解できます。妻も頭では、そうした過保護のような意識が今日の環境破壊や家庭崩壊などの社会問題に結び付けていたことを承知していますが、いざわが身の問題となると吾を見失うようです。妻が好む少数民族は、環境破壊を伴わない生き方をしていますが、それは男が危険を伴う力仕事を、女は根気がいる家事を、と役割分担することで成り立たせています。近代文明はそうした作業の多くを機械化や化学化とか外部化などで簡略化し、水質汚染や資源枯渇問題などだけでなく簡略化した家事の分担(押し付け合い)問題まで生じさせています。

 庭仕事をしながら、私は給食を一流ホテルに任せた小学校について考えました。そこに数倍の入学希望者が殺到したと聞いたからです。その学校関係者やそこに群がった親たちは、子どもたちが成人する頃の世界をどう見ているのでしょうか。成人した子どもたちに「目先や自分のことしか考えられない大人であった」と笑われかねないようで、心配です。

 いらぬ心配事をしながら庭仕事をしたものですから、それだけ余計に庭仕事に充実感を見出せたのかもしれません。他にも楽しいことが多々ありました。週始めにアイトワ塾の幹事と麦の家を訪ねたり、楽しい来訪者を受け入れたり、嬉しくなる贈り物を受け取ったりしたのです。

 麦の家は、これから大広間の畳をあげて養蚕に入られますので、それが済む7月中旬以降に塾生と連れ立って訪ねることにしました。来訪者は、京都の大学で教鞭をとっている女性や、かつて幾度か庭仕事を手伝ってくれた女性でした。前者は、東京に住む共通の友の仲立ちでお越しになり、3人でゆったりと歓談しました。後者は突然の来訪でしたが、生酛造りの酒を手土産に近況報告でした。もう1つの嬉しい贈り物は、ニュージーランドのミルフォードトラックで出会った人が撮影したビデオテープでした。見事なアングルと編集でしたから見とれました。
 
 土曜日の朝です。これから庭の見学を希望する来客を向かえ、8時に朝食をご一緒し、昼から市街に出ます。東京勢の友を京都勢が出迎え、日曜にかけて京都でくつろぐ例会があるからです。でも、今回は日曜日はスキップです。吉野に桜を見に行く予定を入れているからです。

コゴミが自生する新しい場所が出来ました(左)。庭の中ほどにある沢(水路)沿いです。コゴミは湿り気が好きなようで、大雨が降ると水没するところに広がっています。来週にでも、この沢の下流に宿根ソバを自生させる場所を作りたく思っています。

クヌギと樫の剪定をしました。かつて頭を切り取ったクヌギが新しい幹を伸ばし、自然生えの樫と一緒になって囲炉裏場の周りのクヌギを日陰にし始めましたからで(左)、切り落としました(右)。当初は、昼休みに、妻は手伝ってもらって切り落とすことにしていました。だが、突風を天の加勢と見たおかげで、妻にロープを引っ張ってもらわずに済んだのです。

下にあるサザンカや北側の富有柿を日陰にしていたモミジの枝を切り取りました。切り取る前(左上)、と大鋸で切り取っている途中(上)と、切り取った後(左)ですが、中の写真の幹に、数年前に切り取った枝の跡がありますが、肉がまいてはぼ切り口をふさいでいます。同様に肉が巻くように切りました。
金太の小屋の近くで、常緑の月桂樹(ローリエ)が紅枝垂れ桜と背丈を競っていましたので頭を切り取りました(左)。切り取った頭の1本は4m10cmもありました(上)。その中ほどに去年の小鳥の巣を見つけました(右上)。この母鳥は、ヘビやネコとかイタチから卵を守るために、金太に番犬の役割を担わせていたのでしょう。

ホウレンソウを収穫しました。久しぶりで根の甘さを満喫しました。根の長さが20cm、その太さは直径が1.5cmもありました。酸性度が強いわが家の畑ではホウレンソウはうまく育たないのですが、腐葉土と灰をたっぷり入れて育て、甘い根と分厚い葉を満喫したわけです。

新芽を出した自然生えのゴボウです。放っておけばトウ(花茎)をたて、種を結び、根が食べられなくなるかもしれませんから、幾本かは掘り出しました。しみ豆腐と牛肉と一緒に煮てくれましたが、香りが強くて美味しかった。葉は和え物になりましたが、苦味がきいて美味でした。

生酛仕込みの酒には手紙も添えられていました。彼女は化粧品会社を辞め、仲居のアルバイトをしながらわが家の庭仕事を手伝っていましたが、自活力を高める夢を抱いた人たちが集うところに出かけ、実体験に入っていました。生酛仕込みの酒は、過日の地球デザインスクールの帰途、伊根の蔵元に立ち寄って買おうとして買えなかった酒です。