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ライフワーク 06/04/23

 先週の土曜日は曇天の中を日帰りで丹後に出かけ、黒椿で有名な加悦(かや)町の千年椿を見て7時に帰宅しました。案内してくれた植物に詳しい友はご飯が大好きの人ですが、妻は初めて用いる土釜で特別の米を炊き、帰りを待ち構えていました。「81歳の母がつくった米です」との手紙を添えて、このたびの人形展で決まった長野の嫁ぎ先から送っていただいたお米でした。

 樹齢1200年、幹周3.26mとの黒椿は、山の谷あいを深く入ったところの斜面に、木の柵で守られて生えていました。廃村跡の最深部でしたが、そこに至る谷あいは近年の台風で酷く荒れていました。大雨がもたらした濁流に襲われたわけですが、黒椿は谷筋から少し離れたところにあり、微動だにしておらず、満開でした。花がたくさん落ち、なかには斜面をころげ落ちて木柵を越えていましたので、わが家の実生の椿と見比べるために幾つかを拾って帰りました。帰途、友はタムシバの生えている公園に立ち寄り、コブシとの見分け方を教えてくれました。嵐山などに生えているコブシと思っていた木は、ニオイコブシとも呼ばれるタムシバでした。

 日曜日も終日曇りがちでしたが、かつてカンノンチクやシャクナゲの鉢植えをくれた友がご母堂を伴って訪ねてくれました。御母堂にカンノンチクの株分けを手伝ってもらうためでしたが、今回は徒長したものを切り取るにとどめ、株分けは来年にまわしました。シャクナゲが咲き始めていましたし、イチリンソウやシラネアオイとかヤマブキやトサミズキなども咲いていましたから、花が大好きな御母堂に喜んでいただけたと思います。妻は人形教室の生徒さんを庭に誘い、紅枝垂れ桜の下に敷物を広げ、花見をしながら昼食をとっていました。

 庭仕事がはかどった1週間でした。巡回路の除草、クウシンサイの種播き、ポットで育てたインゲンマメとズッキーニの苗の定植、苗を買ってきた伏見トウガラシと万願寺トウガラシの植え付けをし、モロヘイヤの種を苗箱にまきました。菜種梅雨が明けたような好天の月曜と火曜は、気になっていた大仕事も片付けています。緑のガレージの手入れと道沿いの松を1本切り取る作業です。ガレージを覆わせているジャスミンが、この冬の寒さで傷められましたので枯れた葉や蔓を取り除く必要があったのです。妻は風呂の残り湯でイヌのシャンプーと軍手の洗濯をしています。

 山菜の季節です。庭のコゴミやツクシはすでにたけ、カンゾウは終盤ですが、18日にワラビを、19日にタラの芽と東北でアイコと呼んでいるミヤマイラクサの新芽を収穫し、物的には貧しかったが心が豊かであった昔を振り返りました。ワラビは8日に、妻は数本のハシリを採り、最後のツクシと一緒に華弁当に彩を添えていました。これからセリ、ノビル、ヤブガラシ、アケビ、ウコギなどを楽しむことになります。18日にアスパラガスの初収穫もしています。

 季節の味覚として野生化したミツバと終盤に入った冬野菜の花芽を楽しんでいます。とりわけ私は、妻がつくる花芽の浅漬けの「古漬け」を好んでいます。この味は、きっと他では味わえないはずです。漬け方にも工夫がありますが、他では手に入りそうにない材料を用いていますし、古漬けの醗酵具合がとても微妙で、時間と天候に大きく左右されるからです。

 今週は4冊もの書籍を届けていただいたり贈っていただいたりしました。読書に没頭できる梅雨に早く入って欲しいぐらいです。来客も3件ありました。1人の人生や1つの会社のあり方に関わる相談事と私のライフワークに影響を及ぼしかねない案件でした。笑われてしまいそうですが、私は人類恒久の平安を夢に見ています。アイトワ塾もありました。とても深い考察が加えられ、1回で済ませる予定であったテーマを3回に分けて取り組むことになりました。これから農業に詳しい友に連れられて京唐菜の苗を求めて出かけます。好天であけた土曜日です。

妻は長野から送り届けられたばかりのお米を、少しおこげが出来る程度に土釜で炊き上げ、賞味したうえで御礼の電話をかけていました。いろんな意味で美味しいご飯でした。このたびはガスで15分で炊き上げたそうですが、いずれは薪で炊いてお茶漬けパーティも開きたく思います。

黒椿は山間の谷筋にあった廃村の奥にありましたが、そこにたどり着く道中は大きな石を積んで造った棚田の跡でした。その棚田跡にも杉が植林されており、強風や豪雨で荒れるに任されていました。
わが家には実生の椿が幾本も生えています。今を盛りにと咲いている花をいくつか拾い集め、加悦町の黒椿(右の3つ)と見比べました。自然が創るものは二つとして同じものがありませんが、庭にある濃い椿(左のグループの右上)の花同士を掛け合わせば、すぐに加悦町の黒椿と遜色のない黒椿を誕生させられそうです。
松を1本切り取りました。モミジのトンネル(並木)の間に植えてあったものですが、モミジと隣家の竹やぶに囲まれて日陰にされ、貧相になっていましたから切り取り、薪にすることにしました。
洗濯した軍手です。近頃は一双10円で買えますから、「使い捨てにしよう」と妻と語らいながら一締め60双の軍手を買ったのです。にもかかわらず、私が汚れた軍手を捨てずに溜めていたものですから、妻が洗いました。洗いこんだ軍手の方が手になじみます。

アスパラガスを初収穫し、ほろ苦さを賞味したのは19日の朝でした。同時にワラビもワラビ道で収穫しており、あく抜きに手を付けています。8日に採ったワラビは、日当たりのよいハクモクレンの下で出たものです。

今週いただいた4冊です。上段の3冊は、それぞれ敬愛する僧侶と幼稚園長と翻訳家の手になる一書で、とても興味をそそられています。下の一冊は取材協力のお礼ですが、ソーラー発電に関するテレビ番組を思い出しながら読み、文章の価値を確かめたくと思っています。