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ジェントルマンと日本病と魂 07/01/28

 アイトワ塾の合宿はとても燃え上がりました。講師が選んだ「ジェントルマン」というテーマが参加者の心に火をつけたのです。その意味するところから始まり、成り立ちや意義だけでなく、その本質にまで近付こうと試みました。質疑は、講義の後と翌朝の2回に分けて延べ5時間におよんだのです。その過程で、私は幾つかの謎が解けたような心境にされています。

 欧州出張に私は1968年から出かけていますが、当時のイギリスではイギリス病が云々されていました。それとは異質のもっと深刻な病気が、今の日本では蔓延しているように思います。その原因がこのたびの勉強を通して見えてきたように感じたのです。その病気は「ジェントルマン」の対極のような人が組織の要職を占めがちになる風土が発病させるのではないか、と気付かされたのです。その病状は談合、汚職、偽装、過誤、裏金、隠蔽などの腐敗となって現れる。

 だから、昨年発覚した高校の必修科目未履修問題を思い出しました。それと同じことが大学でも生じていたに違いない、と睨んだわけです。大学の予備校化です。司法試験や医師試験などの資格取得対策のために、「ジェントルマン」に求められる教養を軽視していたのではないか。つまり指導的立場にたつ人には不可欠である教養をなおざりにして資格取得に狂奔していたのではないか、と勘ぐったわけです。組織の要職を占める人にとって不可欠である素養の欠如です。

 「現在」とはさまざまな過去の上に成り立っていますが、ジェントルマンはその現在が最上の状態であると信じられるように努めていたようです。イギリスに成文憲法がない理由もぼんやりと理解できそうに思いました。私たち大人がまず胸を張れる社会にしないと、「美しい国を」とか「国を愛せよ」などと叫べば叫ぶほど子どもや若者を白けさせかねない、とも感じました。

 合宿から戻った日曜日の午後も有意義でした。まず環境教育をテーマにした講演の資料を、友に手伝ってもらって作りました。続いて他に2人の友を迎えています。その1人は新しい事業に夢をかけた人ですが、その姿に私は創造する喜びに目覚めた人の姿を見ています。もう1人の友は10数年ぶりの再会で、深夜まで酒盃を重ねました。向こう10年ほど関わるプロジェクトの話や、孫と過す喜びを語っていました。「孫を戦場に送るな」とのスローガンに惹かれ、10月21日に日比谷公園に集い、200人ほどでデモ行進をしたそうですが、若者が参加していなかったとか。

 庭には月曜日に出たのですが、温室の水やりと「森のいろりば」の囲炉裏に溜まっていた灰を取り出しただけで終わりました。雨で濡れた灰を一輪車に2杯分余りをスコップですくい取り、庭の随所にばら撒いたところでキックリ腰の前兆のような違和感を覚えたのです。雨がぱらつき出したのを幸いに切り上げたものの、火曜日の夕刻までごろごろして過しました。結局、週末まで庭仕事には就けずじまいです。その代わりにというわけではありませんが、水曜日から翌日の昼過ぎまでは予定していた岡山県への泊りがけの出張に、25日の午後は苗木を探すのが目的で初天神に、金曜日は今期最後の講義に、腰痛をだましながら出かけています。

 初天神では、ついでに除草の道具やヤスリなどを買い求めたり、森の囲炉裏で土鍋を使うための五徳を手配したりしました。苗木は、友の1人がもうけた娘の誕生記念樹です。妻は、赤ちゃんの肌の白さに感動し、白い花をつける木を捜し求め、真っ白の花をつける侘助と姫沙羅の苗を見つけだしていました。天神さんでは梅がちらほらと咲き始めていました。わが家では椿だけでなく日本水仙も咲き始めました。蝋梅は1本が咲き終わり、残る1本が盛りです。岡山県の内陸部も暖冬で「例年なら雪景色なのに」と不気味がられていました。このまま暖かくなるのか、それとも冷え込みが来るのか、柑橘類に寒冷紗をかけるべきか否かでやきもきしています。



   「ジェントルマン」の勉強会に、講師がご用意くださった資料。そこには、「ほどほどの」とか「控えめに」といった意味のMODERATIONも素養の1つになっていました。中庸と理解してもよいのかもしれません。次回は是非とも騎士道と武士道を比べるなどしてその美意識や価値観にまで近付きたいものだ、と思いました。
  久しぶりに立派なニンジンが育ちました。その大きさよりも甘さやその音とか軟らかさに驚いています。包丁を入れる「バシッ」といった音を立てるほど硬くて重いのに、調理するとすぐに軟らかくなり、とても甘いのです。肥料の関係か、気候の関係か、と思案しています。
 
 魚のすり身を生かしたスープ。妻が週に2度、朝の散歩と体操をご一緒している友の1人から「嫁の里から届いた白身を生かしました」といって届けていただいたお裾分けです。山椒の香りをきかせた美味でした。鱧の白身とみました。
  白の侘助と姫沙羅。大木になる木を植える余地がなくなったアイトワですから、小さく育てられる木や大きくならない木を探しました。

  庭仕事用の新兵器です。刃先が平たくなったものが一般的ですが、尖らせて途中で曲げたこの手の道具は始めて見つけました。野草が茂る土手などに球根を植え込むときなどに重宝しそうです。
  咲きはじめた日本水仙。とても香りがよくて、香水の原料にもされる水仙です。アイトワで咲く最初の水仙です。
 
  水菜の収穫が始まりました。もらった苗から育てましたが、これも久しぶりに大きな株に育ちました。まだわが家では味わっていませんが、近くシシ肉でハリハリ鍋を、と考えています。