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時雨のち快晴  07/12/09

 気忙しい1週間でしたが、お天気運にこんなに恵まれたことは珍しいことです。東京から紅葉を愛でる人たちを迎えましたし、素晴らしい留学生のカップルを迎えたり知人に美味しいキノコを持参してもらったりしています。有名私大の新事業を評価する委員会に出かけましたし、名の知れたお寺の開眼法要にも参加しました。大手企業の機関誌に登場してほしいとの申し入れもありましたし。卓抜したクリエーターをとても気持ちの良い農家に案内もしました。また、子どもの環境教育に関わる公園の校長先生にならぬかと勧めてくれる人を迎えています。

 とりわけ先週末から今週初めにかけてお天気運に恵まれました。先週末の東京勢を見送った土曜日の10時頃から、庭で宴の後片づけを始めました。楽しかった話題などを思い出しながら既製の2つの組み立て式テントをたたむことから手を付け、重い鉄のかがり火の道具に手こずったり魚や肉を焼いた金網を洗ったりして後片づけを終えた4時から時雨れたのです。後片づけを急いだ理由は、翌日曜日の早朝に次の東京からの来客予定があったからです。

 日曜の朝は、前日の時雨が嘘のような朝焼けでした。半年前から約束していた9人の来客を絶好のお天気の下に迎えられたのです。朝焼けに映える紅葉の常寂光寺を案内し、テラスで朝食をふるまったり庭を案内したりした上で見送りました。その入れ替えに恒例の友を迎え、作業を終え、ヤーコンとヤーコンの葉や頭芋を土産にしました。続いて雲南旅行で知り合った留学生が婚約者と訪ねてくれたり知人がヒラタケを持参してくれたりしたのです。かく1週間が始まり、休息日にしていた翌月曜日は、なんと終日時雨がちになり、ゆったりした気分で骨休めをしています。

 素晴らしい留学生のカップルは、この夏の雲南旅行で知り合った女性留学生が、婚約者と一緒に訪ねてくれたものです。何とも爽やかなカップルでした。キノコにも恵まれました。知人に「また庭で出ました」と言って見事なキノコを持参してもらえたかと思うと、街のキノコ博士から留守電話が入っていました。もし時間があればお誘いに乗ってお宅を訪ね、2種のキノコをもらえていたところです。その珍味という1種が、わが家の庭にたくさん出るキノコのことではないかと思われるだけに、お訪ねできなかったことが残念でなりません。

 大手企業の機関誌の話は、わが家より適任者を推薦しました。有名私大の新事業を評価する委員会は坪庭のある町家で開かれ、町屋の見学も収穫でした。また、卓抜したクリエーターを、院生として勉学中の無農薬有機栽培農家に案内しました。そのクリエーターが、多忙に追われて食生活が乱れないように、アトリエにある厨房を生かし始めた、と話していたのがきっかけです。開眼法要は、壬生寺の「本尊脇侍」と「本道障壁画」の開眼でした。

 そんなわけで庭仕事に割く時間がなきに等しくなりましたが、ナスビの畝の跡をタマネギ用の畝に、満願寺唐辛子と伏見唐辛子の跡をエンドウ豆用の畝に仕立て直したり、京唐菜の跡を耕したりしています。過日まいたエンドウの種は死んでいたようで失敗でした。あわてて異なる種をまき直しましたが、これも失敗ならわが家のツタンカーメンのエンドウは絶えることになります。

 週末は有機農業に情熱を捧げた知人の退官を伝える新聞記事で開け、夜はライカの生き方を紹介するBS1の番組でふけました。それにしても、短大時代に、どうして養護施設を故郷とみるライカを個人的にでも愛で、その生き方をたたえなかったのか、と悔やまれてなりません。今週は偶然、無農薬有機栽培農業に取り組んだ農家と学者を身近に感じましたが、戦時中の軍人に逆らった平和主義者を連想してしまいました。その間に、子どもの境教育に関わる公園の校長先生の話があったものですから、内諾しています。
 

常寂光寺の多宝塔、重要文化財。日曜日の来客は、東京の報道関係者と京都の医師が合流する集いでしたが、見事な朝焼けの名刹を案内できました。
また庭の切り株に出た、とのヒラタケ。幾度かに分けて賞味しましたが、何ともいえない美味。ひょっとすれば、その上にクロカワとマツバハリタケというキノコも賞味できていたわけです。クロカワは、焼いてワサビ醤油で酒の肴に。マツバハリタケは、ぬるま湯でこびりついている松葉を取り除き、かやくご飯にすると珍味とか。
壬生寺で開眼法要した障壁画の一部。本堂の3面に描かれており、地獄変に始まり浄土幻想に終わります。写真(右)は、過日撮らせて頂いたものですが、「永遠の今、弥勒菩薩」です。この友禅染の技法を駆使した障壁画は、次第に高い評価を受けることになるであろうと感じました。
仏手柑を、この春に訪ねた熊本のミカン農園からいただきました。手にとったのは初めてのように思いますし、味わうのは間違いなく初めてです。マーマレードにでもしてもらおうと思っています。わが家から送ったモミジの苗木が元気だとの知らせでした。
無農薬有機栽培農家を訪ね、寂しい現実を知りました。化学肥料と農薬を用いる農家の畑と隣接しているところでは1mの間隔をあけなければならないことは知っていましたが、その義務は毒を振りまく農薬を用いる方が背負わされているのではなかったのです。その被害者である無農薬有機栽培農家の方が背負わされているのです。国は農薬の使用を認めていますから、農薬を使わない人を冷遇するのでしょうか。どうして農薬を必要悪として位置づないのでしょう。
大根づくしの総菜。おみやげに規格外の青首大根と小カブラをもらうことにしたのですが、ホウレンソウもいただきました。その日の夕食は大根づくしになりました。わが家は大蔵大根を作っていますが、青首大根もいいものだと感じました。翌日は小カブラをベースにした鍋で、その次の日はホウレンソウと豚肉だけの鍋でした。
壬生狂言で用いる人形。手荒く扱わざるを得ない人形ですから痛みます。その補修ですむか、より丈夫な人形を作り出すか、妻は知恵を絞り始めています。