時計を見ない1週間

 

 「バレイ・ホームステッド」という固有名詞をもつ邸宅の入り口には門がありません@。その長い坂道ではアガパンサスなどが咲いていましたA。途中に池もありましたがその周回小径はすっかり荒れていましたB。その小径の途中にあった東屋Cも、その前にあったベンチCも朽ちかけていました。子どもにとっては格好の冒険の場です。

 坂道を抜けると別荘の建物全景Dが現れます。屋根などは娘婿が塗り直したとか。広いテラスEが心地よく、持参した一書を寝椅子で読みましたが途中でうたた寝てしまい、読み終えるのに夕刻まで掛けています。テラスから中庭を見渡すと、そこに至る坂道沿いにも別の東屋があったことに気付きましFた。今は荒れており生かされていません。その手前に、「晴れた日の午後のお茶の場」Gが新たに設けられていました。

 与えられた寝室の窓からハト小屋が見えましたH。その隣に小鳥小屋がありましたIが、今はともに空家です。これらの小屋の向こうは東の方角ですが、休火山の裾に広がる草原のような丘陵地帯Jで、ところどころに木立がありました。今回は2度も3度も草原や木立に踏み込みました。その向こうの休火山沿いに広がる森林はエリザベス女王の持ち物とか。

 丘陵地帯にはセリ科の野生がニンジンのような白い花Kやジキタリスが赤紫色の花Lを咲かせていました。あちらこちらに牛や野ブタの糞が落ちていました。この草原の草刈りをしている野生化した牛や馬や野ブタの古い糞が養分となるとみえて、周りの草が喜んでいましたM。この糞の主の野ブタのブラッシングを妻が手伝うと嬉しそうに寝ころんでしまいましたN。決していじめているのではありません。

 そこから西に向かって下ると建物の裏側に出ますが、果樹園です。さらにその裏に回って家屋の西側に出ると畑に出来そうな丘陵地帯です。彩りの鮮やかな小鳥が死んでいましたO。そこから建物を振り返ると手前にバラ園が見えますが、今はすっかり痩せています。そこから北に向かうとやがて「晴れた日の午後のお茶の場」に出ます。その一帯は邸宅の内庭Pです。

 台所の窓から、テラスの向こうに広がる中庭が見えますQ。台所の西側にあるダイニングルームからはるか先まで見通せる牧草地が広がります。夕食の多くはテラスの丸いテーブルでとりましたが、夕日Rを望むまで歓談しました。

 こうした時間を過ごせたのは、友人の長女・みかがニュージーランドに留学したことに始まっています。そのまま中学校の教師になり、やがてよき伴侶・ドンに巡り会い、海詩をもうけ、今では「バレイ・ホームステッド」から車で10分足らずのところに居を構えています。

 
門がありません@ アガパンサスなどが咲いていましたA
すっかり荒れていましたB ベンチC
別荘の建物全景D 広いテラスE
別の東屋があったことに気付きましF 「晴れた日の午後のお茶の場」G
ハト小屋が見えましたH 小鳥小屋がありましたI
丘陵地帯J ニンジンのような白い花K
ジキタリスが赤紫色の花L 周りの草が喜んでいましたM
嬉しそうに寝ころんでしまいましたN 彩りの鮮やかな小鳥が死んでいましたO
その一帯は邸宅の内庭P テラスの向こうに広がる中庭が見えますQ
 
夕日R