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文化とメニュエル  08/02/17

 それは月曜日の朝に生じました。メニュエル現象です。「天井が回る」とはこのことです。ふらふらして立ち上がれません。終日ホームごたつに寝ころんでいました。先週の目の酷使がたたったのでしょう。次の本に加えて府立大学に送る原稿つくりに没頭しすぎたのです。

 1月はニュージーランドでゆったりとした1週間を過ごしました。この1週間は、金曜日の昼まで、2回の無理を除き、ほとんど屋内で過ごしました。2月のゆったりした日々と言っていいのでしょうか。ニュージーランドでの1週間は目を輝かせましたが、この1週間は徹底して目を休めています。眼球を取り出して「もみたくなる」ほど目が疲れていたのです。

 その後、再びキーボードと取り組んだのは土曜日の朝です。その間に、さまざまなことがありました。この冬で一番寒い日がありました。初めて知る2羽目の小鳥を手にとりました。プロの庭師が喫茶店の前庭にあるクヌギを剪定してくれました。妻がニュージーランドで着付けを手伝った写真が届きました。2回の無理とは、やむをえない外出です。1回は農業に詳しい友を迎え、その運転で市内に出かけ、2回目は1人で大阪に出かけたことです。何れこの用件は明らかにします。

 この間に注目すべきニュースにも触れました。下帯一つで冷水をかぶる伝統の男の祭りが、裸体はわいせつとの意見に苛まれています。保身から出た意見でしょう。オーストラリアのラッド首相がアボリジニに歴史的謝罪をしました。その演説を聴き、感銘を受けました。同首相は就任来、京都議定書を批准し、イラクからの撤退を決め、このたびの謝罪です。「先が見えている人に違いない」と感じました。文化が尊ばれる時代が来る、と見ているのでしょう。オーストラリアは1870年頃から100年間にわたってアボリジニの子どもを親から切り離し、文明化する教育を試みたりしています。固有の文化を踏みにじってきたことへの謝罪です。

 この冬で一番寒かったのは木曜(14日7時の居間の温度は6度、湿度51%)の朝でした。その夜、ラッド首相の謝罪を知り、2つのことを思い出して心配しています。1つは先週(7日)の春日村教育委員会の発表です。「真弓かんす塚」の石室は石舞台をしのぐ国内最大級であり、6世紀半ばに造られた渡来系有力豪族の首長の墓であろう。他の1つは、昨年(9月13日)国連が総会で採択した「先住民族の権利に関する国連宣言」です。日本政府はこれを批准しながらアイヌへの迫害を未だに詫びていません。1871年に明治政府はアイヌに日本国籍を一方的に与えながら、先住民だとは未だに認めていないのです。弱き立場の人たちに思いやりのない国とか、自国の成り立ちを明らかにしたがらない、真実を追究しない国では真の愛国心は育まれない、と心配です。

 金曜日は、午後から4時間ばかり庭に出ました。妻が大阪の教室に出かけた留守の間です。まず温室の鉢植え植物に水をやりました。次いでもらい物のエンドウの苗と3株のネギを植え付け、畑の除草をしました。わが家では今年はネギが不作です。そうと知った妻の散歩友だちと義妹が立派なネギをくれたのです。そのおりに義妹はツタンカーメンのエンドウの苗も添えてくれました。その夜は中学時代の友だちの家に招かれ、てっさを肴にしこたま飲みました。

 週末は午前と午後に来客がありました。午前は某NPOの理事長にならぬかとの誘いでした。ありがたい話でしたが辞退しました。他は15年来つき合っている経営者を迎え、薪ストーブの前で歓談です。関西出張があると立ち寄ってもらえます。雪がちらつくなかを送りに出ましたがまだ足もとがふらついています。前夜の深酒がたたっているのかもしれません。夜は「これを幸いに」とばかりに栗のイガで風呂を焚きました。風呂焚き程度の作業なら目が休まるでしょう。でも、2度と栗のイガは燃料に生かしたくはありません。
 

 

窓にぶつかって脳しんとうを起こした小鳥です。図鑑によれば、北海道で繁殖し、本州で越冬する「シメ」の冬姿だと思われます。ムクノキやヤマハゼの実を好み、太い嘴で木の実を割るそうです。前回の温室の側で死んでいた小鳥は「トラツグミ」だと思われます。頭を左右に振りながら林床の落ち葉をかき分けてミミズなどを探す小鳥だそうです。それなら、わが家によく訪ねてくる鳥です。
 
庭でプロ級の尾崎恵一さんが撮影したメジロ、三崎良夫が撮影したウグイス。「柿の実を残しておいてもらってありごとうございました」といってもらえました。メジロはいつも群れてやってきてきます。ウグイスは単独できます。熟した柿の実を丁寧に食べて薄い皮だけ残し、柿の提灯か風船のようにします。
 
昨年、妻が生徒さんにもらったというサクラソウが勝手に種を落として1本だけ芽生えました。自生で広がるまでになって欲しいと思います。
NZでの着付けの様子。友人の奥さんと一緒に着付けを手伝い、とても喜んでもらえたようです。NZ人の新郎をびっくりさせたとのこと。この女性に、前回の旅行では「ぎっくり腰」の治療をしてもらい、一回の治療で直してもらいました。
 
義妹がくれたツタンカーメンのエンドウの苗。義妹は、エンドウやスナックエンドウも育てており、「混ざっているかもしれません」と交配を心配しています。ですから、わが家の4本とは離して育てようと考えています。
プロが剪定した鬼門にある苔庭のクヌギと杉。右は、クヌギと杉の頭を切り取る前。山桜だけそのまま残し、他は電柱の高さで止めてもらいました。
 
栗のイガで風呂を焚こうとすれば、45秒ぐらいの間隔で窯のふたを開け、イガを7〜8こずつ補充しなければなりません。読書する間もありません。革の手袋をはめないと痛くて溜まりません。目を休ませる上では有効でしたが、このイガを使い切れば、これを最後にしたいものです。