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アイトワ循環図
ハチとケンとヒル 09/07/19

 2箇所もハチに刺されることで始まり、ヒルに血を吸われることで終わったような1週間になりました。その間に、私にとってはとても大きなことが続きました。まず西と東の遠方からとても嬉しい来客、次いでケンの手術が成功、その翌日にTV番組製作会社のスタッフの来訪と続きました。その後、1日静かな日 があったあと、外出に明け暮れる日を2日過ごしています。

 SunQ展の室内展示を週はじめに終え、改めて美しい写真に見入りました。SunQ展はこの写真がキッカケでした。まずピンホールカメラにはファインダーもなければ絞りやシャッタースピードの調節装置もないことを知りました。ですから、「撮る」とか「写す」といった感覚にはなれず、「写ってくれていてありがとう」との気分にされる、とカメラマンの岡部さんから教わりました。後日、岡部さんから「アイトワで個展を開きたい」と依頼されたときに、1も2もなく応じています。この週末にも岡部さんはやってきて、展示場所に至る道標を作っていました。

 西と東の遠方からやってこられた来客は、かなり以前から予定していた人たちです。かつて顧問をしていた会社の幹部から、「元部下の要請で」と電話があったのです。この元部下は、今はある会社の顧問をしており、その会社の社長夫妻がアイトワ訪問を希望されたのです。なんとこの社長は、9冊の拙著のうち6冊に目を通してくださっていました。来訪時にアイトワの店頭で未読の1冊を買い求めていただき、店頭に出していない処女作を献本し、残る1冊『エコトピアだより』は書店で買い求めてくださることになりました。

 ケンはかねてから、亡き母がこしらえたような大きなできものを肛門の側に作っていました。かかりつけの獣医さんに、「高齢だから」と、手術を見合わせるように勧められていました。それから1年後のこの夏、予防注射につれてゆくと、「悪性ではないようだ」ということになり、複雑な気分で手術を受けさせました。というのは、その2日前のNHK-TVで、中国で生じている医療面での貧富格差を見ていたからです。この金があれば「あの子の目は」と思ったわけです。

 TV番組製作会社のスタッフに訪ねていただけたのは『エコトピアだより』がきっかけです。なにせそうそうたる人を次々と採り取り上げてこられた人たちですから、自然体でお迎えするしかありませんでした。暑いさなかでしたから汗びっしょりになりながら庭めぐりもしました。

 静かな1日は、決して音量的には静かではありませんでした。エンジンソーを持ち出し、かなりの量の木を切って薪にしたからです。また、風呂の焚き口から出た灰を篩にかけ、ビニール袋に詰めました。遅れていた母屋の内庭にある植え込みの刈り込みもしました。さらに、母屋の木陰にデッキチェアーを持ち出し、新聞を読みながらサルの監視もしました。まだ青い次郎柿の実はことごとくサルに食べられてしまい、次いで畑が襲われ始めています。

 木曜日は終日、夫婦別々の外出でした。妻は友だちを誘って浴衣の絵付けです。私は京都の廃村といってもよい村を訪ねました。かつて100数十人の村民が自給自足生活をしていた村ですが、いまやイノシシやシカが闊歩しており、それらが落としていった陸ビルに襲われるしまつです。懐かしい人たちとの再会も果たせました。この生活空間の再興を強烈に願いました。

 金曜日に同志社大学での院生相手の講義が終わりました。講義とは「こんなに楽しいものか」と実感させられた半年が終わったわけです。旧来の経営手法に基づく大企業の経営は、すでに総崩れのように見ていますから、3冊の拙著をテキストにして、これから切り開かなければならない次代の経営の方向と地平を論じました。これまでの大企業が採用する経営手法を許している日本の市場は、いづれ世界のゴミ捨て場のようになるのではないでしょうか。
 
わが家に来て14年目のケンは、エリマキトカゲのような姿で帰ってきました。母が末期に放ったような匂いを振りまくようになっていたのですが、週末時点術後の経過は順調のようです。手術を受け たのが「ケンでよかったね」と語り合いました。金太ならエリマキをキット外してしていたことでしょう。ハッピーなら外すまで落ち着かなかったことでしょう。

水曜日の朝、まず寝室の窓先にヨシズをたらしました。夏バージョンです。秋口までたらしたままにしておきます。

次いで、シュロ、梅、杉などさまざまな木を薪にしました。シュロは過日切り取ったもので、跡継ぎのシュロが育っています。梅は、畑の入口に植えてあったもので、側に植えたサクランボがなる桜が大きくなりましたし、実の取れる別の木が大きくなっています。杉は、柑橘類を北風から守ったりしていたものです。バケツの灰は、風呂焚き場から出たものです。篩でふるったあとビニール袋につめ、自宅で焚き火のできない人にあげ、肥料にしてもらいます。

母屋の刈り込みもしました。今年は社会人の助っ人が、居宅の周辺にある植え込みの刈り込みをしてくれましたから、母屋が後回しになったものです。

ノバトのつがいがついにニワトリ(庭鳥)のようになり、心配が始まりました。用心深さに欠けてしまい、猫などに襲われないかとの心配と、家鳩のように人間に依存しなければ生きて行けなくなるのではないかとの心配です。野菜などの種をうかうか干しておけません。温室はもとよりワークルームまで平気で入り込んで、餌になるものを探します。

水曜日の夕刻、妻はブルーベリーの収穫をはじめました。その最中に私を呼び寄せ、口に放り込んでみるように勧め、20つぶほど手渡しました。口の中をいっぱいにしましたが、ジワーッとつぶれてとても美味しかった。毎年2キロほど収穫してジャムにします。

浴衣の絵付けをしている妻です。写真で見る限り、なかなか良い柄を描くことができたようです。問題は着姿のよい柄であるかどうかの問題です。