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緑の天蓋、エール、そして好天? 09/10/04

 雨にたたられた1週間になりました。と、切り出しましたが、雨の合間の木曜日は、別のことを考えていました。畑仕事をしながら、恵みの雨であったと喜んでいたからです。慈雨を喜びながら、テレビに現れる天気予報官を「ケシカラン」と嘆いたのです。

 前回の慈雨を喜んだのはつかの間、わが家の庭は再び深刻な水不足に悩まされていました。ですから今週前半の雨を、わが家だけでなく農家はいちように恵みの雨と喜んでいるはずなのに、天気予報官は「雨はうっとうしい」といわんばかりでした。この「晴天を好天」と見かねない風潮が蔓延し、干天を「好天続き」と見誤りがちな社会にしてしまい、さまざまな不幸に結び付けてきたと睨んだからです。降れば集中豪雨や浸水騒ぎはその筆頭です。

 それはともかく、今週は曇天で明け、その後の3日間はシトシト雨、翌木曜日は雨が上がりました。この5日間を「好天」と喜んだのはつかの間、金曜日は本格的な雨になりました。

 曇天の週初めは、定例作業の友人の他に、3組の来客がありました。2組は庭の案内を求めて、残る1組は夕刻で、夕食をとりながらポスト消費社会を楽しく生きる知恵の交換です。その後のシトシト雨の3日間は2件の外出と1組の来客、そして2種の屋内作業でした。ですから、少し日が差した木曜日は庭に飛び出し、野菜や樹木が元気を取り戻した姿を愛でながら庭仕事に精を出し、その後の計画を立てました。腰痛がやっと癒え「緑の天蓋の手入れを」と考えたのです。

 庭案内の2組は、奥様同伴のチョモランマ登頂者と5人連れの大垣の知人でした。2件の外出は、ある機関誌・MOHの編集会議と通院で、1組の来客は丹後からアイトワの心を学びに来てくれた2人連れでした。2種の屋内作業とは、淡彩画の仕上げと調べごとです。

 MOH編集会議と通院では、ともに『エコトピアだより』がらみで、嬉しいことがありました。前者では、エコトピアに関する2人の世界的権威が送ってくださったエールが印刷物になっていたのです。後者は、昨年末の入院時に打診されていた特別講演の正式依頼でした。これまでは患者さんの中から有名人を選んでいたとのことでしたが、今回は看護婦さんなどの推挙と聴き、とても嬉しくなりました。入院中は昼夜を問わず『エコトピアだより』の写真キャプション作りに没頭し、婦長さんや看護婦さんの顰蹙を買っていそう、と心配していたからです。

 淡彩画の仕上げは、庭めぐりの案内図に用いるもので、数種の植物を選びました。ジャム材のブルーベリー、かて飯に用いるウコギと将来はタイヤの原料と期待されるトチュウ、この両者は漢方薬にも生かせます。そして、野菜として食べごろのヘチマ、指標樹のヤマボウシ、薪やキノコのホタ木として重宝なクヌギ、香りも楽しむパイナップルセイジです。調べごとは、ノートを傍らにおいての読書で、上杉鷹山公にかかわる文献をかたっぱしから読み進んでいます。

 木曜日は、妻からキャベツの苗を「妹からもらった」と聴き、2度目のインゲンマメの畝を仕立て直し、植え付けました。その後、緑の天蓋の手入れに移りたかったのですが、それは翌日回しにしました。気になっていた鉢植え植物の手入れを優先したわけです。

 ところが、晴天を期待していた金曜日は本降りになりました。この一昼夜続いた雨でやっと泉の水位が正常に復しました。大地は水をタップリと吸い込んだのでしょう。でも、それは手遅れで、キウイフルーツなどは、水不足で傷めた葉を元に戻せそうにありません。やっと週末になって明るい日が差し、即刻脚立に登り、緑の天蓋の剪定に手を着けました。今週は、サモアとスマトラ沖の地震を嘆き、鞆(とも)の浦の埋め立て差し止め判決に喝采を送りながらじぐじたる心境にされています。最後は頼みごとをしていた友人の来訪でしめくくりました。

 
インゲンマメの畝を仕立て直し。5本ですがキャベツの苗を植え付けました。本来なら腐葉土や灰や有機肥料を漉きこんでおきたかったのですが、鋤きこんだ肥料を土になじませる時間がなかったので、後から施肥することにしました。まずインゲンマメのツルと支柱の竹を解体し、竹は再使用するために、ツルは堆肥にするために、2時間ばかりを要しました。それを10分ほどで済ませようとするとゴミを出さざるをえません。

手の届くようなところで熟す柿。木曜日の昼前、妻が工房から興奮ぎみで戻ってきました。熟し柿に小鳥が群がっていたからです。7〜8羽のメジロはいつものことですが、2羽のコゲラと子連れの10数羽のコガラが一緒に群がっていたとのこと。とても小さいコガラの子どもが親と同じように熟し柿に頭を突っ込んでいたとか。コゲラは虫取りに来ていたのでしょう。ちなみに、今の熟し柿は虫が入ったためで、いずれはポトポトと落ちる運命です。


前回の分

ハナタバコの鉢植え
もう1つのハナタバコの鉢植え。前回の分はここまで育ちましたからテラスにデビューさせました。いずれも自然生えの苗から仕立てますから、発芽時期がバラバラで、育ち具合はマチマチです。


米沢藩と上杉鷹山公について、追加で届けてもらえた関連資料。計15冊に目を通しつつあります。

この緑の天蓋の剪定に手を着けました。来週には仕上げたく思っています。率直に言って、高い脚立に登る作業はいつまでできるのか、と思案しています。落ちてから反省するのか、落ちる前に気付いやめて「今しばらく続けられていたのではないか」と反省するのか、いずれを選択するかの問題です。妻は後者を選びそうですが、「私は」、と考えながら思案しています。

梨の新品種。友人が届けてくれた赤梨の新品種「南水」。右はスーパー21世紀。甘い品種が流行りの世の中ですが、酸味がきいた21世紀が懐かしい。

屎尿に関する資料。屎と尿の別々の肥料成分データはなさそう、と聴きました。農林水産省にもないのでしょうか。刻々と近付きつつある食糧難時代にそなえ、食料の自給方法を突き詰める上で不可欠の資料と思います。自然界にない化学肥料や農薬など毒物を平気で口にする国民性が、人間が排出する物を汚く感じさせているのではないでしょうか。化学肥料や農薬に鈍感な国の民ほど、体臭まで消そうとする傾向があるように見受けられます。