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意地悪か矛盾か 10/03/21

 少し気ぜわしい1週間でした。まず、週初めに「もう春だ」と思わせられることが次々と生じたからです。アゲハチョウを見かけました。福寿草が咲きそろい、バイモユリ、ハクモクレン、ナズナ、そしてピンクの雪柳が咲き始め、ツクシが出始めました。2週間前のフキノトウに次いでコゴミを収穫しました。その気になればアマナも収穫出来そうですし、日々膨らむタラノメも目を離せない状態で、収穫適期が次週の妻の帰宅以降になってほしいものだ、と願っています

 この気ぜわしさは、除草に追われる時期であることを意味しています。とりわけ、次々と花を咲かせるスズメノカタビラやハコベを畑で見かけると、即座にしゃがみこんで抜き去っています。畑から絶やしたいのです。これは悠長な話とも、意地悪な所業とも、あるいは矛盾だらけの作業とも言えます。庭の他の場所で茂らせながら、土が一番肥えた畑から閉め出そうとするのですから意地悪な話です。それほど離れていない位置なのに、一方では茂らせ他方では絶やそうとするのですから矛盾にとんだ作業です。でもそれが、単なるガーデンとエコライフガーデンの差異、庭宇宙などと大げさに呼びたくなる庭の宿命だし、楽しさでもあるわけです。

 大勢の人にお目にかかれた1週間でもありました。とりわけ週初めは11時過ぎから3件の来客と1件の訪問予定が入っていました。その間に、一言であれ挨拶したい来客が2件ありましたがその隙間を作れず、残念でした。翌月曜日はトッテンさんを迎えました。火曜日から東京に出かけた妻をおうように木曜日から私も個展会場を訪れ、大勢の方にお目にかかりました。この間に2日続けて4人の造園師を迎えていますし、週末にはMOHの編集会議で山科に出かけています。

 トッテンさんは、残っていた養蜂箱を引取りにみえたのですが、自宅から徒歩で1時間半もかけた来宅です。そして滞在時間も1時間半でしたが、ビールにも付き合う楽しい昼時になりました。楽しい会話だけでなく、嬉しい約束も出きたのです。この日のために、数本のシイタケのホダ木をサルに襲われないよう守ってきたのですが、無事に進呈できました。

 月曜日に楽しい発見もありました。テイカカズラの種の優雅な姿を見たのです。また、ジャスミンの蔓を剪定していたときに、駐車場の屋根で自然がこしらえた屋上緑化を見つけました。

 庭仕事がものすごくはかどった1週間でもありました。とりわけ「火水の両日は晴れ続き」と見た造園屋さんに訪ねてもらえたからです。2本の杉の頭押さえ、サクラの太い枝の切り取り、そして2本の松の枝さばきを頼んであったのですが、この2日間は私も終日庭仕事に励みました。収穫期を終えた菜花を抜き去り、その跡の除草に始まり、金太の家の周辺や裏庭の除草も済ませました。力仕事にも励みました。1輪車を駆使して、先週こしらえた薪をすべて所定の場所に運び込んだり、残りのピンコロ石を居間の前まで移動させたりする作業でした。さらに、陽気につられて、懸案であった金太の家のテラスをコンクリートで固める作業も済ませました。

 2年ぶりで自炊をしなければならない日が続いた1週間でもありました。といっても、おでんとカレーのルーを各2食分ほど造っておいてくれましたし、東京での5食はもとより、幾度か外食の機会があり、数回の自炊で済みました。これは楽しい外食やお土産にめぐまれた1週間でもあった事を示しています。楽しい会話とおいしい日本料理、フランス料理、あるいはイタリヤ料理と続いただけでなく、2食分のお土産を展示会場にくださった方があったおかげです。

 要は、ほどよい年頃になったことを実感する1週間でもあったわけです。1人で放っておくには忍びない、肩代わりできることはしてやろうと思っていただく年頃になったのでしょう。力仕事できしんだ体を、心地よい会話とおいしい料理でほぐして頂く1週間でもあったわけです。

 

アゲハチョウ

ナズナ
初見のアゲハチョウを温室で見かけました。茶花のバイモユリ、春の七草のナズナ(ペンペングサ)、山菜の王と呼ぶ人もあるコゴミ、日本原産のチューリップでもある山菜のアマナ、そして富美男さんにもらったピンクの雪柳。

アマナ

ピンクの雪柳


金太が楽な姿勢で私を観察していました

降り積もったモミジの葉が腐葉土になり
ジャスミンの蔓を剪定していたときに、駐車場の屋根が、勝手にできた屋上緑化になっていたことに気付かされました。小鳥が苔をひっくり返して盛んに虫取りをした痕跡を見つけたからです。長年にわたって降り積もったモミジの葉が腐葉土になり、そこに飛んできたコケの胞子などがすみついたわけです。そうと脚立の上で感心していると、金太が楽な姿勢で私を観察していました。


杉 Before

杉 After

桜 Before

桜 After

松 Before

松 After
2本の杉の頭押さえ、サクラの太い枝取り、そして2本の松の枝さばき。20年ほど前までなら自分の手で2週間ほどかけて片付けていたことでしょう。母が大腸ガンで倒れた年に収録されたビデオ番組では、自分の手で太い枝を切り落としています。今は妻に「年寄りの木登り」とか「老いの冷や水」とかいって止められます。


先週こしらえた薪

杉の頭やサクラの枝など
先週こしらえた薪は、大急ぎですべて所定の場所に運び込みました。風呂焚きに用いる薪は薪小屋に、ストーブで焚く太い部分は、喫茶店のピクチャーウインドウ側の薪置き場に積み上げました。急いで囲炉裏場を片付けたのは、杉の頭やサクラの枝などが新たに運び込まれることになったからです。


金太の家のテラス

様々な道具や資材

完成したテラス
金太の家のテラス。様々な道具や資材が必要ですから、つい面倒くさくなって、遅れ遅れになっていた仕事でした。妻には、この完成したテラスを視覚でサプライズしてもらうことにしています。

木曜日の最初の来場者は中村敦夫ご夫妻で、その後で素晴らしいフランス料理店に案内してもらえました。味も素晴らしかったのですが、妻が高所恐怖症であることを覚えていただいており、広々した屋上庭園のあるレストランを選んでいただいており、妻は大喜びでした。

週末の朝食。木曜日の夕食会に参加出来なかった書道家は、寿司を持って翌日の夕刻に駆けつけてくださった。その一部を持ち帰り、孝之流味噌汁をそえました。味噌は妻が仕込んだ1年ものと3年ものを7:3で。菜花、大根、そしてネギは自家菜園から。他に豆腐、あげ、わかめ、そして豚肉を用いました。