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ハッピーの血便 10/11/07
 
 3日の水曜日、8時に妻に起こされるまで爆睡です。目覚めると帰国後初めての好天で、そのご4日も晴れが続き、よい1週間になりました。週末まで毎日畑に出て、次から次とイノシシに荒らされた畝に手をつけ、畑をほぼ修復できたのです。

 ネギやニンニクなどの畝はスコップや鍬で土を盛り直すだけで済みました。一番被害が大きかった菜っ葉類の畝は、掘り起こされて痛められた野菜をかなり捨てました。しかし、前日まで小雨や曇天続きであったおかげで、土がかぶさっていた分は植え直せました。京唐菜とモロヘイヤシは根元から切り取って収穫し、畝に仕立て直し、1畝はエンドウの畝用に残し、もう1本には混合レタスやチマサンチェの苗を植え付けました。これらの苗は、旅行に出る前に苗箱からポットに植え直しておいた分です。なお、収穫した京唐菜は佃煮にして、モロヘイヤはさっと湯掻いてき、ともに保存しました。

 この1週間はNHK学園の皆さんを迎えることから始まりました。妻から電話でイタリヤに、「台風が近畿を直撃しそう」と知らせてきたときはあわてました。帰国した土曜日に、関東で暴れていることを知り、欠席者が多く出るのではないかと心配でした。結局、欠席者は1人もでず、小雨のせいで傘をかざした急ぎ足の庭巡りになっただけです。そのかわりに屋内での時間を充実できましたから、皆さんにはとても好評であったようです。

 この1週間はむしろ、ハッピーに可哀想なことをしたことから始まった、といった方が正確です。日曜日の午前3時、ハッピーと金太が吠えたので目覚めました。イノシシが来たようだと考え、ハッピーを鎖から放したのです。おかげで朝を静かに迎えられたと思いきや、なんとハッピーは小屋の中で怯えており、目と鼻の先の中庭がすっかり荒らされていたのです。きっとイノシシに凄まれたに違いありません。やっと火曜日に真っ黒な糞をしましたが、きっと血便でしょう。ハッピーが正常にもどったのは金曜日です。

 本気で私は「捕まえて食ってやる」とばかりに腹を立ててしまいました。イノシシ避けネットに開けられていた2箇所の穴をふさがず、針金で罠を作って仕掛けたのです。翌朝、調べると、なんとその一方は簡単に引きちぎられていたのです。前回同様にしばらくは侵入されずに済ませられることでしょう。次週にでも、穴をふさぐだけでなく、2段に張ってある鉄条網を3段にするなど、補強しようと思っています。

 初めて目にする蝶とカエルを見ました。カエルは水鉢に潜んでおり、蝶は居間に飛び込んできました。ビナンカズラやカラスウリが赤く色づき始め、茶が白い花を咲かせ始めました。ミゾソバが金平糖のような花を咲かせています。また水曜日から、サフランの収穫が始まっています。毎日のように、庭のあちらこちらで幾つかづつ咲くメシベを摘むわけですが、今年はこの面倒な作業が少しも苦になりません。むしろ楽しく感じられます。きっとそれは、今年は2度もサフランで栄えた世界遺産を訪ねることができたからでしょう。このたびのトスカーナではサンジミグナーノです。その前はトルコの東北部にあったサフランボルです。ともに家並がとても美しい街でした。

 商社時代の後輩の奥さんが近所で個展を開きました。覗いただけでなく、わが家の夕食に迎えました。この後輩が「庭で採れた」といって立派なヒラタケを持参してくれたからです。他にもうれしい贈り物に恵まれました。市内に住まう2人の友人から、それぞれただならぬアンパンと、初めて手にする寒蘭を持参してもらえたりしたのです。
立派なヒラタケ。まずそのソテーをワインで楽しみ、翌日友人夫妻を招いてヒラタケづくしの夕食を共にしました。太いケヤキから出たそうですが、その「ケヤキの駒切りを進呈しよう」といってもらえました。キノコ博士によれば、種駒を打った駒切りのようで、数年はヒラタケを楽しめそうです。なお、白トリュフはとても高価な代物とか。

友禅染作家の仏画展。この人「あだち 幸」さんの仏画は見事です。芸術作品には制作した時の作者の心境が如実に現れるものですが、見事にその折々の心境にあったテーマが選ばれている、と見うけられます。よほど率直な心の持ち主なのでしょう。

ズシッと重い3種のあんぱん。妻はアイトワの喫茶店の仲間にも、このほどよい甘さを味わってもらっただけでなく、近所のあんこがとても好きな人にもお裾分けをしていました。

最後に根元から収穫した京唐菜とモロヘイヤ。居間に持ち込み、夜なべ仕事として妻と二人で葉っぱをちぎりとり、ともに保存食にしました。このところ毎年繰り返している作業です。

サフランの収穫といえば格好良く聞こえますが、庭の5ヵ所で育てているすべてを足しても100球に見たなほどです。その花がパラパラと咲きますから、毎日数球分ずつ収穫するために、1週間にわたって庭を一周りします。わが家はこの収穫分で足りる範囲でリゾットやパエリャなどを楽しみます。

立派な鯛の塩焼きもいただきました。なんと4回に分けて食べきりましたが、最後は久しぶりの鯛めんでした。なんとも美味な鯛でした。鯛めんの添え物はインゲン豆ですが、これが今年最後のインゲン豆で、ゴマあえになりました。

寒蘭はこれまでに育てたことも、しげしげと見つめたこともありません。うまく越冬させられるか否か不安ですが、2鉢共に蕾をもちあげていますから、咲けばまず、まじまじと眺めようと考えています。