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カルチコールと躾 11/01/16
 
 この1年は厚い残雪が残る元旦から始まりましたが、今週はうっすらと積もった初雪で明けました。そして翌月曜日から冷え込みが始まり、早朝の居間の室内温度が6度にまで下がりました。これは、居間の北側に風除室を設けて以来の最低記録だと思います。でも妻が「まだどこも水道管は凍っていませんよ」といいますから、過去にはもっと寒い日があったのでしょう。それはともかく、週末の朝は8度に戻っており、やれやれです。

 今週はこの冷え込みのために庭に出る時間が短かった上に、3日も外出に割きましたから、庭仕事はさっぱりでした。枝垂れ梅の整枝の他は、いずれも短時間で終えられる作業や軽い作業ばかりでした。昨年4本の株立ち椿の1本を学生に切り取ってもらいましたが、その後の整枝。柑橘類など果樹の根元へのカキ殻まき。タマネギの畝への油粕敷き。温室の水やり。晴天の日に、野菜に日光を当てるためにレースのトンネルをめくったり掛けたりする作業。そして、週末に楓に登らせているテイカカズラの手入れです。

 火曜日に、入院している友人を京大病院に見舞っています。妻と一緒に出かけましたので映画「最後の忠臣蔵」を鑑賞しています。内蔵助に「可音」という隠し子があったとの前提のストーリーでしたが、「マイフェアレディー」を思い出させました。躾の大切さです。可音の幸せな未来を見て取った後で、可音を育てた男は切腹して果てますが、きちんと躾けられた可音の立ち居振る舞いは、その武士の死を有意義に感じさせました。

 躾といえば、今週は感心する若者を迎えています。かねがねから立ち居振る舞いに感心させられてきた若者です。このたびは異なる角度から考え込まされました。この若者を育てた親御さんをはじめ、躾に関わられた大人にとてもお目にかかりたくなったのです。

 水曜日には昼寝をしています。睡眠不足が続いていたせいでしょう。いつでも昼寝ができるように、妻は母屋の居間にホットカーペットとホームこたつを用意してくれています。そこに潜り込んで読書に励むつもりだったのですが、いつの間にか眠りこけていたのです。目覚めたあと、今頃になってと笑われそうですが、母が愛用していた茶ダンスを整理したのです。おかげで、とても懐かしいシロモノを見つけました。見覚えのあるステンレス製の容器に入った注射器です。父は母に、「カルチコール」と呼ぶカルシウム剤を買わせ、私たち兄弟によく射たせたのです。60年も昔の思い出です。

 果樹の根元にカキ殻をまいたのも、カルシウムの補強です。野菜や果樹も十分にカルシウムを与えますと、丈夫になり、しかも美味しくなります。わが家では、カキ殻つきのカキをいただいたときは必ず実行してきたことがあります。カキ殻を肥料に活かす作業です。この冬は、1度目は水町さんに、2度目も別の同大の院生に砕いてもらいました。それは、カキ殻もゴミにせずに済むことを体験してもらい、応用力を身につけてもらいたかったのです。近き将来、これは応用せざるを得なくなる時代になる、と見ています。

 タマネギの畝への油粕敷きは、富美男さんに教えられて、初めて試みたことです。タマネギの苗は、昨年の晩秋に植えつけましたが、土が凍てて霜柱がたつと植えた苗自体を浮き上がらせ、土から根を露出させかねません。そうなると、いちいち指で押さえて根に土に被せてやらないと、弱らせたり枯らしたりしてしまいます。富美男さんによれば、根元に油粕を厚め敷いてやれば、それを防げるというのです。それが事実なら、とても助かります。もちろん敷いた油粕は、いずれは腐敗し、分解されて肥料になるわけです。

 
初雪で明けた9日、日曜日の朝。このあと数日間、とても冷える日がわが家の一帯でも続いたわけです。その間に1泊2日で関東に出張しましたが、金曜日の夜に帰ってきたときに、「なんと京都は寒いこと」と思わせられています。

月曜日の寒風の下で、枝垂れ梅の整枝に手をつけました。この木の南西で枝を茂らせていた椿を切り取ってしまったわけですが、枝垂れ梅がその日陰にされて樹形をアンバランスにしていたのです。土曜日の午後に整枝を再開して仕上げています。いずれ枝垂れ梅は南西方向にも枝を張らせ、樹形をよくするものと期待していま。写真の中央下に、切り取った枝があります。

このカキ殻だけでなく、同時に鶏糞も柑橘類などの果樹の根元にばらまきました。来週は、屎尿タンクに溜まっている肥料をまこうと思っています。いわゆる「寒肥」です。凍てつくような寒さの間に行わなければいけない仕事です。

私たち兄弟にカルシウムを補給した注射道具セット。病床にあった父は、母に私たちの顔色を報告させ、ときどきカルチコールと呼ばれていた注射薬を射たせました。そのつど、母はこの注射器を熱湯で消毒して、繰り返し繰り返し用いていました。つまりこの針は私たちの肌に幾度も突き刺されたわけです。そのつど、アルコールを含ませた脱脂綿で肌を消毒したものです。

ケンは四六時中眠っています。耳がとても遠くなったせいでしょうが、少々の物音では起きません。ケンと同様に、晩年の父もよく居眠りをしていましたし、そういう私も椅子に座ったまま居眠りをするようになっており、椅子に肘掛けを着けることになったわけです。それはともかく、手術後のケンは順調だそうです。

電動砥石器の居場所を温室の中で見定めました。これまではワークルームの棚の上に保管していましたが、かなり重い道具ですから、不便でした。棚から下ろすのが億劫で、研ぐべき農具がそうとう数多く溜まるまで、用いなかったのです。そこでこのたび、スイッチを入れるだけでいつでも使える状態にしたわけです。これも加齢対策でしょうか。

楓に登らせているテイカカズラが楓の樹冠を覆って弱らせないように、昨年から新たな作業が加わっています。巻きつきながら樹冠近くまで登ったツルを解き、垂れ下がったような形にする作業です。いずれは垂れ下がって房状になったツルに、香りが良くて小さな白い花をたくさんつけることでしょう。