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自明の理とイノシシの尻拭い 11/01/30
 
 淡雪で明ける朝が多い1週間でしたが、好天になりそうだとわかると畑に出て、トンネルレースをめくり、野菜に陽光を当てました。次いで、庭掃除に励みました。冬休みがあける2月20日までに、庭の掃除を済ませておきたく思っているからです。

 庭掃除の合間に、果樹への寒肥やり、前週の後片付け、そして補修作業や派生作業にも取り組みました。前週の後片付けとは、学生を迎えた日に出た木クズの始末です。補修作業とは、かつてゴミ穴であった所に生じた経年変化の補修と、イノシシの尻拭いです。イノシシの尻拭いとは、堆肥の山の積み直しや、自然薯を掘り出した跡の穴埋めなどです。そして派生作業とは、新しい堆肥の山に生ゴミを捨てにゆく小径をつける作業でした。

 イノシシの尻拭いをしながら、イノシシの力に改めて驚かされました。シャベルでは簡単に掘れないほど固い土を見事に掘り、自然薯を食べていたからです。また、花壇の縁取りにしていた10キロから20キロほどある幾つもの石を跳ね飛ばしていましたし、グチャグチャに崩された堆肥の山の跡では幾本もの竹の根がむき出しになっていました。こうした竹の根に邪魔されて、これまで私は堆肥を取りきらずに済ませて来ましたし、コンクリート製の腐葉土小屋を作ったのは、竹の根に忍び込まれないようにするためでした。

 新たに堆肥の山を築き、その側に新たな小径を着けたところ、妻が滑りやすそうな坂に「階段をつけてほしい」と願い出ました。そこで、イノシシが放り出した石を転用した次第です。花壇の縁取りが、大きくなった潅木の陰になり、不要になっていたからです。

 この時期は乾燥期です。エンドウマメやキャベツなど春以降に収穫する野菜には薄めた肥料を、収穫中の菜花やチマサンチェなどには水をやりました。レースのトンネル栽培だと、レースの上に積もった雪が凍てついて水を通さなくなるのか、下の土がカラカラになりがちです。温室では、2日か3日に1度ぐらいのペースで水やりをしています。

 適度な外出と来客に恵まれました。来客で一番印象深かったのは津川さんです。再訪してくださり、手打ちのノコギリについて貴重な話を聴かせもらえたのです。外出は、ある機関誌の編集会議で山科に出かけた他は、すべて市内の用件でした。その1つは予期せぬ一件で、久しぶりで歯医者に駆けつけました。先週の東京出張あたりから奥歯が疼くようになったのです。原因は虫歯ではなく、肩こりによって歯茎が腫れていたのです。

 少し戸惑う記事を見つけ、いたく反省しました。40年前に私が生き方を切り替えた根拠を、つまり自明と睨んだ時代の転換を、唐突な話かのように断ってから始まっていた記事でした。当時の私の意見が、いかにも唐突に聞こえていたに違いないとの反省です。

 1つの心配事を抱えた1週間でもありました。新燃岳の噴火です。風向きが都城の友人にとっては最悪で、とても心配です。天災はつらいことですが、人災は悲しいことだと思いますから、ちょっと大掛かりな加齢対策に手をつけました。居宅に至る道を舗装することにしたのです。金太の小屋あたりから坂になっていますが、幅2,5mほどのジャリ道の中央部に、幅1m弱の舗装をプロにしてもらうことにしたのです。これで重い荷物を一輪車で運んだり、トランクを転がして移動させたりするのが楽になります。躓づいて転ぶ心配も減るでしょうし、万一車椅子の世話になるような事態になっても、慌てずに済みます。

 週末は、これから会食に出かけます。定期的に招かれている会食です。帰途、知人と落合ってわが家に案内します。次週は晴らしい滑り出しの1週間になりそうです。

 
堆肥の山の積み直しは、例年だと夏野菜の畝をつくる頃にしてきた作業ですが、今年はノノシシのせいで前倒しです。堆肥は取りようがないほど散らかされており、竹の根を顕わにしていました。念の為に、広さ4畳半ほどに散らかった堆肥を調べましたが、カブトムシの幼虫はもとより、1匹のミミズさえ見つけられませんでした。

この薪や柴などを週の半ばにすべて片付けました。雨に濡れないところ移動させたり、焚き火をして灰にしたりしたわけです。学生が枝垂れ桜の枝透かしやヒノキや竹の間引きなどをしてくれている間に、私はシナモンの木の大胆な剪定などをしましたが、それらの剪定くずでした。このあと、また週末には庭掃除で出たクズでいっぱいになりました。

新しい堆肥の山は、現在使用中のゴミ穴の側につくりました。そこで、新堆肥の山にいたる小径を設け、すべりやすそうな坂に階段を作ったわけです。この一帯には、乙佳さんにもらったヤマグルミの苗木や富美男さんにもらった潅木や皇帝ダリヤなどを植えていますから、これらの世話のためにも小径は有効に生かせそうです。

酒が滴り落ちそうな酒粕をいただき、毎日のように味わっています。酒粕好きの私ですが、この焼き方が一番気に入っています。妻も付き合ってくれますが、この4分の1ほど食べただけで酔っ払ってしまいます。

津川さんに、手打ちのノコギリの多様性とそれぞれの活かし方や、ノコギリ造りの名人などについて教わりました。また、息子さんが師匠と一緒に山奥に分け入り、巨木にたどり着いた折のエピソードも伺いました。

今年度のユズ皮のすべてです。サルにとられた分と調理に用いた分の残りの皮です。ユズ粉にするために居間で乾燥させていますが、なんとも言えない芳香を部屋中に漂わせています。

ワークショップの陽だまりでジャガランタが元気にしています。苔玉仕立ての名人、上田さんにもらった木ですが、ニュージーランドのワンガレイで妻と過ごした日を思い出させます。足掛け4年前のことですが、ジャガランタの大きな木の下で、妻は連れていっていた人形を座らせていました。