必然の敗北
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添付Aのような新聞記事を見つけました。また、友人から添付Bのようなメールをもらいました。こうした一連の情報に触れ、日本のあり様に不安を感じています。太平洋戦争では、さまざまな方法で国民の多くを縛り、負担を強いたりうろたえさせたりしています。逆に、ごく一部の国民を優遇していました。これと同じことを繰り返しているように、私の目には見えるのです。 日本と正反対の電力供給をしている国にNZがあります。原発に手を出そうとはせずに、それに代えて、日本の技術によって地熱発電に力を入れています。 地熱発電を始め、自然エネルギーの電力化は、原発と違っては、それほど資金を要しません。また、発電場所の分散化を進めます。つまり、原発ほど巨大資本を集中的に投下する必要がありません。裏返して言えば、自然エネルギーの電力化は、巨大資本の支配下から国民を解放する方向に作用します。それを是とするか否か。 東電と正反対の対応をしている電力会社があります。アメリカ、カリフォルニア州の州都、サクラメント市にあるSMADです。設置間もない原発を、危険だと知ってすぐさま廃棄し、さまざまな節電対策に取り組んでいます。 その一つにピークカットがあります。電力需要は晴天の真夏の昼間に突出しますが、それに応じなくても済ませる作戦です。このピーク時の電力供給をカットすることに応じる人を募り、応じる人には、それ以外の電力料金を3割引にする作戦です。もちろん、晴天の真夏の昼間に発電能力が高まるソーラー発電設備の普及にも力を入れています。 ちなみに、SMADは、電力供給を巨大資本などに支配されることを嫌ったサクラメント市民が、市民の手でこしらえた電力会社です。このような電力会社まで作れる国ですから、アメリカには3200余の電力会社があります。拙著『次の生き方』(平凡社)の4章「エネルギーは大丈夫」で詳述しています。 多くの国民を縛り、一分の国民に利益が回るようにする考え方は、建築物や耐久消費財でも指摘できることです。石油ショック後に、幾多の建築物や耐久消費財が生み出されましたが、国民を窮地に落とし入れたり、うろたえさせたりすることを野放しにしてきました。 停電一つで国民をうろたえさせかねないハメ殺しの窓や自動ドアーを普及させたり、部品の保管期間を短いままに放置させたりして、多くの国民にホゾをかませるようなことを繰り返させてきたからです。残念なことです。 大津波は、莫大な経済的資産を負債に変えましたが、エネルギー事情の変化一つで、国民をうろたえさせかねないような趨勢を放置してきたことは残酷だ、と思います。人災によって、国民の多くの経済的資産を負債に換えてしまうわけですから。 東日本大震災を第3の敗戦と称する人が現れましたが、マッチポンプを見る思いです。 |
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