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「哲学の穴」とセンダイハギなど 11/11/27
 
 延5日にわたって外出する用がありましたし、来客も多く、忙しい一週間になりました。ですから、心おきなく庭仕事に当たれたのは水曜日だけに限られました。しかし、その1日も含めて、とても印象深いコトやモノに多々恵まれています。

 週初めは、養蜂の師匠に招かれ、綾部の志賀郷を訪れており、恒例のバーベキューパーティに参加です。そこでノブドウの自然発酵ワインを味わったり、土産にダンコウバイ(壇香梅)の苗木をもらったりしています。火曜日は、過日のポートアイランドでの集いに誘ってもらった方のお宅に招かれ、夕食までご馳走になりました。そこで、永年追い求めていた華道に巡りあったのです。木曜日から1泊2日で関東出張に出かけていますが、そこでは実に楽しいレクチャーに立ちあっています。地球の歴史をひもとき、人類の所業を振り返ったわけです。そして週末、来あわせていた3人の助っ人学生を昼から連れ出し、眩しいほどの好天のもと、初めて訪れた広大な庭園で野点を体験してもらいました。

 この間にあって、水曜日には久しぶりでホームビルダーに来てもらい、ちょっとした加齢対策をこうじてもらいました。近年は雨が集中豪雨化したこともあって、旧玄関の樋が用をなさないことが増えており、雨宿りできる空間を作ってもらったわけです。その後で、とてもすてきなご夫婦を迎えています。このご夫婦から手焼きのパンをいただいたり、センダイハギなど3種の宿根植物を引き受けたりしました。これが縁での付き合いを願わずにはいられないお2人でした。週末は3人の学生が庭仕事を手伝いに来てくれたのですが、午後から連れだしたわけです。その野点の席で落ち合った親子と一緒にわが家に戻り、歓談しまいたが、その場にも同席してもらったのです。よき体験であったことでしょう。

 異常気象を実感する一週間でもありました。志賀郷も異常気象であったようで、ついにキノコにはありつけませんでした。関東出張でも、美しい紅葉にはお目にかかれずに終わっています。ケヤキやカエデはまるで枯葉でした。週末に訪れた広大な庭では、わが家から歩いて半時間余のところにありますが、アヤメが狂い咲きしていました。

 水曜日の庭仕事は草抜き精を出しましたが、残念な思いをしています。過日ホームセンターで「いきいき生活お手伝い」と銘打った指導コーナーを見つけ、「除草の仕方」とのリーフレットを手に入れました。それを参考にして、やおら「除草に当たろう」と読みはじめたところ、それは「除草剤の用い方」の指導書でした。昨今の「いきいき生活」とは、健康障害をうながす手抜きを容認する生き方でしょうか。ガッカリしながらわが家の流儀にそって除草に没頭し、サッパリした気分になっています。それは、最後に残した分別クズをいつものごとく「哲学の穴」と呼んでいる穴に放り込んだ際の気分です。

 助っ人学生を迎えた週末の作業は、囲炉裏場での力仕事でしたが、計画の3分の1程度で終わりました。なるべく早いうちに学生に出直してもらい、今年中に囲炉裏場を使い始めたく思っています。そのためには、学生に力仕事を一刻も早く終えてもらい、側溝の一部をセメントで固める工事、鉄の側溝蓋を切る作業、あるいは耐火レンガで組む釜づくりなど、私が一人で担当しなければならない作業に携わることです。

 週末は、他にもう2つ、楽しいコトがありました。その1つは最初のブロッコリーの収穫です。他の1つは、野焼きを眺めることができたことです。翌年の収穫に夢を馳せさせるのどかな時間の流れと、優しい心を呼び覚ませてくれるこの時期の風物詩です。

 

20人余が志賀郷で集い、暮れゆく秋を楽しみましたが、キノコにはありつけませんでした。ダンコウバイ(壇香梅) などの苗木やキセル袋の種などをもらい、ノブドウが自然発酵したワインを賞味しました。ダンコウバイは大江山でよく見られるようですが、クロモジと近い関係の木で、蜜源です。

旧玄関でこうじた加齢対策。居宅と書斎のある棟が別棟ですから、とりわけ寒い雨の日には難儀していました。集中豪雨のような雨の時は樋が用をなさず、加齢と共に身体の動きが鈍ったせいもあって、傘をかざすまでにびしょ濡れになっていました。

46mの道のりを46億年に見立てると、人間の営みは1mmに満たず、いかに新参者であるか、ということを実感させられます。要は、人間の所業を振り返るレクチャーでした。

野草を主にした、身近な花を用いる生花に心を打たれました。近年は、花を晒し者にしたような生花によく出会うようになりましたが、残念でなりません。

次週はこの3種の株の植え付けが待っています。せっかく育った植物なのに、人間の都合で居場所を失うはめになり、わが家に住処を移して生きながらえることになりました。掘り出すのは大仕事だったと思います。自家製のパンもいただきましたが、なんとも美味しかった。ちなみに、今週は他にダンコウバイなどもやって来ましたから、物言わぬ家族が随分増えた気分です。妻は、植物よりも犬などの動物を家族扱いします。

初収穫のブロッコリーは、差し渡し20cmの大物でした。とはいえ、2つ目が続いておらず、次の収穫は当分先になりそうです。

久しぶりでのどかな野焼きを眺めました。私の遺伝子の中には、火や煙は、恐ろしい野獣から身を守ってくれたり、次年度の豊作を約束したりするとの記憶が刷り込まれているのでしょうか、火や煙を見ると心が癒されます。でも、花火などは火薬の匂いが苦手ですし、電飾はエネルギーの浪費のように思われ、あまり好きではありません。