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歳時記と樹木十年樹人百年 12/01/01

 猪突猛進を目の当たりにしました。25日 (週初め)の夜、10時30分のことです。翌日のために「ブルーシートを(囲炉裏場に被せておこう)!」と、妻と庭に出て、畑に差し掛かったときのことです。私をかすめるようにして一直線に、山を目指して駆け抜けました。体長70cmぐらいの丸々と太ったイノシシでした。即刻2人は2方に別れ、出口を突き止めようとしましたが時すでに遅し、ついに物音すら確かめられませんでした。

 翌月曜日はバーベキューパーティーの日でした。囲炉裏場のかさ上げ工事に関わった学生を主に、「庭仕事の助っ人」たちと今年最後の庭の手入れをし、「そのあとでパーティーを」と約束していたのです。にもかかわらず日曜日の夜半、「雪が降る恐れ」との天気予報、「さあ大変」。赤土を盛ったばかりの会場を濡らすわけにはいきません。

 ヘッドランプを装着し、妻と寒い庭に出て囲炉裏場に向かいました。その道中で、私の想いとはまったく逆のことが、唐突に生じたわけです。私の想いとは、このたびのイノシシとの知恵比べについて、「知恵比べに勝っているのではなく、(猟が解禁になり)すでに (打ち獲られ) ヒトの腹に入ってしまったのではないか」との神妙な心配でした。

 月曜日は終日庭で過ごしました。仏教大学の学生が5人、立教大と東大の院生が各1人、そして富美男さんの8名でした。ブルーシートには雪解け水が溜まっていました。皆さんに大仕事にたずさわってもらったあと、パーティーは4時から。その間は、重めのオヤツ、焼き芋と安倍川餅で済ませました。雪がパーティーの途中でちらつき、降雪対策を講じましたが降られずに済み、最後は星空となって京都の底冷えを共感しました。

 その後、大晦日まで多忙でした。柑橘類の寒冷紗被せ、落ち葉掃除、越冬鉢植え植物の温室への運び込み、そしてスモモの剪定が私の主たる庭仕事。風呂の焚口があるワークルームの掃除、お鏡餅などの飾り付け、風呂焚き、なども担当しました。その間に「わが家の歳時記」の1つ、「しめ縄づくりの1日」を挟み込んでいます。

 多くの素晴らしい人と出会えた1週間でした。かさ上げ工事の仲間、しめ縄づくりの常連と飛び入りの夫婦、時々相談ごとに乗っている夫婦、同青年、最初のトルコ旅行で触れ合った夫婦、2人の気の合う友人、3人で開いた忘年会の相手、そして初めて迎えた爽やかな女子学生です。気が合うとは、しかるべき企業像や食糧問題などで想いを同じくしていることです。爽やかな女子学生は、森林学の権威である京大教授からアイトワのことを紹介されたそうです。3人忘年会は、トルコ協会の正副会長との談論風発です。

 冨美男さんには、その後3日続けて訪ねてもらえ、母屋の中庭にある梅、この梅に覆いかぶさっていた2本のツバキ、旧玄関前の梅、そしてウコギなどを剪定してもらいました。来春「良い枝を出し、次の年には良い花をつけますよ」「それまで手入れをさせてもらいます」と富美男さん。とうていこのような手入れができなかった私は、「樹木十年樹人百年」を思い出したリ「日本も大胆な手入れが必要だ」と感慨深げにされたりしています。

 今年は大晦日が週末となった関係で、これが後藤さんの手でネットに載る頃は新しい1年が明けています。「皆様、新年おめでとうございます」。後藤さんと私が元気な限り、また1年、アイトワの庭からレポートを続けます。2012年の初仕事は温州みかんの植え付けを計画しています。温室は鉢植えの越冬植物でいっぱいですから、いずれ雨や雪の日に整理をします。ちなみに、大晦日早朝の体重は65.4、就寝前の今は66.4kgでした。
 

囲炉裏場の赤土を覆った大きなブルーシートは役目を果たしました。その後、パーティーの途中で、いつでも会場を雪から守れるようにぶら下げています。このブルーシートは、アイトワ塾生の後藤さんから(取扱商品の保管に用いていたが)「不要になった」といってもらいましたが、囲炉裏場をすっぽり覆う広さでした。

この9人に、1~2名ずつ分かれてさまざまな仕事を受け持ってもらいました。ブロアー、サラエ、大きな落ち葉袋をはじめ、ノコギリまで駆使する仕事を志願し、モクモクと大活躍した女子学生のかおがほとんど隠れているのが残念です。私の隣が富美男さん。後列右から真明、4人目卓道、左端京介(この3人は当日から君呼びする事になりました)、この9人のうち1人をアルバイトで欠いた後、湯豆腐から始まるわが家流のBBQパーティーを催しました。

わが家の歳時記の1つ、「柑橘類の寒冷紗被せ」。加齢と共に大仕事になりますから、来年はダイダイとキンカンも大胆に切り詰める計画です。もちろん、富美男さんの指導を受けます。いや、富美男さんにしてもらい、見習います。


剪定前

剪定後

清掃風景
落ち葉掃除の難所の1つは、広縁の屋根をおおうスモモの剪定とその半透明プラスチック屋根の掃除でした。屋根は当初の網入りガラスに代えて、半透明プラスチックに張り替えましたが、失敗でした。樹木が発するフィトンチッドなどの油分によってかくも汚れるのです。そのデッキブラシを駆使する掃除は一仕事でした。

清掃前

清掃後

うれしい贈り物が続きました。埼玉特産のオーガニック野菜で紫イモを初めて味わいました。富美男さんとは焼き芋にして、トッテンさんとはスープにして、など。都城の友人 (紅梅園)手造りの野菜、餅、そして製品(本来の梅干し、梅肉エキス、そして青梅のドリンク)には、元気な様子を伝える手紙や掲載誌が添えられていました。そして、この時期に毎年茨城からいただく妻の友人夫妻が育てたバラ。

わが家の歳時記の1「しめ縄づくり」を始めましたが、小雨のごとき雪にたたられ、さんざんでした。その間に、アイトワの鬼門の落ち葉掃除を手伝ってもらいました。昼時も慌てました。例年「いなりずし」持参で参加する人が欠席したからです。ですから、例年の「きな粉とダイコンおろしの安倍川餅」に加え、上記りんごケーキと、リンゴなどでなんとかごまかしました。


大胆な手入れが施されました

目にとまったツバキの蕾
各2本の梅とツバキは、大胆な手入れが施されました。この冬は花をつけないでしょう。蕾のある小枝を大枝ごとほとんど切り取ったからです。目にとまったツバキの蕾は1つを残すのみでした。富美男さんの瞼には、これらの木々のこれから2〜3年後にわたる動きがありありと映っているのでしょう。私の盲点であったわけです。