「らせんとスローなビジネス」 01/12/25
神坂新太郎さんという科学者のお話を聴く機会があった。とっても面白かった。
まずはその経歴がとてもユニークだった。科学者と言っても、神坂さんは、学校教育は殆ど受けていない。現在82歳になる神坂さんは、十代前半で学校を退学させられたのだ。満州事変が勃発した時、学校教育が一変し、軍人が学校に派遣されて、「人を殺しても良い」という教えに変った。それは間違っていると軍事教練を拒否した神坂さんは、その場で殴られ、さらに校長に呼び出され、校長に非国民呼ばわりされて悔い改めるように迫られた。「私は間違ってないし、学校も辞めない」そう言ったら、退学処分になった。
どうしても納得が行かなかった神坂さんは、教育界で一番偉いと思えた人、当時東大の総長だった美濃部達吉さんに手紙を書いた。そしたら美濃部さんから小包が届いた。そこには最新の科学論文が載っている5,6冊の本と美濃部さんの直筆の手紙があった。中にはこうあった。
「君のいう事は正しい。間違っているのは国家だ。」
それから独学の日々がはじった。世の中の常識と思われていくことをすべて疑って、自分が納得いくまで調べるという事をずっと繰り返してきた。今も、ただ自分が納得したいがためだけに細々と研究を続けているのだそうである。
文系の私は、神坂さんの説明の何パーセントかしか理解できなかったと思うが、私の解釈によると、その学説は、「命が生まれるメカニズムは、地球の運動の中にある。」というものでだった。地球は、毎秒400メートルの速さで自転し、30キロで公転し、さらに200キロで太陽系が銀河系の中を公転している。これを全部足すと、複雑ならせん運動になるのだが、この運動自体が命を育むエネルギーなのだというものだ。水を入れてこの運動をさせると、物質を加えないのにペーハーががらりと変るらしい。
さて、坂本啓一さんの「スローなビジネスに帰れ - eに踊らされた日本企業への処方箋 - 」という本を読んでいる。スロー・フードだ、「スロー・イズ・ビューティフル」だとスロー流行りだなあと思っていたら、仕事までもスローとは…………。
でもそうだよなあと思う。ウチの会社の歴史を見ても、儲けるより損しない方が余程大事なんだという事が良く分かる。
歴史は、人間は歴史から何も学ばないということを示しているってことを言っていたのは誰だったかなあ。
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