「ホンモノの地上げ屋」 02/01/08
今年の私のモットーはこれで行きたいなあと思っている。
カリフォルニアのデイビスにビレッジ・ホームズという有名なエコロジカル・コミュニティがある。私は、何故かアメリカという国に全く縁がなくって未だ訪れたことがないのだが、このまちを日本に紹介した川村健一さんによると、(処で、川村さん、執筆のお約束はまだ覚えていらっしゃいますか???)プロデューサーのマイケル・コルベットさんは、結局人生でこのまちひとつしか創らなかったらしい。もちろん、自らが住民になり、デイビスの市長になって法律を変えることまでしてこのまちを創った。世界的に有名になったこのサスティナブル・コミュニティは、結果として、物件の価格が発売当時の数倍に値上がりした。コルベットさんは、今はコミュニティ内でオーガニック・レストランをして暮らしているらしい。
中山洋子さんが宮崎県綾町のことを書いていたが、あのまちを創ったのは、郷田實さんという方だ。2年程前に亡くなられ、お会いできる機会を逸してしまったが、一度講演をお聞きして深く感銘を受けて、偶々ご縁があってそのまちのコンサルティングの仕事に少しだけかかわらせて頂いたことがある。
郷田さんは、西日本一貧しいといわれた「夜逃げの町」綾町の町長になり、昭和40年代に、当時何の価値もないと言われていた照葉樹林の保護運動に乗り出す。それから、「与えられた民主主義」下で誰も自分達でまちづくりをしようとしない町民に説いてまわって、自治公民館運動を展開、一村一品運動のずっと前に、一人一品運動をした。そうして、個人個人が創意を発揮したまちづくりを展開する。有機農業運動の先駆として、国庫補助なしでゴミやし尿のリサイクル施設もつくった。今や綾町は西日本一のモデル自治体なのだ。
郷田さんやコルベットさんのように、どっかと腰を据えて、長い時間かけていいまちを創ってみたい。これが私の夢で、漸く、今年その出発点に立てそうだ。
とある郊外の住宅団地で、コミュニティ・ビジネス、NPO、地域通貨、ヘンプ(麻)等をキーワードとしたまちづくりを自分で住みながらやりたい。もう一つは、学校を中心としたシュタイナーのまちづくり。
20世紀は、鉄道を引いて、駅を中心にまちをつくった。21世紀的な課題を解決するには、突き詰めると人育てから始めるしかない。だから学校を中心に町をつくろう。それは、学生のまちじゃなくって、多様で自己完結的な人間が住む、持続可能なまちになる。
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