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「生きがいの創造」 02/02/07



 先日、前の会社の同僚と酒を飲んでいた。「生きがいの創造」という本をプロ
デュースした人である。
「あの本ではね、勇気という事を伝えたかったんだ。」彼がボソリという。
その言葉を聴いて、自分の過去のことが一挙に思い出されて、感慨にひたって
しまった。
 私がこの本を読んだのは、1996年10月、26歳の時のことだったと思う。興  奮状態の中で、当時所属していた組織の改革を訴える強烈なレポートを書いた。
(当時から文体はとてもエモーショナルなものだった。) それから、私は組織
を転々とし、たまたま2年後、彼の同僚になり、そして今の仕事をしている。
シュタイナーが言う「人生の7年周期」を、私は良く理解していないのだが、
今の私の世代というのは、それぞれの個性が確立して、人生が固有の輝きを放
つ時期なんだと思う。
 今、同世代の人が一様に「自分は転機にいる」と言い、とても辛そうである。
多分、この時期に決定的に大事なのは、勇気なんだと思う。もちろん、その勇
気ってのは愛に裏打ちされていなきゃいけないんだろう。
 下の見えない崖の前に立って、思い切って跳んでみると、自分に羽が生えて
て跳べることに気付く。跳ぶか跳ばないかはとても小さな違いでしかないんだ
けど、跳ばないと羽には決して気付かない。人生って、そんな仕組みになって
いるような気がする。
 この本をつくった意志がしっかりと私に受け止められて、私の人生を変えて   った。凄いことだって呆然としてしまった。

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