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週末の出来事 02/10/31

 たまたま縁があって、この3週間あまり、週末は、江田けんじさんの選挙をお手伝いしていた。

 街頭でビラを配ったり、1件ごとにビラをポストに入れて歩いたり、はがきの宛名書きしたりを延々と繰り返した。少し、マイク握って街頭で喋らせていただいたりまでしてしまった。

 1件1件ポストにチラシを入れてながら、扉の向こうにある暮らしを想像する。そして、はたと気付いた。
「誰にでも一票あるって、本当に凄いことで、すばらしいことなんだ。」

 戦争が終わって、今の憲法がやってきた時、皆、とってもとっても嬉しかったんだろうなと想像した。チラシを受け取ってくれる初老の人達に、そんな空気を感じた。残念ながら、それが自分達の世代にはまったく伝わっていない。

 選挙運動の最終日には、ボランティア・スタッフが何十人にも膨れ上がっていた。最後の演説で、江田さんは涙ながらに語っていた。
「こういう選挙を、私は、やりたかったのです。」

 「官僚」という言葉の響きが、いつの間にかどこか汚れたイメージをもつようになった。そんな時代に、官僚中の官僚と言える江田さんが、無党派で、ボランティアだけで選挙をして勝ったという事は、時代を切り拓く出来事かもしれないと感じた。

 勝利に沸く選挙事務所を後にして、居酒屋で友人と二人でビールを飲んだ。その人がぼそりという。
「君が眩しくって、多分そんなことにも影響されて、年明けから四国の巡礼に出ようと思う」

ポカンとしてしまった。

何をおっしゃいますか。あなたがどれだけ社会と格闘し、ボロボロになりながら、確固たるものを根付かせてきたことか!この時代、奇跡的な存在とさえ思えますよ!

さてさて

 選挙事務所に向う電車の中、妻から薦められた塩野七生さんの本を読んでて、面白い言葉を見つけた。カエサルの言葉である。

「どれほど悪い事例とされていることでも、そもそもの動機は善意によるものであった」

この言葉を目にして、以前、自分が友人に送ったメールの言葉を思い出した。

「『結果まちがってたけど、確かに私には愛がありました。』人生ってこんなことばっかりのような気がする。」

相変わらず、とりとめない。

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