挑戦する師 03/05/13
土曜日の朝刊に懐かしい顔が大きく掲載されていた。中嶋嶺雄さん、私の大学のゼミの先生である。
私が卒業してから、大学の学長になって、大学改革に邁進されていたのだけど、学内の保守層の反発もあって、3期目の学長選に落選した。
その後どうされているのだろうと思っていた。私の故郷でもある秋田にアドバイザーとして足を随分と運んでいらっしゃるという話は、何度か耳にしていた。
先生は今度、経営破たんしたアメリカの大学の日本校をリニューアルして、実務能力のある国際人を育てる為の、全寮制、小規模の大学を作られるのだそうだ。66歳で、ゼロから新しい学校を作る。
第一志望に落ちて、仮面浪人しようと思ってぼんやり過ごしていた大学1年の5月、先生が授業で、黒板にこう書いた「Dig
deep the very place where you stand, you will find a spring」.(今立っている場所を深く掘りなさい、泉が見つかります。) 私は、この言葉で、この大学に留まろうと決めた。18歳の時のことだ。
それから、32歳で、販売不振のニュータウンの担当になって、しばらく途方にくれた後、とりあえず、自分がそこに移り住もうと決めて、いま、ここに暮らしている。
行動の意思決定の基準があまり変わっていない事に気が付き、その原点は紛れもなく先生のあの言葉にあったのだと思いいたった。
「お前が提案したように、ちゃんとカフェも作ろうとしているし、NPO作って地域通貨もやってくれよ。」
その後、私は組織移動したのでもはやここの担当ではないのだが、前の上司が最近、そんなことを言ってくれた。
先生は私の故郷で、私はここ千葉で、深い穴堀を始めることとなる。
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