チェンジング 03/05/20
先週、ドイツで自然エネルギー普及をしている国会議員、ヘルマンシェアさんの講演会を聞く機会があった。
心底びっくりした事に、なんと、ドイツは、今年(ことし)、京都議定書の温室効果ガス削減目標を達成してしまうのだそうである。ドイツの目標は21%。今の推計だと、約束期間の終了年の2012年には、達成率は倍になるのだそうだ。42%。
それに比べて、京都がある国、日本は、6%削減を目標として、現在、1990年より10%以上オーバーしている。もはや目標達成は不可能というあきらめの中で、何とか1990年比増加ゼロにして、後は、森林の吸収やら、排出権取引やらで乗り越えようとしている。
この事実は、とてもショッキングだったので、これをテーマに何か書こうと思っていた矢先、今日はまた、頭をシャフルしてくれるような話をいろいろ聞いてしまった。
先月くらいに、私は、住宅の断熱基準を他の先進国の様に法的に義務化すべきだし、住宅耐用年数を延ばすために、マンションは、余裕のある二重床を標準とすべきだという提言をまとめていた。もちろん、日本の住宅の寿命が短いのは、建物の耐久性というより、住文化の問題であるという認識くらいはもっていた。
今日、マンションの研究会があって、それに参加した後に、レクチャーしてくれた大学の建築の先生を囲んで、数人で居酒屋で飲んでいた。
その先生が言う。
「江戸時代にはね、住宅の平均寿命はたったの7年だったのです。これは、ある程度、時間が経ってしまったら、気分転換と、仕事をつくる為に、皆で家を燃やしていたからなんです。以前、日本の住宅の長寿命化について海外で講演をしたら、スイスの学者が『それは間違っている』と言って、方丈記の英語訳を送ってくれた。この日本人の感性の方が、はるかに進んでいて、大事にすべきだといってね」。
「神戸の震災の後で、皆、以前と同じような家を建てだした。不思議に思って尋ねたら、こう答えたんですよ。『だって、もう地震はこないから』」。
「3LDKの画一的な間取りが、実は少子化を招いているような気がしているんです。だって、和室と大きなメインベッドルームを作ってしまったら、子供部屋は1つしかできない。新婚や漸く子供ができたような家族がマンションを買ってしまうと、結局、この間取りに家族構成を合わせてしまうんですよ」。
「でも、人口が減ってはいけないと言うのは、必ずしも正しいとは限らないんですよ。だって、世界的には人口爆発するんだから、減る国があってしかるべきです」。
「そう言えば、私の上司が中国の閣僚に会って、環境ホルモンの話題に触れたら、その閣僚は『それは中国にとって良いことです。人口が減るんですから』と言ってたそうです」。
最近、自分がこうやってつらつら書いていることをひとつのタイトルでくくろうとしたら何になるのだろうかとふと考えて思いついた言葉は、「チェンジング」だった。
そう、「変化こそ唯一の真理なり」。
世のリーダー達が、次世代の為に、安住を捨てて変わること。これが今の社会でもっとも必要なことだと思う。
そして、閉塞した時代の中で、すっかり自信を無くしてしまっている人達。あなた達は変わる必要なんかない。そのままで、その存在がすでにとっても尊い。
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