コミュニティ−2 03/06/02
「ニュータウンと凶悪犯罪には相関関係があるという説がある」。と社会学をやってる友人が話しているのを耳にしたことがある。きっと画一的な街並みと均一的な家族、でもコミュニケーションの殆どない社会というのが人の精神構造に悪影響を及ぼすという事なのだと思う。
そんな言葉を耳にしていたにも拘わらず、私は、このニュータウンに移り住んできた。幸か不幸か、区画整理事業で出来たこの町は、お世辞にも統一的な街並み感等感じられず、売れ行きが芳しくないお陰で、なかなか多様な世代が住んでいる。
あいにく土曜日は雨が降ってしまったので、バーベキューは出来なくなってしまった。自治会館を借りて、昼食会をすることとなった。その会には、結局7家族集まった。初めてお会いする人も少なくない。子供も10人以上いて、食事も程ほどに畳敷き大広間をぐるぐる走り回り、それはそれは賑やかだった。
話を聞くに、最初にここに移り住んできた人は、既にここに3年も住んでいるようだが、今まで一度もこんな集まりはなかったのだそうだ。庭を作っている私に、お向かいのカセさんが話しかけて、バーベキューをしようと言い出してくれて、初めて実現した。
翼日曜日、朝も早々に小さな子供たちがうちのインターホンを鳴らす。お兄ちゃん達とまた遊びたいんだそうだ。昼間通りを見ると、普段滅多に見かけない近所の旦那さんが道端に出てきて、立ち話をしている。夕方になるとカセさんがお裾分けといってスイカを持ってきてくれる。
以前、エコヴィレッジ日野の竣工見学のアンケートを見て、少しがっかりしたのは、訪れた人達の「コミュニティづくり」に対する興味の希薄さだった。
その後の日野の話を詳しく聴いていないので、確かなことでもないのだが、結果、住民達がここに一番住んで良かったと思っているのは、そこで育まれたコミュニティの暖かい人間関係のおかげだったと耳にした記憶がある。
そう、皆とっても喜んでいた。それは、ずっと欲していたものに違いなかった。
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