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尺八の音色が似合いそう 06/09/17
鞍馬の奥にある村の田舎家で、4年前から独り住まいしている知人を訪ねました。そこは京都の秘境といわれる久多や大見に通じています。山間を流れる川沿いの道に面して、10数軒の民家が点在していましたが、その中ほどにあった一軒を知人は借りていました。知人はしんみりと「父が死んだ歳を過ぎました」とか、奥さんが住まう街のマンションには「時々帰る程度です」と語りましたが、持病持ちで、3度ばかり発作がおきて街に搬送されています。
幸運にも、借りた家の前の道向こうに空地があり、救急ヘリコプターはそこに舞い降りたようです。ヘリなら市中に5分でたどり着けるそうですが、私は日に4便のバスに1時間も揺られました。バスは鞍馬から奥はオルゴールを流し、停車場でなくとも合図をすれば止まってくれます。オルゴールは上りと下りで曲目が異なっており、村人にとっては時報のように親しまれているようです。こうした村を好む住人には、どこか似通って所があるのでしょうか。
夫に先だたれた独居の老婆や地場製材所の経営者夫人とか粋な(?)例外などを除けば、サラリーマンを定年退職した知人をはじめ、教師を勤め上げた独身男とか中途退官した独身の男性官僚など、独居男が多数を占めており、知人は大正琴を習っていましたが、尺八に凝る男もいたようです。粋な(?)例外は露と消えていました。60幾つかの男が50幾つかの女性を囲おうと、川向こうの空地に瀟洒な家を建て、橋を架け、連れ込もうした矢先に急逝したからです。
その橋は上桂川に架かっていました。だからその水にのれば、わが家の裏山・小倉山に沿って流れる保津川を経て桂川に至り、淀川に流れ込んで大阪湾に連れて行ってもらえるわけです。その昔はこの上桂川を浚渫(しゅんせつ)して筏を流し、大阪城を造った材木も供給したとか。村は林業で成り立ち、その金で米などの生活物資を買い求めていたようです。今も山々には杉や檜が茂っています。村人の生活は、つい最近までは自給自足率が高かったようで、知人が借りた一軒家でもその生活ぶりが偲ばれました。当時は、ヘリが舞い降りた空地は水田であったようですが、今はススキが茂っており、いかにも尺八や大正琴の音が似合いそうです。
こうして一週間が始まり、その後大阪に出たりしたのですが、在宅の間は寸暇を惜しんで庭に出ています。週末はアイトワ塾のバーベキューパーティーで、そこに台湾から大阪に赴任して来た陳夫妻が参加して泊まってくれましたし、月曜日からは数日は庭に出る寸暇もないスケジュールの上に、金曜日には庭を丁寧に案内しなければならない予約を受けているからです。
畑は次第に秋の姿になっています。第2次のキュウリとインゲンマメの蔓を始末して支柱を解体し、冬野菜用の畝に仕立て直しました。ホウレンソウとニンジンの種をまく予定です。雲南旅行の留守中に、妻が白菜、大根、花菜、小カブ、水菜、壬生菜、小松菜の種をまきましたが、少しばらつきがあるとはいえ芽が出揃いましたし、出発前に苗を買って植えたブロッコリーとスティックブロッコリーも順調に育っています。カキチシャは発芽しなかったようで、喫茶店をきりもりしている仲間の1人が発芽させた苗をもらうことになっているとか。
庭掃除にも時間を割きました。草刈りと除草に力を入れたのです。イネ科の野草をはじめ種を振りまきそうなそうな草に狙いを定めて抜き去ったり、フェンネルやアヤメなどシーズンが終わった背丈の高いものや笹を刈り取ったりしたわけです。もちろん刈ったり抜いたりしたものは丁寧に仕分けをし、堆肥にして畑に鋤き込めるものは堆肥の山に積み、そうでないものは竹やぶに撒いたり燃して灰にしたりしました。あとは妻がブロワーを使って落葉などを掃除してくれますから、こざっぱりした庭を見学者には楽しんでもらえることでしょう。
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鞍馬の奥には「松あげ」という玉入れの要領で点火する火祭りがあるとか。高い棒の先に結わえた竹製の籠に、松の枯枝を詰めて立て、下から松明を放り上げて放り込み、点火します。松明はそう簡単には籠に入らないようで、無数の火玉が夜の中空で弧を描く光景は見事とか。写真は、籠を結わえて立てる棒を寝かせて休ませている常日頃の状態です。
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山菜つくしの昼食を、8月15日に松あげがある村を通り過ぎた先で下車してとりました。ビールから始めましたが、市中より数度は気温が低いようで、すぐに熱燗に切り替えました。やがて体は温まりましたが、知人の住まいがある次の村まで千鳥足で歩みました。その先の村では毎年22日に、さらにその奥の野村では、と松あげの文化が続いているそうです。
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この村では珍しく(?)夫婦者が住まおうとした家です。日本女性と結婚したドイツ人が趣味を凝らして建てた佇まいでしたが、朽ちるのを待っているようです。山から水をうまく引けなかったり、道を挟んだ真ん前にバラック造りの鹿撃ち小屋が建ったりしたので出て行ってしまった(?)とか。この美意識の差が生じさせた問題に私は同情しました。どうじになぜか小泉さんを思い出しました。
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五色咲き八重の中国ホウセンカが咲き始めました。今年は種をしっかりと取り、来年はたくさん咲かせたいと思います。去年も種をたくさん取ったのですがどこに置き忘れたのか分からなくなり、どうなることやらと心配していましたが、自然生え救われました。
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ゴーヤが熟れて割け、小鳥に種をついばんでもらおうとする季節になりました。苦いゴーやですが、種の周りの赤くなった果肉は甘くなっています。小鳥も味覚の差を楽しんでいるのでしょうか。窓先に餌をねだりに来るポッポはなんでも丸飲みするのですが、赤く稔った山椒の実を異常なまでに好みます。だから、味覚を十分に楽しんでいるように思われるのですが。
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ブロッコリーはここまで育っています。半分はスティックブロッコリーの苗ですが、今のところは形状的には差異を見出せません。その差はやがて茎に形状的に現れるだけなのか、小鳥はその差を見出してついばみ方に差を生じさせるのか、今から興味津々です。 |
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バーベキューはカフェのテラスで行いました。雨が予測されていましたから側にテントを運び込んであったのですが、むしろ夜空は晴れ上がる方向に変わりました。さわやかな涼しさとなり、火を使うパーティが心地よく感じられました。バーベキューの準備に入る前に、ニュージーランド旅行で撮った写真を見てもらいました。
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