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庭木の手入れと日本のほころび 06/10/29

 切り取った松の始末とクヌギ林の整備をすることにした1週間でしたが、日曜日の朝一番に手をつけた松の駒切れを割る作業にてこずり、計画を大幅に変えました。松の駒切れはさらに半分の丈に細切れにした上で割ることにしました。クヌギ林はこれまでに剪定した枝葉の始末にとどめ、最後の1本は後に回し、中庭のスモモの剪定を優先することにしたのです。最後の1本とは、40数年前に同じように植えたクヌギの苗木ですが、成長が遅れた1本です。他のクヌギの頭を切り取って日当たりがよくなったものですから急に背丈を伸ばし、頭を切り取る必要性が生じたのです。

 クヌギの最後の1本は、葉がまだ青かったので後に回し、落葉時期に入っていたスモモの剪定を先に回したのです。多くの葉を着けている間にスモモを剪定すれば、落ち葉掃除の手間が省けるだけでなく、樹勢を抑制できそうに思ったのです。また、クヌギは後に回しても、青い葉のうちに剪定できそうですから、樹勢を抑制しながら良い腐葉土をつくれるだけでなく、その枝を積み上げて放置し、葉が枯れて勝手に落ちるか否かを確かめられそうに思ったわけです。

 クヌギの枝葉の始末は大変でした。朝日を浴びながら枝葉を積んだ山の上に座り込み、枝を1本1本しごいて葉を落としはじめましたが、あまりにも単調な作業の反復でした。途中でガンジーを思い出したほどです。来る日も来る糸車を引いたマハトマ・ガンジーです。「愚公山を移す」の愚公も思い出しました。途中から下になっていた葉がすでに変色して葉が少し落ちやすくなっていたことに気付かされています。だから最後の1本は後に回し、中庭のスモモの剪定を優先することにしたのです。スモモの剪定は途中で日が落ちて中断しましたが、夕刻から手伝いに出た妻が、目の前でコゲラがイラガを食べる情景を目撃し、感動していました。1日がかりで葉をしごき終え、その葉を袋に詰めて腐葉土小屋に積み終えたときは、なぜかとても爽やかでした。

 実は、日曜日の夕刻以降は来客が続き、最後の一組とは夕食を共にしました。翌日は終日雨になったうえ夕刻から夕食まで付き合ってもらう友を得ました。しかも、火曜日の朝は妻に市民検診に誘われ、かくして丸2日近くが骨休めになったのです。それがよかったと思います。午後は途中で終わっていたスモモの剪定を仕上げ、水曜日の朝から泊りがけの出張にでたのですが、2日の骨休めがなければ腰痛だけでなく腱鞘炎にも悩まされていたようだ、と感じさせられています。

 泊りがけの出張と翌日の午前中を割いた大学の講義もよい骨休めになりました。でもそれは神経をとてもくたびれさせましたから、金曜日の午後は来客に2時間ばかり割いた後は庭に飛び出し、神経の疲れを解いています。囲炉裏場のクヌギ林に残っていた最後の一本の頭を落し、幹から枝を切り取り、葉が枝から自然に離れるか否かを確かめるために大きな枝は積み上げて残し、小枝の葉は袋に詰めて腐葉土小屋に積み上げました。週末は囲炉裏場の掃除に明け暮れたようなものです。スモノの剪定ででた枝や間引いた竹、葉をしごき取ったクヌギの枝などが山のように溜まっていました。だから朝一番に燃す下準備をし、夕刻に2時間余をかけて灰にしたのです。その間に、テンモクジオウの苗や、刺し芽で増やした夜香木の苗木などを鉢に本植えしています。

 今週は日本のほころびも感じています。高校必修科目の未履修事件が発覚し、妻に「出るわ出るわになるよ」と話したのですが、その通りになりました。実は火曜日の市民検診でも日本のほころびを感じています。アイトワの定休日で、しかも久しぶりで2人とも予定を入れていませんでした。だから両親の主治医であった町医者を訪ね、初めて市民検診を受けたのです。検尿、心電図、血圧、肥満度、血液検査が500円でした。しかし、来年が最後になると知らされたのです。予防や早期発見の力を抜けば、健保の財政破綻や医者不足問題をより深刻にすることでしょう。

スモモの剪定前と剪定後(上右)。切り取った枝(左)。広縁に木蔭を提供する役割を果たす樹形が整いましたから、樹勢の抑制に手をつけることにしました。剪定の後、広縁のガラス屋根の掃除もしました。デッキブラシと束子で汚れを洗い落としたわけです。
路地植えのダチュラ(エンジェルストランペット)が満開です。鉢植えと違って幹は枯れてしまい、生き残った根から毎年新芽を出すわけですから、花が咲くのが今頃になってしまいます。
ツワブキが咲き始めました。今年はツワブキの花のつきも悪いようです。
野バトのポッポが赤く実った山椒の実をついばみ始めています。かつてお伝えしましたが,山椒の実はよほど美味しいと見えて、わが家の庭では、ハトが枝にとまってまでついばむ唯一のケースです。
シイタケの冬子が出ました。残っていた古いホダ木が出したもので、まず焼いて味わい、残りは味噌汁の具になっていました。新しいホダ木は来春の春子から楽しめるのではないでしょうか。
金曜日の来客の一人に、今年の柿の葉寿司の写真を届けてもらいました。妻が演出をしたようですが、さすがはプロ、と感心させられました。これまでに時々庭で報道写真を撮っていただいた読売新聞大阪本社の写真部記者・大西健次さんの作品です。
週末の焚火は、少し短時間に多くの庭の残滓を燃し過ぎましたから、日陰を作らせるために残したクヌギの枝の幾本かを枯らした恐れがあります。