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アイトワ循環図
裏庭・きものショー・棄民  08/05/11

 裏庭の仕上げに手を付け、文化と創造性に心打たれた「きものショー」と、考え込まされた黒沢映画『我が青春にくいなし』で終わる1週間でした。来客と庭仕事日和にも恵まれました。

 裏庭は、高低差が9mある庭の一番高台にあり、裏山・小倉山に一番近い北西の角にある一角です。これまでは野草の天国にしていましたが、「こうなって欲しい」と願う完成図が頭に浮かびました。そこで、3年計画で仕上げ手を付けたのです。これまでは、ヤエムグラやキツネノボタンなど他の場所では蔓延させたくない野草を生き残らせる場の1つ、あるいはフキやミョウガなど山菜の生育場の1つでしたが、もう少し有効な生かし方をしたくなったのです。

 この計画は、2年前に、ヨモギやイラクサなどの山菜を移植したときに始まっていたようです。元をただせば、短大時代にキハダの苗木を植え、コゴミやエビネランの苗を植えたときに始まっていたのかもしれません。数年前から、ワラビとユキモチソウが自然生えしたことも大きな動機です。今週は、過日設けた階段を仕上げましたが、その最中で「こうなって欲しい」との構想が頭に浮かんだわけです。こしらえた階段が急勾配ですから、ふらついたときの備えが必要だと気付き、階段沿いに杖の代わりにする灌木を移植することにしました。それが構想させたわけです。早速、移植する灌木を物色しながら、マーガレットやホウキグサを移植しました。

 畑では、トウモロコシの苗を植え付け、島菜の跡を耕して灰だけまいてサツマイモのつるをさし、白菜の跡は肥料を入れて仕立て直し、京唐菜の苗を植えました。トウモロコシは、かつて水菜が植わっていたところにさしましたが、すでに畝に仕立て直してあり、その畝の半分にはすでにヤーコンを植えています。サツマイモは、痩せた土地の方が大きなイモが入りますから、灰だけまきました。京唐菜を植えた畝には、肩に残っていたチマサンチュの苗も植えました。

 温室では、種まきと鉢植え植物の移植をしました。種まきは、ポットで2度目のインゲンマメと異なる種類のトウモロコシの種を、平鉢でモロヘイヤの種を発芽させる作業です。このたびのトウモロコシは、昨年の雲南旅行でイ族の集落で手に入れた種です。鉢植え植物の移植は、2種のセージの鉢づくりです。1ヶ月ほど前に、プランターに挿した芽がうまく発根しましたので、テラスなどに飾る大きな鉢に定植したわけです。一抱えもある大きな鉢まで用いる大仕事でしたから、この鉢のままで向こう3年ほど植え替えずに済む工夫を試みました。3年後に報告します。

 サツマイモに用いた畝にあった島菜はすべて薹を立てていました。初めて栽培した品種ですから妻が手を出さなかったのです。かつて、初めてモロヘイヤを栽培したときも同じことで、初年度は食べず仕舞いでした。島菜を抜き捨てる前にまだ軟らかそうな花芽を収穫しておくと、妻はサラダに用いました。なんと、カラシナのような刺激があり、サラダにぴったりの野菜です。きっとモロヘイヤと同様に、我が家の定番になりそうです。問題は、たまたまカタログ販売で見つけた種でしたから、種が思ったように手に入るかどうかです。ホウレンソウを初収穫しましたが、はや薹が立ち始めていました。野菜不足の時期ですから、近日中に食べ切ります。

 来客は6件でした。市内に住む2組の家族、大阪からの講演依頼の相談、裏日本の友が京唐菜の苗を持参して泊まって帰るなど。トッテンさんの近著『愛国者の流儀』でアイトワを知ったという九州からの人に立ち寄ってもらえましたし、敬愛する有機栽培農家の夫婦が、新たな弟子だという若者2人を伴って予告もなく訪ねてもらえたりしました。外出は週末に1度。岐阜であった「きものショー」に参加しました。装賀きもの学院創立30周年式典と同時開催でしたが、1000何百人もが入る長良川国際会議場が満席でした。その夜、黒沢映画に考え込まされました

 
エビネランの手入れをしました。裏庭の階段を仕上げている最中に、かつて植えたエビネランが、繁殖したユキノシタやカキドウシに埋め尽くされ、退化していることに気付かされました。早速、周辺の野草を抜き、腐葉土を敷き、その上に発酵油滓をまきました。

カキドウシを焼酎漬けにしました。過日、裏庭で収穫し、干したカキドウシです。1ヶ月ほど前に伊藤忠時代の元部下が訪ねてくれましたが、打ち身やねんざの良い薬だと教えてくれたのです。いずれは、薬効分を吸い取った焼酎を細口瓶に移します。

エゴマを洗って干しました。昨年畑で自然生えした分です。これを種にして今年は栽培しようと思っていましたが、もう1年スキップです。これと、一昨年の残りで、十分使い切れないぐらいあります。ひょっとしたら、自然生えする分で、我が家の消費量は満たせるかもしれません。

干しあげたシイタケです。妻は、これで半年はもちそう、と言います。シイタケは、年に2度出ますから、次回に残る半年分を用意します。

ツタンカーメンのエンドウマメです。我が家から嫁入りしていた先が、届けてくださったものです。和歌山ではもう収穫期が終わったわけです。今年は、乾かした豆の保存の仕方を研究します。いかにして酸素を断つか、が課題のように思います。

アイトワの小径がきれいな時期の1つでしたが、はや終盤です。

温・故・知・新をうたった「きものショー」は大盛況でした。4000円の入場券が完売したとのことでしたが、その値打ちは十分以上でした。文化と創造の尊さを感じさせる催しで、3時間があアッという間に経過し、胸が熱くなりました。去る3月に、妻はきもの文化に想いを馳せた人形展を開きましたが、妻にも見せたかった。