アイトワのホームページ
アイトワ循環図
弱った体をだましながら 08/11/09

 フランスからの一行は、雨にたたられることもなくアイトワで3泊して、月曜日の朝から奈良へ移動しました。到着当日の苔香居での半日もよき思い出だったようですが、土曜日のアイトワ塾生が歓迎した夕食会はとてもにぎわいました。兄弟のような塾生たちに迎えられ、兄弟のように打ち解けることができた、との印象が返っていました。

 この間に某県庁の職員対象の説明つき庭めぐりに応じました。環境問題の権威者が引率された、手弁当の参加でしたから、とても建設的な話ができました。本当の人権や将来を見据えた行政のあり方から納税者の期待にまで話が広がり、真摯な態度の地方公務員に胸を打たれました。そこで、京都市の建蔽率運用上の手落ち小倉池の悲劇先週の事件などの例も示すと、「そのようなことがありうるのか」との驚きの声が返っていました。結局、軽食などの時間まで加えると4時間も滞在されていましたが、見送りに出たおりに「やる気が湧き上がった」とか「これからの仕事の方向や意義を見いだせた」などの声がでていた、と引率者から聞かしてもらいました。

 あるロータリークラブでスピーチもしました。変革の時代をうまく捉えたら、京都はとても有利に立ち回れる立場にあるはずです。課題は、時代の詠み方とこれから進むべき方向の見定め方だと思いますから、この2点を丁寧に説明しました。オバマさんじゃありませんが、リーダーが「チェンジ」と「イエス・ウイキャン」の意気込みと、明確な方向を標榜し、組織の心を一つにできれば、閉塞感をテコにして爆発的な力を発揮できる時ではないでしょうか。逆に、工業社会にこだわって保守にまわると、ジリ貧状態に追い込まれるに違いありません。

 体調はいまだにすっきりしません。気力は十分だし力も発揮できるのですが、すぐに息が上がってしまいます。ですから、カラダをだましながら、休み休み使わざるをえません。このような症状は初めてですから少し不気味です。畑では、苗床で育てた白菜の苗を畝の空いたところに、花キャベツの苗を鉢に、それぞれ植え替えたり、ナスビを抜いていつでも畝に仕立て直せるようにしたり、エゴマの収穫やエンドウマメをポットにまいたりしました。庭仕事は、ゆっくり一輪車を操作しながら、花が終わった鉢植えをテラスから引き上げたり、薪を風呂焚き場に運び込んだりしただけで終わりました。一刻も早くスモモの剪定をしたいものです。

 次の本に関しては、4点のイラストを描き、300字ほどのコラムを2つ作りました。久しぶりに絵筆を持ちましたが、時々絵筆を振るうのもいいものだなあと感じました。いつでも絵筆をふるえるコーナーをどこかに作ってみようかな、などと考え始めています。

 とてもうれしい贈り物や寄稿や講演の依頼もありました。ありがたい贈り物は「源平いも」というジャガイモの一種、手編みの部屋履き、そして南方の果物です。寄稿はある雑誌の特集で、1月発売です。講演の依頼と同様に、これまでの社会は一種の罠であったと見る人から、「家」に焦点を絞った意見を開陳してほしい、との依頼です。それは2月に出る次の本を作りたくなった動機を綴るようなものですから、こんなにありがたい話はなく、勇んで取り組み始めました。

 オバマ大統領の誕生もうれしいニュースでした。ブッシュは、アメリカが長年にわたって築き上げた信用と威信をつぶしましたが、オバマの当選で半分はリカバーできたでしょう。オバマが暗殺されず、アメリカの手でブッシュを弾劾すれば、アメリカは見直されることはしょう。わが国では幹部自衛官が、政府の意見と異なる好戦的な論文をあらわにしました。まるで独善的な軍人が暴走した東條時代です。麻生さんはどう断罪するか。それいかんで、自衛隊は名目に過ぎず、実質は軍隊で、侵略を肯定する旧軍隊の焼き直しであったと証明することになりそうです。
 
フランス一行の、最終日の朝食。チェンバロの名手でコンセルバトワールの教授、多国語でギリシャ哲学を説く教授、元数学の教授、そしてかつてウンガロのチーフデザイナーをしていたパリ在住の日本人など、多彩な人たちでしたから、とてもにぎやかでした。

次の本の挿絵としてイラストを4点描き、編集者に送りました。残念ながら、そのうちの1点、左上の線描きの水の循環図は面白くないということで描き直すことになり、悪戦苦闘しました。

源平いも。徳島県の剣山周辺の山村に伝わるジャガイモで、平家の一族が都を追われてこの地に落ちのびて伝えたのが始まりとか。小さなイモですが、早速調理をしてみて、営々と作り続けてきたわけがわかりました。今年は美味しいジャガイモに恵まれた年になりました。ちなみに、ジャガイモはコロンブスがアメリカ大陸に上陸し、先住民から手に入れて欧州に持ち帰っています。それは平家が四国に落ち延びる300年以上も後のことです。

部屋履き。私は部屋の中でスリッパを履くのが面倒ですから、太い毛糸で編んだ部屋履きがほしかったのです。大喜びしました。

南方の果物。味に覚えがあるのは2種だけで、他は未体験ですから興味津々です。

金曜日に収穫した菜。畑では小さく見えるのですが、台所に持ち込むとびっくりします。これは自然交配した自然生えの菜とみました。

最初に届いた忌中の知らせ。ほのぼのとした気分にされました。このたびも忌中の知らせがたくさん届くのでしょうか。