アイトワのホームページ
アイトワ循環図
超多忙とバタンキュー 09/06/07

 この1週間は「歳だなあ」と思い知らされることから始まり、ホトトギスは夜半の3時ごろから鳴いていたことに気付くことで終わったようなものです。

 先週は月曜と水曜の2回にわたって庭仕事の助っ人を得ましたが、その2日はともに若い人と一緒に終日庭仕事に当たりました。その疲れが週末から今週はじめにかけてドッと出たのです。先週末の土曜の朝から四国へ1泊旅行に出かけましたが、往復とも高速バスの中で寝込んでしまい、長いつり橋を渡った記憶がまったくないのです。

 この小旅行を思い立ったのは、友人の1人から大塚国際美術館(徳島県鳴門市)を訪ねようと誘われたからです。ならば「イサム・ノグチ庭園美術館(香川県高松市)とモラエス館(徳島県徳島市)も」と願い、妻も誘って3人で、商社時代の先輩の奥さんの世話になることにしました。また、徳島県鳴門市は母の出生地ですから、もう1つの願いを胸に秘めて出かけました。

 この先輩は、出身地の香川県(東かがわ市)に終の棲家を設けながら夭逝しました。その没後、この奥さんが来訪され、付き合いが始まり、かつて妻と四国に招かれたことがあります。そのようなわけで、このたびの四国旅行も2日にわたって案内役を買ってもらえました。おかげで、心に秘めていたもう1つの願いも半ば果たせましたし、友人が大塚美国際術館を再訪したがったわけも分かったような心境になりましたし、予期せぬ出会いにも恵まれました。

 その後、この1週間は目が回るような忙しさになりました。庭仕事では、まず先週から手をつけた庭の一角の改造作業の続きです。切り倒したままになっていた楓の処分、数本の椿の剪定、いただきもののコシアブラの苗木の植え付けなどです。畑仕事では、ジュウロクササゲ、ヘチマ、ナスビ、キュウリ、そしてトウガラシの畝に支柱を立て、逆に収穫が終わったエンドウマメの支柱とサクランボの木にかぶせてあった防鳥ネットの支柱を解体しています。

 次いでニンニクとハニンニクを収穫し、そのあとを耕して義妹からもらったトマトの苗を植えつけました。その折に、先に植えたトマトがずいぶん大きくなり、幹が幾本かに枝分かれしていたことを知り、追加の支柱を立て、幹を結わえ付けています。さらに先週耕した畝にゴーヤとモロヘイヤの苗も植え付けましたし、自生した交配野菜の種も収穫しています。この間に畑ではズッキーニとニンジンの花が、庭ではイワタバコの花が咲き始めました。

 この合間は、来客につぐ来客でした。まず、昨年の9月に来日したリズ一家が帰米することになり、挨拶に来ました。次いで角倉プロジェクト関連の打ち合わせの来客、アイトワで写真展を皆既日食の日から1週間開くことになっている友人の来訪。さらに昨年から付き合いが始まった雑誌ライターの来訪や、過日大きな鉞を持参してくださった大工さんが今度はかわいい手斧を手土産に、木材関係の仕事に携わっている友人連れでの来訪、と続いたのです。

 その締めくくりは、木曜日の昼に商社時代の後輩が友禅染め作家の奥さんと共通の友人を連れで訪ねてくれたことに始まり、土曜日の夜に終る3日間でした。同志社大学院でのゲストスピーカーを引き受けた関係で知り合えた人や、ゲストスピーカーの私がゲストとして招くことになった2人の経営者などとの交友、京都市が後援した週末のシンポジュームの後、先に触れた商社時代の後輩に招かれた夕食へ、と続いたのです。わが家で東京から集った人たちに宿っていただいた関係で、この間の8食のうち7食はこうした人たちとの楽しい会話を交えた食事となりました。

 そのようなわけで、週末は風呂にも入らずに10時前からバタンキューでした。ですから夜半の3時に目覚めてしまい、ホトトギスが鳴いていたことに気付いた次第です。

 
伐採したままになっていた楓の処分に手を付け、薪づくりにも精を出しました。

椿の剪定。庭の中央部の日当たりをよくして、ミヤコワスレなど草花を群生させようとしていますが、その一環として椿の背丈を1m以上縮めることにしました。これも老齢化対策です。高い脚立にのぼる作業は次第にしんどくなるに違いありませんから。

今週のテーブルや洗面台を飾った花。ニンジンやセージの一種が咲き始めました。ミツバ、ケシ、ラベンダーなどは盛りです。

かわいい手斧をもらいました。相当使い込まれていますが、どのような人の手を経てわが家にたどりついたのか、そしてこれからも旅を続け、いかに活かされることになるのか、興味津々です。私は風呂焚き場で、焚き付けにする竹を小割りするときに重宝しそうだ、と思っています。写真右の上のヨキは、私が薪割りに愛用しているものです。
ビル・トッテンさん(同志社大学院でゲストがまねくゲストに応じていただいた経営者の1人)の奥さんは芸術家です。彼女が絵付けをした食器も出品された展示会も訪れました。

北海道の友人から今年もハマボウフウが届きました。毎年10軒ほどに分けて賞味することにしています。

献本にも恵まれた1週間でした。親友から「もっと早く読みたかったなあ」と現役時代を痛切に思い返させられた一書を、1本の映画が取り持った仲の友人からは、その映画をありありと思い返させられる1書を、そして週末のシンポジュームではその処女作でアイトワも採り上げてもらった人と再会し、近著をもらいました。彼女は「森は五感のゆりかご」という言葉を教えてくれました。