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水難とサル 09/08/02

 このところの異常な雨で、またぞろ想定外のことが生じました。人形工房で生じた水難の原因が分かったかと思うまもなく、玄関の大甕に相当量の水が溜まっていたのです。雨が降り込まない「庇(ひさし)の内側なのに」と妻は不思議がりましたが、原因は単純でした。問題は、共に雨の降り方にあったことです。気候変動のせいか、瞬間的な豪雨が生じさせた一時的現象でした。

 新聞報道によれば、近年の雨は異常です。危惧していたより困ったことが生じています。つまり、スコールのような雨が短時間に集中するだけでなく、年間総降雨量が減少傾向にある、ということです。もしそれが事実なら、いずれ日本は深刻な水問題に直面しかねません。

 かつて高名な外国人が、日本の川は「まるで滝のよう(に急峻)だ」と語っています。その地形と近年の国土開発のありようが、最近のカラカラ天気とドシャ降りの繰り返しとあいまって、土砂崩れや土石流、洪水や冠水などさまざまな水問題に結び付けているのでしょう。それは土壌の吸水と保水能力を機能麻痺させていることが原因でしょう。しかし、これは序の口で、やがては地下水不足だけでなく、次第に土地が痩せるという深刻な問題に直面するに違いありません。

 近年の国土開発は、人口を都市集中させ、山間地での耕作放棄や樹種の偏重を進めながら、河川の3面張り化をおし進めました。それは水田や落葉樹林などが果たしていた貯水能力や吸水能力などを無視したうえに、河川を樋のようにして雨水を一気に海に捨て去る考え方でしょう。これは洪水などっを生じさせて当然ですし、やがては地下水不足問題にまで結びつけることでしょう。

 もともと日本は水不足問題に脅かされかねない国です。つまり、年間総降水量は世界の平均をはるかに上回っているのに、国土が狭くて人口が多いために、国民1人あたりの降水量は世界の平均をかなり下回っているからです。その上に地下水まで枯渇させたらどうなるのか。

 それはともかくとして、人形工房で生じた水難は、私が推測したとおりでした。豪雨が一時的に生じさせた配水管の逆流現象でした。他方、大甕で生じた水難は、その甕にいれてある鉢植えの観葉植物が原因でした。つまり、樋からあふれ出た雨水が、その葉をつたって甕に入り込んだわけです。要は、記録破りの短時間の大雨が、思わぬ弊害の元凶でした。そうとわかりましたから、わが家では向こう2年ほどかけてわが家なりの対策を工夫することにしました。

 この1週間は、雨天と水難問題だけでなく、野生ザルの出没問題にくわえ、外出や来客が重なり、庭仕事にはあまり時間を避けませんでした。畑では第2次のナスの枝を吊るし上げ、ヘチマや第2次のインゲンマメなどのつるを整え、コイモやトウガラシを日陰にし始めた自生のホウセンカを抜き去る作業、あるいは冬野菜用の畝作りに手をつけたぐらいです。冬野菜用の畝作りで、まず手をつけたのは、第1次のインゲンマメの跡を畝に仕立て直す作業でした。温室では鉢植えのアサガオやルコウソウの徒長したつるを解いて支柱に絡みなおさせる作業でした。

 この間に、とても有意義と思う3つの仕事に関わりました。その内容はおいおい触れることになりそうですが、世の中の閉塞感の解消や、自力本願で幸せや豊かさを手に入れようとする人にとって福音になれば、と願っています。逆に、6年ほど続けた非常勤講師の契約更新を断りました。

 雨にたたられたSunQ展は無事に終わりました。ヘチマの収穫が始まりました。まもなくオクラの収穫も始まりそうです。逆に今年はトマトやズッキーニが惨めな状態になっています。また、ナスビは草食性のテントウムシに悩まされています。一帯ではニイニイゼミとヒグラシに加えてアブラゼミが合唱に加わりました。ウグイスはさえずり続けていますがホトトギスは鳴きやみました。代わってコジュケイが賑やかなこと。
 
先週のアオバヅクの「こどもがでてきました」といって三崎さんに写真を届けてもらいました。まだ幼い声で・少し高くて「ホホ、ホホ」と鳴いているのはこの兄弟でしょう。

この大きな甕の底に、深さ20cmほどの水が溜まっていました。玄関の屋根は狭いのに、そこに降りそそいだ雨水が樋をオーバーフローし、観葉植物に降り注ぎ、その葉をつたって甕に雨水を流れ込ませたわけです。この大甕はディスプレイにしているに過ぎませんが、これを契機に実生活に生かしたくなりました。

ヤマボウシの実が熟れる時期です。枝にある間は小鳥につつかれ、落ちてからはアリに狙われています。この実には幾つかの黒くて小さな種が入っていますが、それを小鳥によって山に運ばせ、山に落葉樹を増やさせたいものです。

ピンク色のイワタバコが咲く時期です。白い花のほうはずいぶん以前におわっています。色違いのイワタバコと思っていたのですが、葉の形状も異なりますし、こうも開花時期に差がつくのですから別種なのかもしれません。

ヘチマやゴーヤの花が満開です。今年はヘチマとゴーヤを同じ棚にのぼらせていますし、隣の畝でジュウロクササゲを育てていますから、やがてはこの3種が一緒になって絡み合うことになりそうです。

冬野菜の準備を始めました。その反面で、義妹がキュウリの苗をくれましたから、第3次のキュウリとして植えつけました。これが最後の夏野菜の苗の植え付けになることでしょう。

北海道の友だちが「ホッカイシマエビ」をこの夏も送ってくれました。初なりのヘチマはあんかけになりました。いまのところヘチマには、あんかけが一番適した調理法、と見ています。 美味しいワインの栓を抜き、妻とグラスを傾けました。近頃は、清酒よりワインを選ぶ日が増えています。妻もワインのほうが進むようです。