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エコトピアと創造能力 09/11/01
出張に始まり出張に終ったような1週間でした。25日の日曜日の朝から丹後に出かけ、11月1日月曜日の昼食前に山形県の米沢から帰りついたのです。丹後ではいつもの施設で1泊し、米沢では同じ旅館で延べ4日・67時間も逗留しました。その間の在宅時間は2日半に過ぎません。
丹後はNPO法人地球デザインスクールの理事会出席でしたが、恥ずかしいことから始まりました。特急列車を乗り間違ったのです。しかし、ちょっと誇らしげな気分を味わうことで終わっています。なぜなら、公園の一角にアイトワのコンセプトを生かしてもらえそうな雲行きになったからです。その誇らしげな気分で急ぎ帰宅し、かねてから約束していた来客を受け入れました。他府県の図書館の職員など4人の女性です。知人を介して『京都嵐山エコトピアだより』で知ったエコトピアの見学を希望されていたのです。その中の1人は、敗戦国から出直したドイツでの滞在経験者でしたから、彼我の環境意識の差も話題にのぼり、とても楽しいひと時になりました。
米沢旅行は、5週間前から急遽計画したもので、その中身はおいおい触れます。ここでは丹後に出かける前日の2つの眼の保養、丹後で滞在した21時間、そして2日半に過ぎなかった在宅中のことをとりあげます。眼の保養とは、1つは妻が気付いた庭のネズミの母性愛であり、2つ目は先週の来客・フィリピンの孤島のオーナーが引き出した人間の創造能力です。妻は小さなネズミが4匹の子どもを移動させている場面に出くわし、私に知らせました。妻はそこに母性愛を見いだし、私は本能と見て取りました。フィリピンにおける人間の創造能力とは、300人ほど住み着いていた原住民のうちの女性たちにパッチワークの技術だけ教え、めいめい発揮させた能力のことです。
丹後の理事会では、エコトピアという言葉が話題にのぼりました。エコロジカルなユートピア・いわば環境面から見た理想郷の定義です。私は、未来世代が演じうる望ましきライフスタイルを頭に描きながら意見を述べました。その根本は、喜びの対象が、消費の喜びから創造の喜びに転換することです。消費の喜びに偏重すると制御能力を見失いかねない、と私は見ています。これまでの環境破壊「好き放題」の生き方は、その結果ではないでしょうか。未来世代は、その限界を思い知らされ、さまざまなタガに縛られるに違いありません。しかし、それが各人にうるわしき利他の心に目覚めさせ、創造力を発揮させあうに違いない、と思うのです。さもなければ、限られた資源や環境容量などを奪い合う暴力的な世界です。人間はそこまで愚かではないでしょう。
実は、このような思いが幾度目かの米沢旅行を思い立たせました。上杉藩の人たちが江戸時代に演じたライフスタイルの再調査です。今流に言えば、月収120万円から30万円に切り下げられながら扶養家族を減らさず、より誇り高い生き方を手に入れていたように見ているからです。そこに、エコトピアに通じる学ぶべきヒントが隠されているように見ています。
在宅時間の2日半は目が回るような忙しさでした。ドイツ人と日本人の環境意識の差も話題になった来客のほかに、米沢旅行の手配と準備、コンパクトにアイトワのエコライフガーデンを紹介するパンフレットの最終校正、そして今が適時の庭仕事などに追われたからです。畑では第2次のナスビの畝をタマネギの畝として仕立て直しました。温室では、7つの鉢植えを造りました。アカンサスの鉢、2つの寄せ植え、そしてパンジーの苗を買い求めて4つの長鉢に植えつけました。アカンサスの鉢と2つの寄せ植えは早速テラスにデビューさせています。
今週もうれしい献本や贈り物に恵まれました。とりわけ京都在住の親友の1人がものにした本、秋田の「きりたんぽ」や「もってのほか」、そして北海道の生シャケが嬉しかった。生シャケは、急遽私が研いだ包丁で解体され、ご近所のお世話になっている人たちに配られています。
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たまたま居合わせた友人が携帯電話でネズミの赤子を撮ってくれました。写真は母ネズミが落とした2匹のうちの1匹です。この1匹は最期にくわえて連れ去ってもらっています。この間の光景に、妻は母ネズミの母性愛を見たように思ったわけです。 |
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見学したパッチワーク展の会場風景。この展のカタログを見た瞬間、妻は「見に行きたい」と叫びました。代わって私が駆けつけ、何が妻の心を打ったのか、確かめようと試みたわけです。 |
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エコトピアのモデルの1つを造る候補地での記念撮影。丹後の施設で6時前に起床し、朝食前に雨をついて出かけ、候補地選びにました。最初に案内されたところが、私がめぼしをつけていたところでしたからとても嬉しかった。 |
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楽しい献本が続きました。左から、先週もらった図録と一書、今週もらった1書、そして先々週もらった1書です。この4書に共通することはエコトピアを考える上でとても大切な内容に満ち溢れていることです。京都の親友の一書は、これからの世の中を展望し、そこで求められるであろう個人の生き方と企業経営のあり方に切り込んでおり、あとの3書の価値をよりリアルに高めたように感じました。 |
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冷凍で届いた生シャケ。腹には「いくら」が詰まっていました。新鮮な魚は匂いがしないのでしょうか。内臓は犬の餌として調理しましたが、匂いがまったくしませんでした。凍ったまま刺身にして食べる「ルイベを楽しめそう」と見て取り、少しずつ大勢で分け合いました。 |
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仕立て上げた3つの鉢。アカンサスは初めて育てることになりましたが、ものすごく旺盛な植物のようです。寒さに対してどうなのかなど、知りたいことがいっぱいあります。ギリシャやローマの円柱飾りが実に見事にデフォルメしていたことを知り、来客とこの知る喜びを共有したくてテラスにデビューさせました。 |
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真っ赤になったナナカマド。米沢では紅葉が盛りに入っていました。4日ぶりに帰った小倉山近辺でも紅葉が始まっていました。 |
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