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アイトワ循環図
3本の木、牛、そしてハチ 10/09/05
 
  悲喜こもごもの週初めでした。悲はニホンミツバチに異常が生じたことであり、喜は乙佳さんが楽しい人たちと連れ立って訪ねてくれたことです。楽しい人たちとは、今では日英間を行ったり来たりする身のイギリス人芸術家と結婚した女性と、乙佳さんの留学時代の友だち夫婦で、菜園づくりをする生活に踏み出すか否かを思案中です。

 この4人と水町さんを交え、6人で午後のお茶の時間を設けました。とりわけ水町さんには、イギリスの郊外で25年も家庭を築いてきた女性の話が参考になったことでしょう。毎年1頭の牛を買ってお隣と二等分し、血の一滴まで食材として活かす話もありました。これは、わが家でホームステイした1人のアメリカ人女子大生の話と同じでした。この女子大生の生家はニューイングランドで、その父は大学の学長でしたが、若い頃に広大な森林を買い求め、終の住処を造り上げた人です。私はそのお宅で真夏の何日かを過ごしたことがありますが、その父親は調理ストーブをもちいて朝食を用意するのが担当でした。

 養蜂の師匠に電話を入れ、ニホンミツバチが居なくなったようだと伝えました。このところの異常な暑さで多くの巣箱が見捨てられているそうです。しかし、淡い期待を持って翌朝を待ちました。真夏は昼間の活動を控え、朝夕だけ動くこともあると聴いたからです。

 翌月曜日の朝は4時に起き出し、ツクツクボーシが鳴き始めた5時半まで巣箱の様子を伺い、逃げられたことを確認しました。7時半を待って再び師匠に電話を入れ、指示を仰ぎ、ミツバチの巣だけでなく巣箱まで巣虫に食い荒らさないように巣箱の掃除をすることになりました。その過程で、巣箱が放棄された訳を特定できたように思います。暑さと巣虫のダブルパンチです。これから、夏に分蜂する一群がこの巣箱を棲み着いてくれることを期待して待ち、それがだめなら来春の分蜂期まで待たなければなりません。

 他にもトピックニュースが多々あった1週間でした。まず庭仕事では、日曜日の水町さんと月曜日の大学生の助っ人のおかげで、気になっていた3本の庭木を切り取ることができました。畑では、小松菜、人参、そしてホウレンソウの種をまき、ネギの苗を植えつけています。また、友人夫妻と落ちあって夕食を共にする機会を2度も得ましたし、知友の願いに応えて一緒に天竜寺の要人を訪問しています。さらに、先週のアイトワ塾では西郷隆盛を取り上げたのですが、このたび鹿児島大学の教員に訪ねてもらえたものですから、西郷さんの人物像に迫りやすい立場をうらやんでいます。歴史に「もし」は禁句でしょうが、西郷さんが生きておれば、その後の日本は大きく異なる望ましき道を歩んでいたことでしょう。また、今こそ西郷さんのような人が求められている、と思われます。

 気になっていた3本の庭木の切り取りは、半ばは水町さんのおかげです。まず水町さんが囲炉裏場にあった杉の枝葉を移動させてくれたおかげで、新たに切り取った木の枝葉などを積み上げるスペースができました。そして週末には、また水町さんに手伝ってもらって新たに積み上げた木の枝葉をあらかた片付けられました。おかげで囲炉裏場は、翌週末のアイトワ塾のバーベキューまでに掃除をし終えられる、との見通しが立ちました。

 それにしても厳しい日照りの1週間でした。3日の金曜日は、肌寒さで目覚めたのですが、その後の直射日光は異常なまでに強くなり、あわてて妻と2人で大根、白菜、そしてブロッコリーの畝に日照量を減らす紗をかけ、ポットで育てている野菜の苗を日陰に取り込んでいます。9月になってこれほど強い光線を体験したのは初めてのように思います。

 
ミツバチの巣箱は空になり、元の2段にもどりました。そして、「この(ミツバチがおらず、気がかりにさせずに済む)間に」とばかりに、2つの念願に手をつけました。1つは側に生えているキンモクセイの切り取り、2つ目は巣箱の周辺に散乱していた石拾いです。この石は、学生が土手を削って敷いてくれた赤土に混じっていたものですから、往年の母を偲ばせました。母もその昔は、こうした石だらけの土地を開墾したのでしょう。

元気すぎた常緑樹のキンモクセイと枝葉を切り取ったあと●。巣箱の東北方向3mほどのところに生えていますが、いずれ幹まで切り取ろうと思っています。この木の側に自然生えしたエゴの木と競いあうようになり、落葉樹のエゴの木の方を優先し、キンモクセイを切り取ることにしたわけです。この両者の花は、ともにミツバチにとってはよき蜜源だと思います。

切り取った楓の根元。学生に幹だけ残して切り取ってもらい、翌日、エンジンソーで根元から幹を切り取りました。案の定、心配していたことが生じていたわけです。

久しぶりで同志社大学を訪ね、ある歓迎パーティーのオープニングで披露された狂言を鑑賞させてもらいました。現在、イタリヤのスローフード協会が創設した大学から20名近い学生が派遣されて来ています。

スモモにケムシがわいていたことに妻が気づき、枝ごと切り取って退治しています。これ以上にケムシが育つと、固まって葉を食べる生活から散らばって生きる方式に切り替えますから、手に負えなくなります。もちろん、下から見たのでは目がとどかない部分でも発生していることでしょうが、その多くは小鳥の餌になるでしょう。

落ちてきたアシナガバチの巣。庭仕事をしていたときに風もないのに落ちてきました。よく見ると、ニホンミツバチの巣で見覚えた巣虫の食害に気付かされました。この巣の持主は、巣を放棄したのでしょう。もう1の興味は、この巣も新築部分に黄色い建材を用いていることです。それはどこから調達してのか、気がかりです。

週末の朝食は手焼きのパンを生かした洋食でした。金曜日に、家族づき合いをしている親友夫妻と夕食を共にしましたが、そのおりにもらったパンで、2つもらったもう一方は、翌週初めから味合わさせてもらうことになっています。