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生き抜く準備と覚悟
11/06/05
6月1日、週の中日は雨で明けました。前半の3日間は日帰り出張が続き、「雨もまたよし」と構えていたのですが、中日以降は晴になって欲しかった。週初めの台風のような強い風雨で、庭や畑がさんざんな姿になっていたからです。枯れ枝が庭中に落ちて散らかり、畑の支柱やケシなど背の高い植物がことごとく倒されていました。
3日続きの日帰り出張、まず日曜日は丹後出張でした。強い風で大荒れの海を見て「なるほど」と感心しています。新聞で、大津波の後も「気仙沼の鳴き砂が鳴いた」と知り、信じがたかったのですが、丹後の荒れた波打ち際を見て「さもありなん」と得心です。帰路の列車は強風の余波で大幅にみだれ、庭の惨状を心配しています。
月曜日は雨勝ちの曇天の中、大垣に日帰りです。帰途、京都市内で久しぶりの楽しい集いに招かれていました。大垣へは荒れた庭を横目にみながら出かけ、大勢の顔見知りと会いました。京都の楽しい集いでは知友手作りの美味しい魚料理を満喫し、深夜に帰宅。
火曜日も曇天。午前中は通院に割き、午後は大阪で諸用です。大阪の知友と待ち合わせ、一献傾けました。歓談はつきず、梅田まで久しぶりで地下鉄1駅分を歩きました。なんと地上から展望する梅田近辺は摩天楼のようになっていたのです。百貨店が乱立です。実業家の蛮勇に驚きながら、雲がたれこめた空を見上げ、翌日の快晴を願っています。
翌水曜日は雨で良かったのです。加齢を思い知らされました。3日続きの外出がこたえたのか、メダカや金魚に餌をやって回るのさえ億劫でした。そうと見て取った妻に、昼寝を勧められました。倒れたエンドウの支柱を立て直す気力さえありませんでした。
曇天で明けた木曜日。少し無理をして畑に出ました。それは前日の幾つも重なった嬉しいことが背を押したのでしょう。まず早朝に、1月に訪れたNZの図書館に、拙著が2冊も入ったことを知らされています。午後、『エコトピアだより』で知ったという幼子連れの若い夫婦を迎えました。前の道を偶然通りかかった、とのパン職人でした。夕食では、初めて口にしたキンメダイの美味しさに感激。就寝前に、娘を持った父親のような気分になっています。妻の四国の生徒さんが、泊まりがけで補習にみえたのですが、楽しいお酒をたしなむ人でした。今はなき父親から、飲んでよい酒量を自覚せよ、と二十歳になる前に酒を教えられたとか。もし私に娘がいたら、同じ準備をさせていたことでしょう。
金曜日から週末にかけては陽が射しました。木曜日が予行演習かのようになり、両日共にほぼ庭で過ごしました。問題は、イノシシに好き放題に荒らされていながら、進入口が分からないことです。侵入したことを悔やませるワナのワイヤーさえ切らしていたのです。
3日共に、ハッピーを土の上に連れ出すことから始めています。倒れたエンドウマメの支柱の立て直し。気に入ったケシの種を取るために目印の支柱立て。サクランボの防鳥ネットの取り外し。三度豆と十六ササゲの畝に支柱立て。さらに、トマトの畝には支柱を立て、キュウリの畝は除草し、トウモロコシ用の畝には3本しか出なかった苗を植えつけ、この3畝を防鳥ネットでスッポリ取り囲む準備完了。すっかり畑は夏姿になりました。
この合間に、4年前に記した短い原稿の校正に時間を掛けながら、前週末に受けた取材原稿の確認をしており、時のうつろいに思いを馳せ、感慨深げになっています。
妻は、人形創り人形教室の合間を縫って、落ち枝の掃除。除草。山椒の実を収穫して保存。金柑はマーマレードに。そして最後は囲炉裏場での焚き火などに当たっています。
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丹後の海は終日荒れていましたが、夕刻に見たときも、濁っている所はなぜか波打ち際だけでした。 |
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長けたアイトワ菜もすっかり倒れていました。種を取るために袋をかけた分だけでなく、小鳥の取り分も立て直しました。この種を狙って例年やって来る小鳥が、待ち構えていたかのようについばみ始める姿に、しばし目を細めました。 |
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みごとな海産物をいただきました。キンメダイを初めて口にしましたが、煮物にしても焼いても美味しかった。 |
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イノシシには腹がたちます。今年のタケノコは全滅でしょう。まだ頭を出していない分まで嗅ぎ分けて掘り出しています。ミミズやカブトムシの幼虫を狙って堆肥の山を崩しますから、やむをえず堆肥の山をレースカーテンで囲んでみました。苔や畑の畝も、幾匹かのミミズを取るために、ブルドーザーのようにヒックリ返します。 |
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畑には次々と支柱が立ち、すっかり夏化粧です。トマト、キュウリ、そしてトウモロコシなど、カラスやサルに狙われる作物を一箇所にまとめて植え、防鳥ネットで取り囲めるように工夫しました。問題は、キュウリやトマトは連作を好みませんから、まとめて育てる場所を、計画的に確保し続けるのに苦労しそうです。 |
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晩稲(おくて)のタマネギを収穫。日陰で育てましたから大きな玉になりませんでした。少なめに使っても半年程度しかもたないでしょう。収穫した日は、小さな1つをスライスオニオンにして、ビールを楽しみました。 |
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週末最後の妻の仕事は焚き火でした。嵐が落とした枯れ枝を拾い集め、倒した草木を刈り取り、囲炉裏場に集めておいたのですが、半ば乾いたとみて燃やしていました。前もって、杉の枝葉は風呂の焚付に、常緑樹の落ち葉は腐葉土に、あるいは竹の葉は畝のマルチングに、と生かしておいてよかった、と思いました、その残りの燃料にするのも面倒な分をぶんだけ燃やした勘定です。 |
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