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基本的人権 12/06/17

 若者との触れ合いと初物の賞味から始まったような1週間でした。日曜日は、初物のキュウリの浅漬を味わう朝食で明け、3人の助っ人学生を迎えています。その前日は、丹波での田植祭に出かけており、150人からの若者を前にして想いを語る機会を与えられています。そしてその夜に、庭で初収穫した夏野菜・ナスの試し漬けを吟味しています。

 いよいよ夏野菜の季節が始まったわけです。この時期になると、生まれて初めて自分で育てた作物の味をいつも思い出します。それは2切れのキュウリの浅漬けにすぎませんが、味だけでなく生きる自信のようなものも感じ取っています。この感覚を3人の学生と共有したくて、午後のオヤツは草餅にしました。午前中に、学生と一緒に庭でヨモギを摘み、妻の世話になったわけです。この感覚とは、大げさですが基本的人権の根本です。

 3人の学生に用意した仕事は5つでしたが、富美男さんに訪ねてもらえたおかげでコトがとても効果的に運んだように思います。つまり、作業の意図や意義だけでなく、あるいはやり遂げる技術とかコツだけでなく、人間が生きてきた年月の意義や、生きる自信とか実感のようなものも味わってもらえたのではないか。いや、感じてもらいたくて、学生を見送った後も、学生を次回迎える機会を意識した日々を過ごしています。

 学生に用意した5つの仕事とは、1本の苗木の植え付け、1本の古竹の切り取り、1本の高木の枝落とし、そして石畳道の加齢対策などでしたが、残る1つは、急遽タケの皆伐作業と差し替えています。結果、1本のムクロジの苗木の植え付けは完了。1本の古竹の切り取りでは、3人の学生にロートルの経験に裏打ちされた力に驚嘆してもらえたと思います。しかし、残る3つは、取り組んでもらった意図や意義などを鮮明にしたくて、あるいは3人の学生が目醒はじめた(かに見える)美意識に火をつけたくて、あえて中断して帰ってもらいました。そして翌月曜日に、まず高木の枝落としの作業を完了させています。

 週の中3日は泊まりがけの出張でした。その間に、インゲンマメと万願寺トウガラシの収穫が始まっていました。火曜日に雨がたっぷり降り、水曜日にキュウリがカラスに襲われていました。そして週末は雨模様との予報でしたから、金曜日は朝食後すぐに庭に飛び出し、雲行きを見ながら仕事を始め、結局、夜の8時まで庭で過ごしています。

 2種のエンドウマメの支柱を解体し、その竹を活かしでジュウロクササゲと第2陣のインゲンマメの支柱を組みました。週初めに用意してあった畝に、自分で育てたシカクマメとゴーヤの苗、トッテンさんにもらったピーナッツの種、そして義妹にもらった聖護院ウリの苗を植え付けました。カラス対策の防鳥ネットを張るための下ごしらえに、随分時間をとられました。義妹はキュウリの苗もくれましたから、その畝の用意、あるいは母が残した鉢植えの女郎花の手入れにも時間を割きました。妻は3匹の犬の散歩を終えた後、草刈りに精を出していました。野菜の収穫時に足元を濡らさないためです。最期に手を付けた仕事は、3鉢のランタナと2鉢のホウキグサをカフェテラスにデヴューさせる作業でしたが、その途中で潜んでいるウシガエルを見つけ、捕らえました。

 土曜日は、前夜からの雨が降り続いていましたので、昼寝の準備をしてもらった上で書斎にこもりました。結局、熱いうどんを用意してもらった昼食後も横にならず、溜まっていたデスクワークに没頭です。途中で2度ばかり降り止みましたが、その間にキュウリの苗を植え付けたり、取り込み忘れていたものを仕舞いこんだりしただけです。
 

 

初物の四葉キュウリ、2つ目のナスビ、そして一緒に漬けたダイコンとキャベツが日曜日の朝食に出ました。初生りのナスビは、糠床を調整するために生かされ、前日の夕飯で味わいました。月曜日にカラスの被害を、火曜日はモリアオガエルを目にし、木曜日にノインゲンマメを初収穫、そして金曜日に捕まえたウシガエル。

週初めに、モミジのトンネルの下枝整理にも時間を割いています。わが家では3本のモミジのトンネルを作っていますが、その内の2本の道を演出している40本ほどの楓の整備をしたわけです。

シイタケとナメコのホタ木を本伏せするところはムベの棚の下ですから、週初めに遮光ネットをその棚を活かして張っています●。ここを恒久の場と決めましたから、水道水に頼らずに、雨水を活かして保湿させる工夫をしたく思っています。

月曜日に、クヌギの枝落としを完成させています。この仕事をイキナリ学生に迫ったら、きっと躊躇するでしょう。逆に、結果を見せれば、勇気を奮い立たせるに違いありません。それは枯れ竹の切り取りで実証済みです。3人が1時間近くも手こずった仕上げを、富美男さんと2人で、10分もかけずに成し遂げられたからです。きっと挑戦意欲をわかせていることでしょう。それはともかく「これが最期か」と思いながら妻を呼び、写真に収まりましたが、叱られました。

久しぶりに出張先で知友と落ち合い、地元の経営者に紹介しました。知友はサラリーマンしながら樹木医になり、理学博士号を得た人で、都市緑化のオーソリティです。2人の干支が丑と寅だと知った地元経営者は、見送りがてらにこの神社に立ち寄り、丑寅の方向は綺麗に保つべき方向、と語っていました。

金曜日の午後、「まさか刺すとは」と見ていた蜂に射されました。「スズメバチが熱い痛さ、アシナガバチが酸っぱい痛さとすれば、これはエグい痛さだ」と妻に説明したのですが、私の体には免疫がなかったと見えて2時間でこの通り。きっとこのおかげで、私の体は活性し、免疫力を高めたことでしょう。

その夕刻、宵待草(待宵草)が咲き始めました。3年がかりで往年の姿を再現させたわけです。この種を手に入れたのは、商社を辞める直前(1978年の晩秋)であったように記憶しています。手に入れた場所は阪急嵐山駅の使われていなかったプラットホーム。その後このプラットホームは舗装され、宵待草は消え去っています。