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イニシアティブと生き残り 12/08/26

 今週の庭仕事は、日曜日の午後から挑んだ夜叉竹の刈り取り作業から始まりました。これで6度目と思いますが、そのたびに刈り取る量が増えており、半日仕事になりました。この息の根をいつ止められるのか。生き残ろうとするその執念には感心させられ通しです。

 このところ、太陽光線を求める植物のけなげな努力にしばしば感心させられています。この庭での今年最初の紅葉は、枯れる前兆でした。艶やかに紅葉した時点で、この枝を日陰にしていた枝を切り取り、日光を受けさせていたらどうなっていたのか、と気になっています。実に艶やかだった紅葉は生き残ろうとするサインではなかったでしょうか。

 関東出張で水と木は家を空けましたが、金曜日に目覚めるとコオロギが鳴き始めており「もう秋だ」と感じました。同時に、「そういえば、このところ、さまざまな虫との楽しい出会いにも恵まれたなあ」と振り返りました。月曜日に、過日私を射したハチの正体を知りえています。その昼下がりに、その巣を目撃しました。「オオフタオビドロバチだった」と広縁にいた妻に話しますと、洗濯物を取り入れていた妻が、「コレ、じゃない」と指さしたのです。その翌日、久しぶりに庭でオンブバッタを見かけました。木曜日に関東でスズメガの幼虫を、週末の夜には居宅の居間で「シャーロット」を、見かけています。

 今週は少しバタバタしました。大事な会議があった関東出張だけでなく、週末にも大事な集いが京都ホテルオークラで予定されており、その鼎談の司会を急遽引き受けたからです。日本は今、衣料面で世界のイニシアティブを握りうる技術を手にしている、と言えそうです。その理想的な先行事例を紹介する発表会があったのです。

 わが国は「食」の面では自給率4割。食のイニシアティブをアメリカなどに握られています。「住」の面でも悲惨です。世界の木材を独り占めしたような時代があったのに、耐用年数が35年とかの家屋を作って来ました。アメリカでさえ築後平均100年の住宅に住んでいます。日本の家屋は、まるで潜在的廃棄物です。しかし「衣」の面では、永遠にリサイクルが可能な社会を創出することができそうになった、といえなくもないのです。

 それはともかく、今週は梅雨時よりも梅雨のように、毎日のように雨に振り回されました。関東での2日間は晴天に恵まれましたが、その間も、わが家の一帯では雨が降ったようです。ですから、帰宅してみると、野菜だけでなく、野草もボウボウと生えていました。「野草が種を結んでバラまく前に」除草しなければ、と気が気ではない思いで眠りました。それは、冬野菜の畝作りにも手を染めなければならない時期に入っていたからです。

 翌朝目覚めると、まずキンギョに餌をやって回りましたが、なんと温室には冬野菜の苗が置いてありました。義妹がまいた混合冬野菜の苗だそうで、何種類かの野菜が混じっていました。この苗にも励まされ、少し出張の疲れが残っていましたが、午後から畝作りに手をつけています。おかげで、冬パターンの畑に向けて、その第一歩を踏み出すことができました。つまり、今はほとんどの畝が夏野菜用の支柱が立った姿ですが、そのうちの1畝が支柱のない冬野菜用の畝に変身です。第2次キュウリの畝の支柱を解体し、仕立て直したわけです。もちろん、使用済みのタケの支柱は分別し、分別収納しました。

 京都ホテルオークラで開催された「体操服!いってらっしゃい おかえりなさい プロジェクト」の発表会は、200人からの人が参集し、大変賑わいました。アイトワ塾の仲間にも駆けつけてもらえましたので、終了後にビアホールで集いましたが、好評でした。

 


カボチャ

ホースラディッシュ

中国ホウセンカ
新果樹園では様々な植物が芽吹いています。堆肥の山があった竹やぶが開かれ、日光を浴びるようになり、堆肥の山で眠っていた種が芽吹いたのでしょう。カボチャがすごい勢いで育っています。他に、濃い紅色の中国ホウセンカ、ホースラディッシュ、あるいはチョウセンアサガオなどが芽吹きました。別途、ここではびこらせたくて、ホウキグサ、アオバナ、あるいはマルバアイの苗を移植しています。

今年最初の紅葉は、何とも人目を引くひと枝でした。やがて枯れましたが、紅葉した時点で既に枯れることが決まっていたのか、「あるいは」と考えたわけです。このなんとも艷やかな紅葉は、日光を遮られた「この窮状に気づいてほしい」とのサインではなかったか、と思ったわけです。

1本のワラビがわずかな光線を求めて、けなげな努力をしていました。朝方のひと時だけ射す光線を求めて異常に丈を伸ばしたわけですが、その姿に「いきもの」の力を、むしろ「生き延びようとする」執念を感じさせられました。

胴体の黄色い帯が2本のオオフタオビドロバチが泥でつくった巣。スズメバチ科。他に、よく似た少し小型のハチがいて、帯は1本。ツチバチ科のキオビツチバチ。百科事典を引いていて、偶然見つけました。オンブバッタを、ブルーベリー畑の除草をしていた時に見つけました。そのうちに、小型で細めのオスが、キリキリキリと羽音をたてて飛ぶ姿を、さらにはメスが何分の1かの小さいオスを背負った姿を見せることでしょう。

これはスズメガの幼虫だろう、と思います。ブドウの葉を食べていました。わが家の庭で見かけるのとは色が異なりますが、形、大きさ、あるいは肌の様子がまったく同じです。わが家の庭で初めて見かけときに、昆虫に詳しい人が、「ここまで温暖化が進んだのですね」と教えてくれましたが、同じ思いにかられました。2011年8月21日、あるいは2010年6月27日の当週記で触れています。

これまでに見た最も大きなクモでした。わが家では、妻が3度も見た子ブタが主人公の映画にちなみ、この手のクモを「シャーロット」と呼ぶことにしました。翌朝、この大グモの寸法を推し量りたくて、額縁にシモノサシを当てると別のクモが飛び出しました。夫婦でしょうか。ちなみに、過日わが家で、ある姉妹と、子ブタの命を救った「シャーロット」を見ましたが、その姉妹はクモを怖がらなくなったとか。

この2人は「未来エキスポ」のメンバーです。「体操服!いってらっしゃい おかえりなさい プロジェクト」の発表会で、最後に登壇させてもらっていました。自分たちの運動だけでなく、堂々と、「一つの質問をさせてください」と会場に問いかけました。そして、シーンとなったときに、「皆さんは、100年後の日本はどうなっていると思いますか」とつなぎました。京都市長を混じえた鼎談の中身をとても際だたせたように思います。