アイトワのホームページ
アイトワ循環図

 文明と剪定 13/03/10

 今週のトピックスは、倉本聰の『明日、悲別で』の千秋楽を妻と一緒に観賞できたことです。この演劇を、かつて私は北海道富良野でも観ていますが、この度も一泊で招いてくださる縁に甘え、6日水曜日から茨城県東海村に出かけたわけです。おかげで、聴き直したかった一文を、妻と感動を共にしながら心に焼き付けました。宿泊では、大笑海岸を見渡せる大浴場を、独り占めしたような体験までさせてもらいました。翌朝、妻はケンのことが心配で、早々に引き揚げました。私は居残り、水戸の偕楽園を案内してもらい、とりわけ剪定に目がとめました。文明にあこがれがちな生き物(ヒト)が、いかに自然と共生するか。これを考えると、剪定は避けて通れません。わが家のこの1年は、次代を切り拓く文明と剪定のありように苦慮し、あがしました。

 ケンは一進一退ですが健在です。2度目の衰弱が進んだ時に、妻はかつて母が医者の奨めで用いた缶詰の流動食を食べさせ、持ち直させました。その後、尿で肌を傷めはじめたとみると、特製の尿瓶を考案するなど、元気を取り戻させました。今は、焼き芋にかぶりついたり、寝返りをうったり、と勝手気ままが目に余るほど。にもかかわらず、妻は肩が凝るだろうと、首筋までもんでやる始末です。そのやりすぎを指摘すると、私のやきもち、と見て笑います。

 もう一つのトピックスは、幾日にもわたって机にかじりついたことです。「リクチュール企画」でのレクチャー内容を報告書としてまとめたり、2年がかりの(ある環境教育書の一部をしめる)一文の最後の校正に苦慮したりしたことです。とりわけ前者は、もし向う3年間の補助金がつけば、とても活用しうる一文ですから、張り切って取り組みました。もちろんその間も幾度も庭に飛び出しています。週の後半は春のような陽気で、長時間にわたって庭で働きました。

 幾本かの(主として自然生えの)木を切り取り、玉切りにするなど、新鋭機のエンジンソーを大活躍させたことです。この作業は、書生がエンジンソーをあやつり、私がロープを操作して願うところに木を倒す作業から始めましたが、オガ屑が大きな箕(み)に3杯分も出ました。かくしてこの冬は、庭を一変させたことになります。あとはモクレンやサザンカを残すのみです。まず、冨美男さんの助力で大剪定から手を付け、幾本かの大木はプロに剪定してもらい、手ごろな木は学生と書生にさばいてもらい、あと始末は主に私が受け持ちました。

 植木鉢の手入れや囲炉裏場のあと片づけにもずいぶん時間を割きました。植木鉢の手入れとは、冬を越した鉢の土を替えたり、植え直したり、あるいは株分けをしたりしたことです。とても面倒な作業ですが、手入れをすると見事に草木が蘇りますから甲斐があります。一斉にハコベやヒメオドリコソウも咲は始めましたから、畑の草ぬきにも励みましたし、学生に切り取ってもらった竹の後始末もしました。週末に、ミズナを1株だけ残し、浅漬けにしてもらいました。

 トピックスがもう一つありました。ミツバチの給餌に初めて挑戦したのです。昨春から棲みついたミツバチの群れですが、巣箱が空になりかねないことがあったのです。しかしわずかですが残っていたのです。そこで妻に見習って無手勝流(自己流)の給餌に挑戦です。妻は、かつては母の世話を、今は寝たきりのケンの世話を、まるで無医村時代の主婦のごとく、いきもの同士の信頼感を頼りにして世話していますが、その心意気を見習おうとしたわけです。ところが、その翌日から春のような好天になり、さまざまな花が咲き始め、ハチも活動し始めたのです。

 この間に、原発問題に関する2つのインタビュー記事に目がとめました。梅原猛の文明論と、米原子力規制委員会前委員長の意見です。後者は6日付け朝日新聞オピニオン欄で、「車を買う時に『いまブレーキを修理しようとしている』と言われて買う人がいるでしょう」と明快です。

 


フフキノトウを妻がたくさん摘んだ

フキノトウ茶漬け
この春最初のフフキノトウ摘みは火曜日5日でした。妻がたくさん摘んで、即刻湯がいて冷凍です。2回目はこの週末に私が摘み、今年最初のフキノトウ茶漬けを作ってもらいました。


クリスマスローズが盛りです

クリスマスローズ
クリスマスローズが盛りです。3年前に、勝手に発芽したクリスマスローズの株も花をつけました。庭にはそれ相当の種がばらまかれたようで、クリスマスローズが自生するようになったようです。いずれは、この庭に適した品種になり、めずらしい花を見せてくれるのではないでしょうか。

クリスマスローズ

クリスマスローズ

クリスマスローズ

勝手に発芽したクリスマスローズ


自生しているセイヨウサクラソウ


鉢植えのセイヨウサクラソウ
その後 セイヨウサクラソウも、2年前から自生するようになっており、そうした株を掘り起こして鉢植えを造るようになっています。ホウキグサはちょうど今、随所で芽を出し始めていますが、こうなるまでに相当の年月を要しました。そのうちに日本サクラソウも自生させられそうに見ています。


囲炉裏場をまた散らかしてしまいました
 
新エンジンソー


根元や節のある部分

これこの通り、囲炉裏場をまた散らかしてしまいました。カシやコウゾなど自生したさまざまな樹種の木を新エンジンソーで切り取りましたが、玉切りは薪小屋に積みました。玉切りした後の枝は燃やして灰にします。根元や節のある部分は乾かしてストーブの燃料にします。


畑のT字路
 
鉢植え植物の手入れ


鉢植え植物の手入れに

畑のT字路が完成。これで温室の出入り口まで一輪車を横着けしやすくなりました。これも加齢対策の一環です。そばの四角いカラー踏み石の下に排水パイプの掃除口が隠されています。今週は数多くの鉢植え植物の手入れに随分時間を割き、アネモネや諸葛菜(ムラサキハナナ)など幾種かはさっそくカフェテラスにデビューさせました。


日本ミツバチの給餌を、我流で試みました


   


 

日本ミツバチの給餌を、我流で試みました。もちろん、師匠の指導をあおぎました。給餌の仕方は「次回、道具持参のうえで教えます」と言ってもらっています。このたびは、餌を置く適部は出入り口の内側、との助言の他に、餌の作り方、餌の砂糖水でハチがおぼれないようにする工夫の必要性などを聞かせてもらい、自己流で試みたわけです。わずかであれ、飢えをしのいでくれていたら、と願っています。


浅漬けにするミズナを収穫

浅漬けにするミズナを収穫しました。一株だけ残しましたが、それでもう一度ハリハリ鍋を、と考えています。ミブナはすでに簡易浅漬けやハリハリ鍋にしてほぼ食べきりました。この冬は気候的にも不作でした。ダイコン、紅芯ダイコン、あるいはカブラなどの根菜にいたってえは、貧弱なものしか育ちませんでした。