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アイトワ循環図

 セセッションと大悲閣 13/07/21

 日曜日は快晴で明けましたが午後から雨。前夜の(大阪で商社時代の仲間と集う)呑み疲れを癒すうえで好都合でした。雨は、週初めのルーチンワークを済ませた頃から降り出し、庭仕事は温室で中国ホウセンカの鉢植えを作ったり、小雨とみると畑に出てキャベツの鬼葉取りや収穫が終わったトウモロコシの残滓を抜き、堆肥の山に積んだりする程度でした。妻は、雨をついて亀岡に出かけ、義妹の夫の百か日をすませました。月日が経つのは早いものです。

 実はこの日、彬さんは最初の里帰りで、1泊しました。私たちがあげた旧婚旅行記念のボストンバッグに洗濯物をいっぱい積めて帰り、まず洗濯です。ですから初日は、一畝耕しただけで雨が降り出し、温室で不得手な仕事(鉢植えスズランの整理)に携わっています。旧婚旅行記念とは、私たち夫婦は事情があって新婚旅行ができず、3年後に商社を辞めた退職金で実現しています。その行き先のエジプトで買ったままになっていたボストンバッグをあげたのです。

 翌日は庭仕事にとって好都合な曇天で、3人はそれぞれ得手の作業に携わりました。彬さんは2本目の畝作りと、一部の土を移動。妻はもっぱら除草。私は新果樹園の整備です。この間に、私は彬さんに未だ教えていなかったノウハウの伝授を挟んでいます。まず殺虫剤の活かし方の1つ。最小の消費で最大の成果を上げる方法です。次いでこの時期のキャベツの手入れ法。これは畑で腐らせない工夫で、誰しもが行っているはず。最後は緑の天涯の手入れ法でした。

 火曜日から一泊の楽しい関東出張でした。しかし帰途、新幹線の中で転んでおり、木金の2日間は庭仕事どころではありません。にもかかわらず、金曜日の夕刻から予定通りにアイトワ塾の合宿に参加。ですから結局今週は、跡の5日間を文字通りの骨休めに割いた勘定です。カラダにとっては養生でしたが、アタマはフル回転させたつもりなのに、恐ろしいことが生じました。

 その原因は、新幹線の中で(マナーを忘れたケイタイに電話がかかり、寝ぼけマナコで通路に飛び出し、転んでしまい)左足をくじき、左背胸部の強打です。息が止まる思いは序の口で、本番は、ほうほうのていで帰宅し、気がゆるんだ夜のことでした。脚は、日にち薬と見ました。胸部は、医者に行ってもX線を浴びせられ(これまでの体験と同様に)「肋骨にヒビが、」と知らされるが落ちと見て、これも自然治癒に任せました。その後、妻の入浴中に、右胸をなんとか下にして寝たのはよかったのですが、呼吸で胸を膨らませると幹部に激痛が走る。身を起こそうとするともっと痛い。やっと身を起こし、深く息をしようとするとさらに痛い。妻を呼ぶにも痛くて声を出せない。過日心臓病で緊急入院した折の、息苦しさにプラス激痛、の勘定です。

 恐ろしいこととは、カラダ(クシャミどころか咳払いも辛い)の痛さに続いたココロの辛さでした。骨休め中なのに普段通りに食べたせいで、3kgも一昼夜で増やしたことです。ところが、世の中はよくできたもので、ここで流れが変わりました。まず、サラダに活かせる夏野菜がたっぷり採れ始め、サラダでカラダをリフレッシュできました。嬉しい献本にも恵まれるなど、ココロを豊かにできました。セセッション(脱退)という言葉やアナーキズムの真の意味に触れるなど「わが意を得たり」の気分です。あと10年はこの生き方を貫きたい、と願っています。

 アイトワ塾の合宿は、変則でした。嵐山の険しい山肌に張り出したような客殿(大悲閣)を借り切り、スピーカーを招かず、仲間内8人でほぼ夜通しのディスカッション(15畳の限られたスペー スで、夜具がありませんから)を楽しみました。原発、調査捕鯨、従軍慰安婦、あるいは憲法などの諸問題を概観し、次代を展望しました。さやかな夜と見事な夜明けでした。

 週末に、1m余の縞ヘビを見ました。これでヘビが、少なくとも庭に5匹は棲んでいる計算です。
 

中国ホウセンカの一重の方は自然生えに任せていますが、八重咲きの方は、毎年使用中の畝の肩を活かして苗作りをし、鉢植えにもしています。この度は、その種まきは彬さんにがさせ、その苗が適度な大きさに育ったので、私が鉢植にしました。

殺虫剤の活かし方。世間での農薬の用い方はいわゆる無差別絨毯爆撃方式ですが、アイトワは狙撃方式(時には注射器も用いる)です。このたびはいわばホロコースト方式の伝授でした。この時期に屎尿タンクのマンホールを開けると、何百匹もの蚊がウワ−ンと飛び出します(水洗便所の汚水はボウフラの生育に最適なのでしょう)。それを家庭用噴霧器で皆殺しです。


行い方の剪定をして見せ

 before

after
緑の天涯の手入れ。緑の天涯とは、私の勝手な命名ですが、一石三鳥を狙った成果です。まず、13段脚立を活かして行う方の剪定をして見せ、次いで彬さんに、スライド式ハシゴに登ればれば済ませられる方の剪定をしてもらいました。


夜叉竹の(今年第3次の)刈り取り

妻がまいた混合レタス
夜叉竹の(今年第3次の)刈り取りや定期的な水槽の水替えをはじめ、日々の金魚やメダカの餌やりとか植木鉢の水やりなどルーチン作業にも余念はありません。私がポットにまいた第3次インゲン豆の苗は妻に 本植してもらい、妻がまいた混合レタスの方は、次週私が個別のポットに植え直しします。

サラダに活かせる夏野菜が美味しい季節。(早春の冬野菜の花芽は格別ですが)この時期の多様な野菜の取り合わせも美味。1個400gr以上のトマトも採れ始めましたし、第2次のチマサンチェも収穫期です。キュウリ、ナス、インゲンマメ、ビート、モロッコマメ、2種のトウガラシ、オクラ、ネギ、キャベツ、ツルムラサキ、モロヘイヤに加え、収穫済みのタマネギ、ジャガイモ、そしてニンニクが生かされています。

嬉しい献本も重なりました。まず、今ならパワハラスメント問題間違いなしの罵倒をあびせた商社時代の部下からです。叱ったのは、会社がつぶれても生きてゆける力を授けたかったので「そんなことで生きてゆけるのか」が理由。彼は定年退職時に「慈愛に満ちた指導を受けた」との礼の便りをくれましたが、その後もかくのごとき印象深い日々を送ってきたようです。


険しい山腹に張り付いたように建っています

京都市街が遠望できます

夜をついて心行くまで語らい
角倉了以が建立し、余生を過ごした千光寺の客殿(大悲閣)は、険しい山腹に張り付いたように建っています、眼下には保津川の川面がのぞいており、はるか先には東山や京都市街が遠望できます。夏虫の声を聴きながら、夜をついて心行くまで語らい、見事な日の出を迎え、きちんと掃除を済ませ、ご住職と記念写真も撮って、下山しました。爽快そのものでした。

見事な日の出を迎え

住職と記念写真も撮って