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価値の創造 06/03/06
日曜日は嬉しい来客があり、月曜日は大垣で楽しい報告を受けるなど、良い週初めになりました。火曜日は、好天につられて朝早くから庭仕事に手を付けましたが、思った以上にはかどりました。朝早くから庭に出る夏型の日程に変えたくなるほどの好天でしたし、翌日は全国的に雨との天気予報でしたから、少々の無理を覚悟してシイタケのホダ木を準備したのです。
来客は、お礼と報告だといって朝一番に訪ねてもらった夫婦連れです。10年ほど前を振り返りながら、私にも一つの老舗を育てるお手伝いが出来たような心境になりました。翌日のホダ木の準備は、不慣れなエンジンソーを使いましたから相当くたびれました。暮に4本もの太いクヌギの頭を落としてありましたから、妻に手伝ってもらって、その幹や枝から長さ70〜80cmほどの瑕のない部分を選びだし、50本ものホダ木を切り出したのです。このホダ木には、近いうちに種駒を打ち込み、寝かせる作業をしなければなりません。残った部分は薪にしますが、まず駒切りし、太い部分は適当な太さに割ります。ストーブ用には太く、風呂焚き用には中ほどから細い枝まで用います。クヌギはクリと違って雨ざらしにしておくと腐りやすいので、急がれます。
水曜日は予報どおりの雨でした。朝一番の雨の中庭にハトが来ていました。幾週か前から時々見かけていたのですが、ポッポのつがいと見まがうばかりでした。きっと雄の方は、ポッポ夫婦の子どもだと思います。両親に追い出されるまで中庭について来ていたハトに違いない、と思われるほどの馴れ馴れしさでした。それはともかく、この庭を縄張りとするノバトのつがいが定まったようで、とても嬉しく思っています。結局終日雨でした。だからデスクワークに割き、よい骨休めになりました。不慣れなエンジンソーを使い、神経までくたびれたようです。
今週は他に、犬小屋だけでなく、雨に打たれよい建具にペンキを塗ったり、赤松を切り取ったり、クヌギを薪にする部分をさばき始めたりしています。来客は他に3組ありました。地球デザインスクールの仲間の建築家を迎え、循環型社会に備える建物のあり方について相談を受けたり、西陣の若手技術者10数名を迎え、時代の波の乗り越え方や潮目の読み方などを語ったり、あるご夫婦に赤ちゃんを見せに立ち寄ってもらったりしています。この母親とは彼女が女子大生の頃からの顔なじみで、ある勉強会で友からゼミ生だと紹介され、出版記念パーティーの受付をしてもらっています。素敵な仕事につき、その関係で素敵な男性と出会い、1児の母になったわけです。
赤松の切り取りは、営々と30数年来剪定し続けてきた木でしたから思案しました。その東側では枝垂れ梅が、南方向ではハナスオウがそれぞれ大きくなっており、いずれかを間伐せざるを得なくなったのです。新に植えるとしたら最も高くつき、困難を伴うのは赤松です。それだけに心の整理が必要でした。枝垂れ梅は、27年ほど前に商社を辞めたときに、仲間が植えてくれた記念樹です。ハナスオウは、山野草に関する私の先生である人が15年ほど前に植えました。
西陣の若手技術者とは、価値の創造の大切さを語りました。歴史と伝統も大切ですが、それは過去の押し付けになりかねません。特に時代の変わり目では、新しい価値を創出し、新たな歴史と伝統の創始者になるべきだ、と語りました。京都にはそのよき前例に事欠きませんし、過去の権威や権力や伝統に気後れしない風土があります。京都議定書から離脱してブッシュのアメリカですら、シアトル市長は全米194市(住民4000万人)を巻き込んで京都議定書を守る宣言をし、環境の世紀に備えました。京都は、あらゆる面で新しい時代に備えた動きに転換し、週始めの夫婦のように楽しく振り返ることが出来る結果に結びつけてほしいものです。好天の週末でしたが、夜分はとても冷え込んだようで、雨水がたまっていたバケツに不思議な氷が張っていました。
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準備したホダ木(右)です。一本に種駒を20個ほど打ち込むとよいと教えられ、常寂光寺さんの若住職から1000個もの種駒をもらいました。前回は、2割ぐらいのホダ木が雑菌に冒されたのですが、15個程度しか打ち込んでいなかったからかもしれません。ホダ木は、菌がうまく活着すれば、向こう5年ぐらいはシイタケが取れます。
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金太の小屋です。多くの時間をパテつめ作業(上左)にとられました。もしペンキの塗り替えを、短大の立て直しに追われていた頃から始めていたら、ここまで木を腐らせずに済んでいたことでしょう。過日、出入り口の前にテラスを作りました。金太のお気に入りの小屋ですから、金太の命がある限りもたせたい、と思っています。
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北向きの物入れの扉にもペンキを塗りました。木目が見える塗装がしてあったのですが、耐水性に欠けていました。今の建築界では見栄えを優先し、耐用年数は30年ほどで十分と考えているのかもしれません。さいわい、金具やネジ釘は恒久性のあるアルミやステンレス製が使われていましたから、木目を犠牲にして木部の耐水性を高めました。
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西向きの物入れの引き戸の補修も、ペンキ塗りまでを終えました。用いられていた合板には驚きました。一番上に張ってあった化粧版は、0.5mm程度でした。見栄えのよい木材を薄く削り取り、貼り付ける大変な技術力です。でもその技術は見せかけの繁栄を謳歌させ、潜在的なゴミを増やしていただけかもしれません。本来は、こうした国家の弱体化を許さないために政府は許認可権を行使すべきです。現実は逆のことをしているようです。
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ポッポと見まがうつがいが棲み付きました。まず雄(体が大きい方)が中庭にやってくるようになり、その安心度合いを確かめてから雌(体が小さい方)も近づきます。この写真を寝坊をした妻に見せながら、隣の生けに放した亀の弁慶は今頃どうしているのかな、と語りあいました。このところ、コジュケイの家族を見かけません。
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切り倒した赤松です。年輪は55ありました、自然生えの赤松を長年にわたって剪定し、伝統的な日本庭園で見られるような庭木に仕立ててきただけに、とても迷いました。しかし、私なりの心の整理をした上で思い切って切り倒し、いろんな意味で、よかったと思っています。
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不思議な氷でした。どうしてこのような菱型の盛り上がりが出来たのか。盛り上がりの中央は煙突のように空洞です。7時に見つけたときは底があるものと思い込んでいたのですが、赤ちゃんを見せによってもらった夫婦に見せた11時時点で、底がない煙突型だと気付いています。凍結で生じた圧力の関係で、水を噴出でもする穴が必要だったのでしょうか。自然は不思議です。
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