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アイトワ循環図

観光立国を考える 06/04/02

 日曜日は市内での講演に出かけ、帰宅すると「ケンがまだ帰っていない」と妻が騒いでいました。4時半に、10年前と同じく太秦署で保護されていたことが分かり、連れ戻しています。

 講演は、観光関係者が多い来場者に京都の繁栄策を語ってほしい、との依頼でした。京都といえば観光です。国は近年観光立国を叫んでいます。その京都や国のあり方に私は危機意識を抱いていましたから、「歴史と伝統や景観を誇ってきた京都ですが、皆さんは、その京都で食うのか京都を食うのか」と迫りました。「を」を「で」に変えよう、との呼びかけです。

 観光は、中国の易経にある「国の光を観る」に始まるようですから、国が国を挙げて取り組むべき課題でしょう。各都市が歴史的な遺産や景観などに胡坐をかき、集まってくる観光客を待ち構え、あれこれと散財させる策や仕掛けをろうしているようではいけません。それを国が許しておくようでは観光立国とはいえない。行政は時代の要請を睨んで方向を示し、手厚い助成策を用意し、各事業者は新しい歴史や伝統の創出に取り組み、国を輝かせようとすべきです。

 アイトワも小さな観光産業ですから、仲間で試みてきたことを紹介しました。アイトワの喫茶店は、室内禁煙(1986年春)の面でも、ソーラー発電機を導入した点(1994年)でも全国初といわれます。妻は少数民族の働く女性をテーマにした人形を独自に創り始め(1976年)、展示室を構えましたが、これも新しい切り口でしょう。もちろん、エコライフガーデンを創出し、循環型社会に対応する生き方への転換を提案したのも新しい試みのはずです。アイトワは小さな点にすぎませんが、環境の時代に備える提案が時代の要請に沿っているとすれば、京都にはそれを大きな面として打ち出し、アッピールする格好の場がある、と訴えたわけです。

 それは市の大見と前回も触れた府の丹後・宮津のことです。アメリカは有限の資源を用いて無限の欲望を膨らませかねない20世紀型のディズニーランドを生み出したが、資源小国の日本は21世紀型の生き方を提唱するエコロジカルランドを創出してはどうか、との提案です。大見では21世紀型の生き方に覚醒する公園を、宮津ではそれを体感・体験できる長期滞在型の公園を創出し、京都の知名度を生かして世界に呼びかける。国はこれを観光の目玉として来日者を増やし、京都の業者は市内を基点に幾日か滞在を増やしたくなる魅力を付加すべき、と呼びかけました。

 アイトワでは先週末にグループ見学を受け入れましたが、その引率者から礼状が届きました。「何かしらほのぼのとした気分で帰宅し、この方向でやって行こうと言う意欲が更に強まったように思います。夫婦で参観させていただいのも本当によかったです」と綴られていました。定年期を迎えたご夫婦に、未来への共通の夢を描いていただけたとすればこんなに嬉しいことはありません。この礼状を読みながら、先週で終わったカルチャー-センターを思い出しました。定年間近の団塊世代の男性が、これと正反対の反応を示しておられたように感じていたからです。

 今週は、月曜日から連続3日間庭仕事に没頭しています。火曜日の午後は時雨れましたが、その時は風除室の掃除に当て、晴れていた間は庭に出て、夏野菜の畝の準備、庭の除草、風除室横の土手の掃除などに精を出しました。妻は、松屋での個展で嫁ぎ先が決まった人形の送り出し作業にかかっていましたから、風呂焚きも私が担当し、一昨年のスモモの剪定で出た小枝で1週間ほど焚けることを確かめています。この程度の柴作りなら80歳代になっても可能でしょう。木曜日は大阪のホテルに出むき、京阪神の主だった企業の人が集う会に顔を出し、金曜日は芸術家のご夫妻を迎え、それぞれ歓談を楽しんでいます。土曜日は岐阜で誕生した新しい保育園の門出に立ち会い、胸を膨らませて帰ってきました。庭ではハクモクレンが咲き始めています。

多目的小屋が夏姿になりました。温室から鉢植えの香港カボックを取り出して並べ、六甲サクラソウの平鉢を配しました。冬がきてまた温室に非難するまで香港カボックの鉢はここで過ごします。六甲サクラソウの平鉢は、花が終わると取り去られ、次の花をつけた鉢がデビューします。

小型のシイタケを干しています。立派なシイタケは、採り立てを焼いて食べると絶品ですから、お裾分けなどもして消化します。左手前は、やっと掃除をおえたヤブツルアズキとエゴマです。今は野カンゾウの旬ですから和え物にしてもらいました。妻は、ツクシも摘んでいましたが、どう生かすのかまだ私には分かりません。

風除室の北側にある土手の手入れをしました。ビオトープがあるのですが、セリが期待通りに育ちました。近年は水枯れすることが増えましたから、水を常時たたえる壷を埋め込み(上)ヤゴなどの避難場所にしました。宮津で昨年買った野生の(もしくは野生化していた)ワサビの苗が元気に芽(左)を出しました。
クコのアーチの塗装が乾きましたから、クコを巻きつけました。これから新芽を伸ばし、白い花をつけ、やがてルビーのような色の紡錘型の小さな実を鈴のようにつけます。邪魔な枝は剪定し、新芽を味噌汁の具に生かしてもらいました。

義妹が作った飯炊き釜です。中蓋も用意して(右)圧力を高めるようにしていますから、きっと美味しく炊き上げられることでしょう。フキノトウ茶漬けやキャラブキをいかしたおにぎりをつくる日が楽しみです。

「ガラスがずれている」と、妻が大声を上げました。金曜日の朝のことです。これを新種のツララ、水平ツララといってよいのでしょうか。広縁の屋根ガラスの上に雪が降り、それが解けて凍って薄い氷になって滑ったのでしょう。こんな現象はわが家では始めてみました。

ハクモクレンがほころび始めました。前の道から写しましたが、カラットは晴れ上がる日が2日も続けば満開になりそうです。あと10年もすれが、背丈が2倍ほどになり、道行く人たちの目には4倍ほどの大きさの樹木となり、楽しんでもらえそうです。