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主婦に万歳  08/03/30

 妻が個展を終えて帰ってくる火曜日に、1週間ぶりで風呂を焚きました。風呂のあと、1週間の出来事を、ビールを飲みながら深夜まで話しあいました。妻は大勢の人に助けられ、充実した1週間を過ごすことができたわけです。結局私は、まともに自炊をせずに済みました。

 日曜日の昼食は、最寄りのアイトワ塾生のお宅でスパゲッティをご馳走になり、そのあと3人の塾生と連れだって自主上映映画を見に行き、夜は居酒屋です。翌月曜日は夕食がつくアイトワ塾でした。塾生は私が自炊をせずに済むように心を配り、間接的に妻を助けたわけです。

 居酒屋では初めて間人(たいざ)の鯖の刺身やバチコ(ナマコの卵巣の干物)まで口にしましたが、水曜日から再開した妻の手料理に勝るものはありません。朝はパン食、昼は鍋焼きうどん、夜の主菜はカキフライでした。しかし、コーンスープは好みの濃さや熱さでしたし、昼は1週間ぶりのうどんだし、夜は初収穫のキャベツとワケギが生かされました。

 自主上映映画は「水になった村」でした。2人の働き者の年老いた主婦の偉大さを「もう1度観て確かめておきたい」と願い、塾生を誘いました。強制移住で豪華な家屋を手に入れ、世間からは「徳山御殿」と揶揄されながら、実は「生きる基盤」を奪われていたことを見事に指摘していました。「生きる基盤」は、最近アイトワ塾でとりあげただけに、興味津々であったのです。

 今週は主婦の偉大さや大切さを思い知らされる1週間でした。この半年間BS2で、とりこにされた朝の連続ドラマ「ちりとてちん」と「都の風」が、今週で終わりました。とりこにされたわけが今週の放映分でやっと分かりました。共に主婦の力や母親の偉大さをテーマにしていたわけです。私の処女作は『ビブギオール・カラー ポスト消費社会の旗手たち』でしたが、主婦こそ多彩な総合能力を求められるビブギオール・カラーであったわけです。工業社会は、そうした存在を軽視し、女性までブルーカラーやホワイトカラーなど単色の人にしてしまったわけです。それが家庭崩壊を進め、真に国を思う心を喪失させ、民家を消費の場にしたのではないでしょうか。

 庭仕事がはかどった上に、嬉しい来客や本に恵まれた1週間でもありました。草抜き、薪の移動、セージなどの植え替えに精を出しました。とりわけ草抜きに時間を割き、一輪車に12杯分も野草を抜きました。この2週間で20杯分は抜いたことになります。向こう2年ほどで、野草に手を焼かずに済む庭にしたく思っています。春の7草や犬が薬草として選ぶ野草もありますし、特定の草を餌にする虫もいるに違いありません。ですから、工夫と苦労が伴う作業になりそうです。

 山菜は、フキノトウやツクシが花を咲かせ、スギナやフキが芽生えました。コゴミは妻の留守中に長けてしまい、今年も収穫の盛期を逃がしました。ワラビとカンゾウが収穫期に入りました。草花ではバイモやスターフラワーが咲き始め、樹木では週初めからハクモクレンとミツマタが、火曜日からヒメコブシが、水曜日からスモモと染井吉野が、そして金曜日から花桃が咲き始めています。週初めに咲き始めたハクモクレンは週末にはすでに散り始めました。

 来客は、同時通訳の名手で、幾度も海外出張に同行してもらった商社時代の部下、報道関係の仕事を通して結ばれ、高齢出産で子を得た夫婦、経済問題に詳しい人、海外旅行を幾度か共にした農業関係に詳しい友、かつて講演を聴いたと言って立ち寄ってもらえた工業高校の教諭、よい酒が手に入ったといって持参してくれた顧問先の社長、そして小倉山など幾つかの地名の由来を調査している友の9人でした。経済問題に詳しい人は初対面ですが、拙著をすべて読むといってまず2冊買ってもらいました。いただいた本は3冊です。それぞれ分野は異なりますが、いずれもが偉大なる主婦の力と大いに関係がありそうです。
 
キャベツまで小鳥がついばみ始めました。ブロッコリーの側にキャベツを植えたものですから、ついでについばんでみたのでしょうか。いらぬ事に気付かせたのかもしれません。収穫を急ぐことにしました。
今年のコゴミの収穫はこれだけ。遅れて芽吹いた3株のコゴミを収穫し、酒の肴にしました。3月に妻の個展がない来春はタップリと味わいたく思っています。今では100株以上に増えており、来春は100数十株になっているかもしれません。場所を得たらとてもよく繁殖します。
バイモ(左)、スターフラワー(上)、そしてハクモクレンとヒメコブシ(左上)。バイモは2カ所で定着しており、スターフラワーはブルーと白がありますが、随所で自生化しています。ハクモクレンとヒメコブシは各1本ですが、隣り合わせに生えています。
このたび出来た風呂焚き用の薪。母屋の軒下に運び上げました。これで風呂を1年間は焚けるでしょう。太陽温水器と併用し、湯を1度で捨てず、くべ方を工夫します。別途、杉の枯れ枝と枯れ竹を焚き付けとして用います。
このたび出来たワークショップにある薪ストーブ用の燃料。これで1冬を過ごして余りが出るでしょう。
今年の干しシイタケ。妻の留守中に収穫し、乾燥まで1人で行いましたが、少しくたびれました。妻と一緒に、「どれを焼いて、酒の肴にするか」などと相談しながら収穫した方が楽しいだけでなく、疲れません。
3書はいずれも「生きる基盤」にとって大切です。『古民家主義』は、アメリカでプライムローンが破綻した折だけにとても有意義な好著で、「生きる基盤」としての家屋、主婦がヤマノカミである家屋が語られています。今は、風呂を焚きながら『愛国者の流儀』を読みふけっています。各人の「生きる基盤」としての愛国が語られています。