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人形の奉納と朝粥  08/04/27

 粥を4度も味わう1週間でした。ある大役を日曜日に果たした後、翌日から準備に取りかかった催しがあったからです。朝粥の集いです。妻は2種類の粥に挑戦しました。雑穀を用いた粥と、庭のセリやクコを生かし、焼いた丸餅を入れた白粥です。私は山菜などの収穫を担当しました。

 良い週初めでした。好天の下、壬生狂言で用いて頂く人形を奉納することができたのです。鎌倉時代から一度も途絶えることなく700年間も受け継がれてきた無形文化財で用いて頂く人形です。重要無形民俗文化財にまで育て上げた壬生大念仏講中の皆さんの前で、妻はいつでも補修をさせて頂きますし、必要とあればさらに工夫も加えさせて頂きます、と約束しました。妻が半年がかりでつくり上げた人形ですが、まだ改良の余地があるかもしれません。

 月曜日は前日より好天になり、朝日を浴びながら妻と山椒の花を摘んだあと、夕刻まで庭仕事に精を出しました。庭にはなぜか、実山椒の木が少ないのが心配なぐらい、花山椒の木がたくさん自生しています。ハトが糞で種まきをした山椒です。摘む時期が少し遅れましたから、開ききった花は摘まなかったのですが、それでもそこそこの量になりました。早速その夜、妻は佃煮にしました。昼食は、お好み焼きでした。キャベツが例年より早く破裂してしまったので、あわてて使えそうなものを収穫し、タップリと生かし、お好み焼きをつくったのです。夜はアイトワ塾がありました。通常の勉強を終えた後、脱会者が出たことを反省しています。

 火曜日も好天で、朝食は粥でした。雑穀粥の試作と試食です。その後、薬草摘みから手を付け、トウモロコシの種をポットにまき、キャラブキを造るフキを収穫して夕刻を迎えました。カキドウシで自家製の薬をつくります。スギナは良く洗って陰干しをし、高血圧に悩む友に送りました。スギナを茶葉として生かし、お茶代わりに飲んでもらえたら、と願っています。スギナには、血圧を正常に保つ成分が含まれているそうです。これまでに、年によっては沐浴剤に、スギナを何気なしに加えてきましたが、それは身体が求めていたのかもしれません。

 水曜日は曇り空になりました。終日庭には出ず、原稿の推敲と大学への出講、その後は野暮用で大阪に出かけています。天気予報では、朝粥の集いがある金曜日には持ち直すが、水曜日の夕刻あたりから雨、と予報していました。木曜日は、午前中は原稿の推敲、午後は雨の中を市内に出て、ラジオの生番組に出ました。その最中に雨が上がり、4時に帰宅し、早速朝粥の会場として用いる木陰のテラスを掃除しました。10畳の間ほどのシートを外し、カーペットを持ち込み、カーペットの巻き癖を直すようにして布団を乗せ、シートを被せ直して翌朝に備えたわけです。

 金曜日は、まれに見る好天で明けました。前夜から迎えた関東からの友の他は、市内にお住まいの人たちですが、モミジの若葉と好天のすばらしさを楽しんで頂けたと思います。関東からの友は20年来のつきあいです。このたびの妻の個展に出した人形や、妻が展示会場で着込んだブラウスに用いたレース生地をもらった人で、服飾デザイナーです。お招きした人たちは、この1年来のつきあいですが、良き影響を与えてもらった人たちでした。それぞれ分野は異なりますが、それぞれの分野で日本1の人たちです。なのに、そのような印象をいささかも与えない人たちです。

 翌朝も好天に恵まれ、残り粥を味わいました。

 良き贈り物にも恵まれた1週間でしたし、庭仕事もはかどりました。第一弾のキュウリの苗を植え付け、ニンジンの種をまき、ナスとズッキーニの他に、トウモロコシの畝の準備も出来ました。ほうれん草が出そろっています。裏庭の土手に階段をつくりました。杖を使えば、もっと高齢になっても肥料を運び上げられるでしょう。

 
キャベツの花芽(左)です。白い薹は包丁が入らないほど固い。その強さで、キャベツを割ります(左上)。やがてつぼみを露わにします(上)。
 
カキドウシ(左)とスギナ。カキドウシを焼酎漬けにしたカキドウシ酒が、打ち身やねんざの薬だ、と過日立ち寄ってくれた商社時代の部下が教えてくれました。スギナは、友の1人に送りました。
2種の粥は、義妹がつくった土鍋で煮ました。クコとセリを刻んで入れた白粥は、緑の鍋で煮て、炭火で焼いた餅を加えました。関東からの友が持参してくれた海の幸と、我が家で調達した山の幸で賑わいを添えました。
タイムスリップも体験しました。ラジオの生番組に出かけましたが、道中で10分あまり余裕の時間があり、その間の出来事です。道沿いで、和泉式部の文字が目に留まり、3mほど踏み込みました。すぐにこの墓にたどり着きました。しばしの静寂です。この墓から5mほど出ると繁華街でした。この繁華街が、錯覚を呼び覚まさせました。火災が生じ、火に包まれた家屋の中で、遊びに熱中している子どもの姿です。教典か何かで知った話の1情景を思い出したのです。
このような薪の積み方をした人は初めてです。庭仕事の途中で薪小屋に立ち寄り、目にしたのです。先週、庭の見学者を案内している間に、ドンさんが積んでくれたものです。私には、こうは積めません。我が家が2度目のドンさんですが、私のライフスタイルを早理解してもらえたのか、ニュージーランドの人たちのライフスタイルなのか、と考えています。松の皮などの樹皮も、集めて物陰に仕舞ってもらえていました(右)。
筑波からの贈り物。水車杉線香や石岡鈴木牧場ヨーグルトなどが出てきました。2週前に訪ねてもらった長野のお客さんには、レタスの酢、宝徳という直径7.5cmもある車麩、寒天などを届けてもらいました。また、京都の友から壇進の筍が届きました。こんなに白くて軟らかい筍は初めてです。
裏庭で作った階段。裏庭では、コゴミの他に、ミントや三つ葉が茂り始めました。ワラビやウド、ヤブマオウやフキなどの山菜、ユキノシタ、クサノオウ、カキドオシなどの薬草、ムラサキハナナやフジバカマなどの花も楽しめます。ヤブマオウやウドには肥料を与えたくて、坂に石段を造りました。杖を使えば、これで相当の高齢まで上り下りできるでしょう。