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暖かいパンと全快 08/09/21

 3種類もの手造りパンまで満喫できた1週間でした。日曜日の朝食は、楽しい話題に花を咲かせながら、先週末に届いた手造りパンを味わいました。芙蓉が満開でした。午後は京都駅ビルまで友に連れて行ってもらい、ピサロ展を見届けました。夕刻の水やりで、ヤマウルシが新芽を出していることに気づきました。かつて丹後を訪ねたときの記念の木で、唯一生き残った苗木です。そのときのマンサクとコシアブラを枯らしているだけに嬉しくなりました。夕食では、朝と同じ話題を持ち出しながら、初めて口にするヘチマ料理を味わいました。朝と同じ話題とは、アメリカの長女・リズが火曜日に帰ってくる話題でした。実に楽しい週初めになりました。

 月曜日の朝、北海道の遠軽からイタドリの純正蜂蜜に、6種のジャガイモと2種のトウモロコシをそえたチルドの荷物が届きました。午後、スイスから妻の友の手紙が着き、ジェニファーの礼状が添えられていました。ジェニファーは元気そうで、彼女らしい花柄の便箋でした。

 火曜日は、まず朝に、東京の友だち夫妻から、妻の怪我を見舞う連名の手紙と贈り物が届き、丸い手造りパンも出てきました。昼前にリズが自転車でたどり着きました。なんと、今度は円盤状の手造りパンまで持参してくれたのです。その後、丹後の友が、ナシとイチジクを手土産に、友だち連れで訪ねてくれました。こうしてほほが緩みっぱなしの1週間が始まったのです。

 リズは、30年ほど前にホームステイした第2のわが家へ、数回目の里帰りです。夫と2人の娘をそれぞれの学校に送り出した後で駆けつけました。妻は、来年6月まで一家で滞日と確認し、もう一度喜んでいました。ご両親は健在で、89歳の父上は、私も鍬を振るったことがある畑で精を出すだけでなく、広大な森からストーブ用の薪を切り出し続けていると聞き、力づけられました。

 今週も庭仕事と作文に力を入れました。作文は次の本の全文を完成させました。これで見本刷りが作れそうな段階です。その後は、膨大な数の写真に添える説明文を考えたり、図解する必要がある文章に添える作図をしたり、見本刷りを見ながら全文の添削をしたりすることになりそうです。庭仕事は大きく分けて2つでした。除草と腐葉土小屋の手入れでした。

 台風の余波の雨で土が緩み、種を結び始めた夏草の除草がはかどりました。2日を割き、地べたにへばりつきました。その間に、腰伸ばしをかねて畑を見廻ったり、冬野菜の水やりもしましたが、まずイモムシの餌としてナスを抜き去らなくてよかった、と思いました。見事なナスが実を結んでいたのです。久しぶりでコオロギが目立つほど発生しており、嬉しい反面、冬野菜の種が被害にあい、困っています。ハクサイは2度目も全滅です。やむなく対策を講じました。

 腐葉土小屋では、まず去年積み上げた落ち葉を手前に移動させました。半日仕事ですが、2日に分けました。これまでと異なることが2つありました。カブトムシの幼虫がいなかったことです。もう1つは、楓の葉を入れなかったのに、雨水で濡れていない落ち葉がたくさん出てきたことです。2つともに思い当たる節があります。カブトムシの乱獲と異常降雨でしょう。去年の分を移動させた上で、今年の分を入れ始めました。まず緑の天蓋の剪定で出たクヌギの枝葉と、樫の小枝を放り込みました。樫の小枝は、火曜日の朝、妻と2人で生垣の剪定をしたときのものです。

 妻の膝の傷は、金曜日に医者の手から離れました。まだ膝を曲げられないようで、夕刻に庭仕事を手伝ってくれましたが、ギボウシの花軸の切り取りになどにとどめていました。土曜日の朝刊で、大阪大空襲の民間被災者が、国を提訴することになった、と知りました。民間人をないがしろにする体質は、今も汚染米問題などの問題として現れている、と複雑な気持ちで読みました。夕刻にはお呼ばれで、保津川のほとりにある工房と料亭に妻と出かけます。
 
先週末に届き、月曜日の朝食で味わったロスティック(田舎風の)パン。国産の小麦粉と天然酵母、塩と具材だけで、こねることもまったくせずに放置して発酵させたパンは、力強い味だし、日持ちがします。毎日のようにパンを焼けない貧しい農民が編み出した知恵でしょう。1週間や10日はさして味が落ちません。

満開の芙蓉に、今年も例年のイモムシがたくさん群がっています。蝶か蛾か、いずれになるのかさえ知りませんが、芙蓉以外についているところを見たことがありません。死ぬまでに、時間を作って、どのような成虫になるのか見届けたく思っています。

イタドリの蜂蜜と、そこに添えられていた遠軽の山の幸(白滝の共立農場の北あかり・メークイン・とうや・レッドムーンなどジャガイモと藤森農園のトウモロコシ)。蜂に採密させられるほど豊かなイタドリに興味を示すと、その群生写真などを護送してもらえました。

ロスティックパンと対極の丁寧につくられたパン。火曜日から水曜日にかけて、ラップをしてレンジでチンして味わいました。無性にこのご夫妻に会いたくなりました。ご主人に薪風呂を焚いてもらったことがありますが、なかなかの名手でした。奥さんの手前味噌もうまい。

リズさんのパンは、食べ盛りの子育て中の母を思わせました。妻は久しぶりで散らし寿司を造って迎えました。それは亡き母の好物でしたが、仏前に供えるのを忘れてしまうほど嬉しかったようです。私は1995年のアメリカ取材の折に、メイン州の彼女の実家を訪ねています。彼女の通訳でなければ、『「想い」を売る会社』は誕生していませんでした。

それぞれのパンに合わせたのか、初めて口にする料理に恵まれた1週間でした。とりわけ、ネギ苗を植えつけた後に残ったネギ(根から7cmほどのところから切り取って植えますが、その切り取った部分を1晩水につけておいたものを妻にわたした)を生かした一品(左)と、残り物の野菜 (カボチャ、ネギ、エリンギ、トマト、エノキ、玉ネギ) を生かした中華風スープ(上)、そしてヘチマの新しい料理(上左)が絶品でした。

ダチュラが満開です。左奥の株は2年前に鉢からおろした分です。来年から、白いダチュラも加わるはずです。昨年の暮れに、2本の白いダチュラを鉢から地におろしています。ダチュラの鉢植えはなくしました。いずれは、ピンクのダチュラを手に入れたく思っています。