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年寄りの冷や水 10/02/07

 久しぶりで朝から日が暮れるまで庭仕事に励みました。先週末のことです。男女各4人、計8人の学生・うち3人は初参加を迎えて、7件の仕事を片付けることにした1日です。うち3件は、5本の枯れ竹、背丈4mほどのクスの木、そして野小屋の周りでむき出しになっていた竹の根を切り取る作業です。加えて、野小屋の横の土手削り、中ぐらいのキンモクセイの大胆な剪定、そしてモミジのトンネルの落ち葉かきの3件、以上6件は学生に受け持ってもらいました。私は高い梯子や脚立に登って樫の頭をつめたり大胆に剪定したりする危険な作業を受け持ちました。

 まず皆で、7件の仕事をする現場を見て回ったあと、囲炉裏場に用意してあった道具を示し、次いで焚き火の起こし方と焼き芋の作り方を指導し、さらにそれぞれの仕事の意義と完成したときの姿を説明しました。そして、ローテーションを組んで各人がすべての仕事を経験できるように勧めたうえで、それぞれの持ち場に分かれました。夕刻5時にほぼ期待通りに仕事を終え、後は囲炉裏場で遅めのオヤツをとり、焚き火を囲みました。もちろん、その間の昼食と焼き芋の時間も全員集合し、質疑応答しています。焚き火は初めてという人が複数いました。

 参加した学生に共通していたことは、この世の中はそう長くは続かないと予感し、農的生活力の必要性を感じていたことです。ところが、親から農業は割に合わない仕事だと諭された人が多く、就農を躊躇していました。どうやら親は、工業社会を是としており、子はその破綻を予感しているのでしょう。私は、次代が容認しそうな美意識や価値観が話題になることを期待しながら、焚き火が背丈を越える火柱になるようにしますと、雑談は1時間あまり続きました。

 翌日から、庭仕事に半日ずつを割くことにしています。切り取った木をさばき終えるのに3日を要しました。太い幹、細い枝葉、その中間の枝などに切り分けたわけです。もちろんその間に、さまざまな仕事を挟み込みました。サルが案の定、日曜日から出没しました。サルは賢いのか、バカになり始めた生き物か、と考えながらサル対策に、道標の1つが朽ちましたからその補修と立て替えに、故障していた自動点滅ライトの取り替えになど、すぐに取り組むべき仕事が次々と沸いてきました。木曜日は、期待通りの好天になりましたので、そそくさとエンジンソーを持ち出し、エンジンの調子がよくなったところで、危険な仕事に挑戦です。

 先週末に頭を取った樫の仕上げです。始動させたエンジンソーを片手にぶらさげ、高い梯子を登り、太い幹を1mあまり切り落とす作業です。その1本が3mあまり落下する過程で、アルミ製の梯子に当たり、ものすごい音を立てました。妻は飛び出してきて「年寄りの冷や水」にならないように注意を促し、私は6回目の「年男の記念だよ」とさらりと応えましたが、内心はヒヤリとしていました。エンジンはうなり声を上げていましたし、梯子は大きな衝撃を受けました。落ちた木が計算外のバウンドをしていたら嵌め込みガラスを割りかねない作業でした。

 金曜日は、まき割りはげみましが、夜は少し飲み過ぎました。中学まで同窓だった友だちと小料理屋に出かけ、ヒレ酒と焼酎のお湯割を傾けたのです。夜はバタンキューです。久しぶりのまき割りで少し緊張し、疲れていたのでしょうか。酔って帰って、風呂に入ったことまで覚えています。結局今週も、毎夜風呂焚きを受け持とうと思っていながら、果せずになりました。

 久しぶりで8時間も眠りこけ、目覚めますと雪景色でした。樹木も土も屋根も、2cmほどの雪をかぶっていました。このところ寸暇を惜しんで楽しい原稿作りに追われています。今ある私は、たった1年間の幼児期の体験に導かれていたことが明らかになったのです。それを振り返る一文です。午後は来客、引き続いてある会議にでかけ、庭には出ずじまいです。
 
各人持参の昼食は、小倉池が望めるイノシシスロープでとりました。手造り弁当は私一人でしたから、食事をはじめとする近年の生活の外部化を問題にしました。また、日本の農業の衰退も、外部化、つまり自給自足指向を放棄したことにありそうだ、と語りました。つまり、産地指定された品種の栽培に特化・先進して現金収入の増大化を求め、そのお金で他の自家消費する作物をすべて購入するような生き方への転換です。帳簿上は豊かに見えますし、暇な時間はふえましたが、実質も豊かになったのか、と問いかけたわけです。


Before

After
こんなに茂っていた樫の木でしたが、学生の加勢のおかげでハッスルした私は、大胆な剪定に取りかかりました。もちろんヒヤリとすることが3度ばかりありましたが、妻が願ったとおりに仕上げることができました。

学生が切り取ったクスと大幅に剪定したキンモクセイにくわえ、わたしが切り落とした樫の頭に3日にわたって取り組み、さばきました。


夜は、間違って穴あけた「箕(み)」の修繕に挑戦したのですが、失敗に終わりました。穴をあけたのは、未だ火の気が残る灰をいれたせいです。穴の部分を網状に補修すれば、使い勝手がよくなる、と思ったのですが、接着剤が不適切であったのです。


タビラコが自生した

大きな鉢に移してはびこらせた
ことしは「七草粥」をすべて庭の7草で造れた年ですが、それはタビラコが自生したおかげです。そこでタビラコをはびこらせる作戦に入りました。第2ステップは、大きな鉢に移してはびこらせ、第3ステップはセリが自生しているビオトープの一角にでも下ろし、根付かせるつもりです。


自動給水装置
この屋上緑化は、顧問をしていた当時の東邦レオ社に、実験的に造ってもらったものです。私は自動給水が不要な植物を茂らせて、自動給水装置や機器を取り除くことができたら、と願ってきました。ほぼ納得できる成果を得ましたからを器機を取り除きました。なお、同社は現在、屋上緑化で第一人者ですし、私の勧めで始めてもらえた民需への対応も「軌道に乗った」と聞かされています。次のステップは、自動給水装置を不要にする植生研究でしょう。

樋の付け替えもしました。この部屋の前に月見台をつくっていますが、その関係で夜間照明具を取り付けました。このたび樋が故障したのを幸いに、懸案の作業に取り組んだわけです。これまでは夜間照明具の配線が目立ちましたが、目立ちにくくする位置に付け替えたわけです。新しい樋代などは2500円でした。