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アイトワ循環図
逢引 10/10/03
 
 庭仕事は、冬パターンに変わり、風呂も天水の行水から、薪風呂の湯に浸かるようになりました。気温が一変です。土曜日から2日続いた講演も無事にこなし、4ヶ月にわたった水町さんの研修も楽しく終わりました。また、週初めと週末の2度の見学旅行も好天に恵まれました。とはいえ、申し開きようのない失策もしでかした1週間でした。

 土曜日の3Rリーダー向け拡大教養講座は、常寂光寺で行ないました。翌日曜日の田舎暮らしフェスタは滋賀県の山奥にある閉校、東草野小中学校甲津原分校跡でありました。後者は、限界集落の活性化に狙いがある催しでしたし、主催者が体験宿泊施設をもっていました。また、2人のアイトワ塾生に付き合うといってもらえましたから、1日伸ばして集落の現状を見学することにしたのです。この一泊が大失策に結びつきました。

 近江の偉人・中江藤樹記念館にたどり着いた月曜日の朝でした。妻の電話で、ダブルブックに気づかされました。なんと助っ人の学生が来てくれる日になっていたのです。しかも、その学生にインタビューを希望する人を招いていたのです。あるテレビ関係のディレクターと確お電話を土曜日にしておきながら,すっぽかしたのです。いよいよボケが出てきたのでないか、としばし呆然、頭が真っ白になる体験をしました。

 学生は5人が来てくれたそうですが、しっかり仕事をしていました。前回枝葉をさばいたキンモクセイの幹を根元から切り取る作業。野小屋の横の土手を削りたして、ブルーシートに盛り上げる作業。そして温室のガラス磨きです。いずれも期待通りでした。さらに、こうした作業に勤しむ動機をきちんと応えた、と電話でディレクターから聞きました。

 このブルーシートの土は,水曜日に水町さんが移動させました。研修の最終日でしたので、緑の天蓋の仕上げと、エンジンソーの使い方も経験してもらいました。もちろん昼食とおやつの時間は,これまでの実体験を反省しています。これから生きてゆく方向と生き方を定める上で有意義であった、と振り返ってもらえることを願わずにはおれません。

 学生が切り取ったキンモクセイの幹と、ベンチにしていたクヌギの丸太を駒切りにして、その1つを、久しぶりに斧を振り回して割りました。少し手こずりましたが、ドンさんなら軽々と割ってしまうに違いありません。ニュージランドから海詩をつれて里帰りし、ドンはイギリスから合流する、と海詩の母親・みかからハガキで知らせてもらっています。

 木曜日に久しぶりにミツバチの師匠と会いました。京都でミツバチの研究発表会が始まり,その初会合があったのです。これから不定期ですが開催されます。ミツバチは、欧州とアフリカから世界に広がったもので、とても神秘的な逢引をする生き物です

 金曜日の朝から地質学者の案内で白浜に1泊旅行にでかけ、岸壁や海水に洗われた岩床などを見る目を改めました。狙いは,南紀にある日本屈指の源泉を見てまわる旅でしたが、地球の構造、岩石に刻まれた生き物の痕跡、桁外れに長い視点を要するものの見方などに興味を持ったわけです。クエ鍋の夕食とその後の有志の集いで、少し飲み過ぎました。尖閣沖漁船事件までが話題に登ったりしたからです。

 「世も末だ」と思わせられる方向に検察の不祥事が進んだ1週間でもありました。いかに後始末をするか、注目です。いよいよ日本を沈滞させる方向に進みかねません。企業に好き放題のリストラを許した小泉政権、日中関係を見誤った管政権、そしてこの検察の不祥事。日本の権威を地に落とさせ、屋台骨を腐らせ兼ねないことが続発しすぎです。

 
3Rリーダー向け拡大教養講座は、講演のあとでわが家の庭の見学が組み込まれていました。この中のお1人は古ぼけた『現代農業』という雑誌持参で遠方から参加されました。かつて農文協から求められてわが家の生活ぶりを寄稿しましたが、その記事が載っている特集号でした。

週初めのフェスタは、『エコトピア』の著書・内藤正明先生とのトークショーでした。この会場では、ずいぶん以前の私のエッセーを覚えていて遠方から駆けつけたくださった人と出会えました。ガーデニング雑誌の草分け『私の部屋 ビズ』に連載したものです

ミツバチの師匠がくださった今年初物のクリ。妻は翌朝5時過ぎに起きだし、栗ご飯を炊いて、南紀源泉見学ツアーに持参する弁当を作ってくれました。弁当持参のプログラムを私が好む理由は、こうした妻の弁当が食べたいからかもしれません。

緑の天蓋は2週間にわたって剪定したことになります。この緑陰の快適さは、異常に暑かった夏場のお茶や昼食の時間を通して、水町さんにとっぷりと味わってもらいました。その恩恵を求めて天蓋を作ったことや,その維持に要する作業について学んでもらいました。

エンジンソーを取り出して、キンモクセイの幹とベンチにしていたクヌギを駒切りにしたり、枝払いででた太めの枝を薪仕立てに切ったりして、少し危険ですが私流のエコな切り方を水町さんに学んでもらいました。駒切りは、ドンさん一家を招いてドンさんに割ってもらおうと思っています。ドンさんは、名所旧跡を見て回るよりも、海詩の側で汗をかく時間のほうを好む人です。

2人の友人から近著を贈ってもらいました。たとえばフリ−ダムとリバティーはともに自由と訳されていますがずいぶんニュアンスは違います。この違いを掘り下げるだけでも文化の違いを始めさまざまなことが見えてきます。童話作家が記した琵琶湖への思いにも興味をそそられています。

キノコ博士ご夫妻が、週末の留守中に天然の「マイタケ」を持参してくださていました。少し若い時点で採ったマイタケですが、この軸はまるでアワビのような感触です。週末の夕餉は文字通りに予期せぬご馳走にありつけました。