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ケンとボウフラ、体験学習 12/05/27

 トピックスに恵まれた週初めでした。まず穏やかに明けた日曜日の夜。わが家に小型犬が迷い込みました。翌日は、久しぶりの大見視察でしたが、その夕刻に、スリランカ旅行の「取材ノートが見つかった」との知らせがありました。スリランカを離れた日の夕刻に、取材ノートを見失うという失態を、生まれて初めて演じていたのです。

 小型犬は、居間のテラスで妻が見つけました。夕食後、金太が、しばらくしてハッピーの様子が「いつもと違う」と妻が言って、外に出たかと思うまもなく小さな犬を抱きかかえて戻って来ました。尻尾を振りながら「抱きついて来た」そうです。「さあ大変」。妻は大変な情熱を傾け、一応のケリがついたのは火曜日の朝のことでした。

 大見視察はまるで老人の遠足でした。一番若手が還暦1年前。帰路はこの人の車で、わが家まで送り届けてもらいました。その道中で、この人は大学3年時に伊藤忠に就職内定していたけれど、多額の違約金をもらってキョンセルされた。その理由が安宅産業事件。安宅は、私が就職していたかもしれない商社など、さまざまな接点があった人でした。

 水曜日は、4人連れの来訪に始まり、最後のアイトワ塾まで4件の来客が続きました。最初は有名な尼僧ご一行。次いで、脱サラして無農薬有機農業を始め、成功事例として知られる人。アイトワ塾では罪について触れました。罪といえば、私たち日本人は法律上の罪を意識しがちですが、私はもっと尊守すべき罪がある、と思っています。法律上の罪は、その時々の都合に過ぎず、時代や権力が変わればゴロッと変わりかねません。私はそれを小学1年生の時に体験しました。敗戦です。その「ゴロッと」が、いま世界中で生じつつあり、この点にいかに配慮するかで国や個人の未来が大きく左右されることでしょう。

 木曜日から妻は四国に出かけましたから数日間留守番です。「さあ大変」。ケンの世話まで引き受けたからです。後ろ脚がほぼ不自由になったケンの、たったの1日の世話で妻に脱帽状態。妻には、母の看病でも脱帽でしたが、言葉が通じないケンの世話も大変です。妻の帰りを一日千秋の思いになりました。でも、2日目は金太の散歩がキッカケで、3匹の世話に1時間余も割きました。犬が好むイネ科の野草を目の敵にしていたことに気付かされたなど、3匹の犬の知恵や性格の差異の大きさに興味を惹かれたのです。

 週末は久方ぶりの「湯豆腐の会」でした。年に2度、日曜日にかけて東京の仲間を京都に迎える交歓会ですが、20年余も続いています。決まっているのは祇園の銭湯に浸かり、木屋町のとあるカウンター割烹を占拠することぐらい。初日は午後からスタートし、平安神宮をめぐって長楽館でお茶の時間を過ごし、いつものように銭湯に向いました。いつもカラオケが始まるとソッと退散しますが、メンバーのオペラ歌手が2〜3番目以内に当たりそうなときは、それを楽しんでから逃げ出します。

 この間にあって、ツバキの大胆な剪定など庭の手入れにも励みました。新しい薪小屋が完成し、薪を運び込んだだけでなく、蒸し竈を予定の場所に設置しました。シイタケなどのホタ木を本伏せするところも完成し、シイタケとナメコのホタ木を伏せました。次週にでもヒラタケのホタ木を本伏せするところを探さなければなりません。メダカの世話でも大きな進展がありました。陽がよく射す温室で増殖させ始めたのがキッカケです。ボウフラ対策としてキンギョやメダカを飼っていながら、ボウフラ対策に手抜かりがあったことを思い知らされており、体験学習の必要性を再認識させられています。
 

この犬のために、妻は即刻警察に電話をかけ、朝を待ってよく似た犬を飼っていたご近所を訪ね、と大奮闘。その間に、犬の寝床を用意する間、私も抱かされたり、2度にわたって餌をやらされたりしており、可愛くて仕方がなくなりました。おかげで近年のペットブームの陰で、犬がどのような境遇に追い込まれているのか色々と学びました。この犬に限って言えば、とても幸せなことに結びつきそうです。

大見には復々式の分校がありましたが、その跡に残るジャングルジムがこの村の時間の流れを語りかけてくるようでした。また、近年の洪水で川筋が変わったようで、石コロだらけの川があり、その岸辺で人工物を1つ見かけました。この一片の陶器のカケラが、この村のかつての栄光に思いを馳せさせました。

ツバキの大胆な剪定が出来たのは、火曜日に来てもらえた富美男さんのおかげ。嵩を3分の1に(背丈を1m半ほど)縮めました。これで、アイトワ塾の幹事・舞鶴さんから引き継いだムクゲや、短大をやめた時の記念樹の1本・紅枝垂れウメが映えそうです。妻も富美男さんの大胆な剪定に慣れたようで、「すっきりしました」と喜んでいました。

ムベの棚を活かしたシイタケなどのホタ木の本伏せ場ができたのは、学生助っ人と水島さんのおかげ。ムベの「棚の歪」を直し、クコのアーチを移動させるなどしたのは学生助っ人。溶接工事をしたのは水島さん。よく考えると、ムベの棚の下を「本伏せ場に」転用させたイノシシです。クコを枯らし、ジネンジョを求めてムベの棚の下を掘り返し、台なしにしたのはイノシシですから。

新しい薪小屋が完成しました。重たい「蒸し竈」の恒久的設置場所も定まりましたし、急に雨が降りだした時の、濡らしたくないもの、例えば灰を積んだ一輪車などの避難場所も出来たわけです。

秋田の友人から山菜が届きました。いつも庭の野菜の端境期に届きますから大助かりです。今年は、幸いなことに、竹やぶの一部を切り開いたおかげで、自然生えの野菜が沢山芽吹き、これにも助けられています。また、セロリの美味しい部分に気付かされ、自家菜園の醍醐味とばかりに楽しんでいます。

今週の美味は、まずセロリの「薹」。今がその一番美味しい時期。これは自家菜園の醍醐味の1つで、頃合いよく収穫した「薹」はなんとも美味しい。次いで菜園のニラを活かして作ってもらった韓国流のお好み焼き。見かけと違って美味しかった。最期は、留守中の野菜不足を心配して作ってくれたピクルス。