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ヒトの力と第4次夏野菜 12/07/15

 北海道。楽しい3泊4日の旅でした。6日金の夜に羽田まで出ておき、翌朝旭川空港へ。この旅では胸に、密かな願いを込めていましたが、成果は十分でした。まず「旭山動物園」から訪れ、これからの時代を豊かに生きるうえで、あるいは企業など組織の繁栄にとって不可欠になる、と思う「ヒトのチカラ」を目の当たりにしてきました。

 夜は富良野で倉本聰 作・演出の『明日、悲別(かなしべつ)で』を観る予定でしたが、その間に写真家・前田真三の遺作展示施設「拓真館」に立ち寄ることができました。おかげで、「旭山動物園」の人気の秘密がたちどころに「分かった」という気分にされ、その感動は『明日、悲別で』の観賞で頂点に達しました。それにしても、この旅では良い本を道連れにしたものです。このところ読み直している『論語』関連の1冊です。

 翌日は上機嫌で紋別まで移動し、旧友と再会。翌朝はハマボウフウの白い花が咲くオホーツクの海岸まで連れて行ってもらい、そこで別れて網走へ。「やまね工房」を訪ねました。そしてここでも、上記3者と共通するチカラに気付かされています。それは、ヒト特有の創造力や協調力などだけではなく、もっと大切なもう一つのチカラです、そしてそれが真のヒトのチカラとして重視される時代になる、と確信しています。

 この4者は、それぞれの分野で社会的存在意義を明確にしていますが、その意義を具現化する力を強烈に感じさせられました。それを『論語』では「知のチカラ」や「徳のチカラ」と見ているようですが、これからの社会は徳の力の比重を急速に高めるに違いない、と思わせられました。たとえば、都市は「知のチカラ」だけで創出できそうだし、戦争も「知のチカラ」が起こしかねません。原爆や原発はその悪しき典型でしょう。その弊害が今日、自然破壊、資源枯渇、野生生物絶滅、はたまた人心荒廃などの諸問題となって顕になってしまったのではないか。これからは「徳のチカラ」が導いてほしい

 このような思いを抱きながら月曜日の夜に帰宅。さらに2日後の木曜日朝から週末にかけて関東出張に出かけました。しかも帰路は大阪まで足を延ばし、商社時代の仲間との集いが待っていました。そのようなわけで、庭仕事は週の中日の2日間に限られました。そこで一計を案じ、先週の木曜日から、次週の水曜日あたりに完結させる計画を画策し、実行に移しています。それは、初めて試みる「第4次夏野菜作戦」です。

 このところ食生活は、量から、身の丈にあった質への転換を試みています。野菜で言えば、一度に育てる量を減らし、「初なりの味」を数次にわたって楽しむだけでなく、収穫期を伸ばす努力です。この度は、第4次のインゲンマメの種を先週木曜日にポットにまくことから手をつけて、「第4次夏野菜作戦」を展開したわけです。

 このインゲンマメの苗を、10日火に用意した畝に植え付け、次いで第4次キュウリの苗を関東出張中に育てておきたくて、種をポットにまいています。そしてこの苗を次週水曜日あたりに植え付けようと考え、その畝を用意しています。第1次インゲンマメの跡を、支柱を残したまま仕立て直したわけですが、その過程でとんでもない過ちを犯しています。なお、第4次ナスビの計画は、第1次を切り返し、新芽を出させることで更新します。

 結局庭仕事は火・水の2日。この間に、3つのホーセンカの鉢植えを造ったり、妻の加勢を得て大掛かりな焚き火をしたりしただけでなく、新果樹園の竹の根を絶やす第4次タケノコ刈り取り作戦も展開し、タケの執念(?)に改めて驚かされたりしています。
 

富良野塾
育苗畑

植樹場
倉本聰の「富良野塾」はもとより、育苗畑、植樹場、「ニングルテラス」、あるいは「風のガーデン」などにも立ち寄り、倉本聰の世界を満室したようなつもりになりました。それにしても『明日、悲別で』はもう一度観たい。

ニングルテラス

風のガーデン

「オホーツク流氷館」では流氷の季節の寒さ(マイナス16.5度)も体験しましたし、北海の天使のごとき生きた「クリオネ」が、似た種の貝の一種を捕食する様子も眺めました。

「やまね工房」の落合けいこさんの著書を「奥様に」と言ってもらいました。妻は「似たことをなさる人ね」といって大喜び。実は、アイトワでは、「やまね工房」の趣旨に賛同して、動物の縫いぐるみを20年ほど前から扱っています。

今週の美味は、この新果樹園で自然生えしたゴボウでした。かつての堆肥の山を崩してならした跡で育ったもので、堆肥の厚さの分の寸法しかありません。しかし、生でもかじってみると甘くて柔らかかったし、調理をしても香りがとんでおらずにとても芳しく、思わずニンマリしました。

第4次インゲンマメのために、昨年(の今頃の常緑樹の落ち葉と秋の落ち葉を)積み上げて堆肥にした腐葉土を、腐葉小屋から取り出し始めました。その下準備をひと月あまり前にしておきましたが、この腐葉土の中で育っているカブトムシなどの幼虫を狙って何者かが腐葉土をかき混ぜており、掻きだす手間を省かせてくれました。


第1次(左)と第2次のインゲンマメ

腐葉土をまいている途中
第1次のインゲンマメと勘違いして第2次のツルを抜いてしまい,「どうして」、と妻を驚かせました。写真は、支柱ごと抜き去った第1次(左)と第2次のインゲンマメ(やっと花を咲かせ始めた時点)。そして次の写真は、第1次のインゲンマメの跡を、主柱を残したまま仕立て直して、鶏糞や灰などを混ぜた肥料をまき、その上に腐葉土をまいている途中。勘違いした理由は多々ありそうです。


既に腐敗し始めています

第3次の1.5倍ほどの量

笹のように細いタケ
タケの執念に驚かされました。第3次で刈り取った分は既に腐敗し始めていますが、第4次は第3次の1.5倍ほどの量でした。それに加えて、妻が鎌で刈り取った分があります。それは、第3次までの刈り取った跡から吹き出した笹のように細いタケでした。第何次にわたって、つまりいつまでこの刈り取り作戦を展開することになるのか、興味津々です。